工学部長メッセージ

工学研究院長・工学府長・工学部長
山本 元司

九州大学工学部は2021年に学科改組と入試改革をおこない、I群からV群での従来の複数学科をまとめたものと、入学時点では専門を決めないVI群による中括り入試制度および総合型選抜も取り入れた新しい入試制度を開始しました。さらに、学部4年間と修士2年間の一貫した教育プログラムを新たに整備して、情報技術を基本としつつ、社会や技術の様々な変化に柔軟に対応できる人材を育成する体制を整えています。

2019年末から発生し始めたCOVID-19により、授業がオンライン中心となったり、課外活動が大幅に制限されたりと、数年間は学生の皆さんへ多大な影響がありました。しかし、現在では様々な制限がほとんど解除されてきたことから、対面を基本とする本来の教育体制に戻ってきております。
九州大学工学系では、入試改革と学科改組による新たなカリキュラムでの学部・大学院の一貫教育により、学生の積極的で自主的な学びを基本として、時代の変化に対応した教育を実施しています。

九州大学は、1911年(明治44年)に九州帝国大学工科大学として福岡市東区箱崎の地に創立、1919年(大正8年)に九州帝国大学工学部、1947年(昭和22年)に九州大学工学部となり現在に至っています。この間、西日本の拠点大学として先導的な教育と研究を担い、これまで卒業・修了された先輩方は、国内外で指導的な活躍をなされておられます。九州大学工学部は、激変する社会情勢にも柔軟に対応し、国際的に活躍できる人材を今後とも輩出し続けます。

この人材育成のための具体的な九州大学工学部独自の取り組みとして、工学部と工学府学生向けの国際派遣・研修プログラムがあります。また、学部から授業等すべて英語のみで行う国際コースを設置しています。これまで数年間はCOVID-19の影響により、国際派遣・研修プログラムはオンラインでの実施となったり、また留学生の来日に支障が出たりといった困難さがありました。しかしながら、現在ではそれらの問題はほとんど解消されており、国際的な広い視野を有する人材育成のため、これらのプログラムや制度を充実させています。

九州大学工学部は、国際的先導的な教育・研究を推進し、その成果を社会に還元する責任があります。箱崎の地から、工学部が最初に伊都キャンパスへの移転を開始して早くも20年弱が経ちました。当初の計画どおり他部局の移転も完了し、全面的に教育研究を新しい設備で実施できる環境が整っています。

最先端の教育研究設備により、九州大学工学部として世界に誇れる成果をお見せできるよう、学生の皆さんと教職員が一体となって努力する所存です。産業界の皆様、行政の皆様、市民の皆様、保護者の皆様、そして卒業生の皆様、これからもご支援賜りますようお願い申し上げます。

 

九州大学大学院工学研究院長・大学院工学府長・工学部長
山本 元司