物質科学工学科

コース紹介

学科のあらまし

物質科学工学科の前身となる学科は,1911年(明治44年)の九州帝国大学創立と同時に設置された冶金学科と応用化学科です。その後,1997年(平成9年)に物質科学に関わる3つの学科を統合し,物質科学工学科が誕生しました。

私たち人類は物質に囲まれて生きています。物質の性質を理解し,新しい性質を有する物質を作り出すことは,人々の生活のあらゆる場面に寄与する極めて重要な知識・技術であると言えるでしょう。物質科学とは人々の暮らしを豊かにするサイエンスなのです。

物質科学工学科ではあらゆる無機・有機物質に関わる基盤的な科学知識を習得し,新しい物質の創造に必要な先端知識・技術を学びます。さらに,これらの知識を踏まえて,生産プロセス,ナノ材料,生命・環境システム,新エネルギー開発などに関わる幅広い研究開発に取り組みます。

物質科学工学科入学後の最初の1年半はおもに学科に共通する基礎科目を学びます。その後の2年半は選択するコース(化学プロセス・生命工学コース応用化学コース材料科学工学コース;1年修了時に選択)で,より高度で専門的な学問技術を習得し,4年生での卒業研究に臨みます。学部卒業後,8割以上は大学院(修士課程,博士課程)に進学し更に専門的な知識を学びます。本学科卒業生は,高分子,金属,セラミック,化学薬品,食品,医薬品,電気,情報,エネルギー,資源,自動車,航空,宇宙など多くの産業分野で,活躍しています。

物質科学が関与するフィールドは,素材開発からバイオ・医療まで極めて広大です。物質科学工学科はその広大なフィールドのエントランスです。私たちは新しい物質の創造を通して,未来に寄与できる人材を育成します。

化学プロセス・生命工学コース

化学プロセス・生命工学コース本コースは,化学工学(Chemical Engineering)という学問分野を基礎としています。化学工学は,物理化学,反応工学,生物化学工学,物質移動工学,伝熱工学,流体工学,プロセスシステム工学などの学問から構成されています。これらの学問は,化学プラントなどで材料や製品を製造するために発展してきました。さらに,近年,化学工学は,バイオ,環境,エネルギー,新材料,宇宙,人工知能などの先端分野に進出し,安心・安全な社会作りに貢献しています。
本コースでは,「生物・生命」,「環境・エネルギー」,「新材料」の3領域へ応用する能力を養います。「生物・生命」では,人工臓器,バイオ医薬品,遺伝子デリバリー,再生医療,バイオ生産などを目指します。また,「環境・エネルギー」では,燃料電池,省エネルギー技術,有害物質の除去,微量な有用物質の分離,プラントの安全運転などがあります。さらに,「新材料」では,ナノレベル制御での新材料,生体材料,電子材料などが対象となります。本コースを担当する多くの教員は,本学の化学・材料と環境・エネルギーに関する2つのグローバルCOEプログラム(世界最先端研究教育拠点)に参加しています。
みなさんの先輩達は,化学工学を基礎としてさまざまな分野の研究を行い,多くの成果を上げています。化学工学は時代と共に進化しています。みなさんの時代には,さらに新開拓の分野が現れているでしょう。
化学プロセス・生命工学コース

応用化学コース

応用化学コースナノテクノロジー(ナノテク)という言葉が一般的になってきました。これは,いろいろな材料を原子や分子のレベルで使いこなす技術をいいますが,化学の知識を活かせば,原子や分子を精密に組み合わせて全く新しい働きを引き出すことができます。

このようなナノテク材料が,ITやバイオ,環境などの分野を革新しています。エネルギーや資源を効率良く使った物質生産,エレクトロニクス産業のインフラストラクチャーとしての高性能材料,環境にやさしい安全・安心な新素材など,その例は枚挙に暇がありません。これまでは謎とされてきた生命現象も,DNAや酵素など,ナノメートル(10億分の1メートル)レベルでの有機分子の働きで理解できるようになってきました。医療や医薬品開発も含めて,化学のエキスパートの活躍の場はこれまでにない広がりを見せています。

応用化学コース応用化学コースでは,いろいろな講義や実験を通じて幅広い知識を身につけていきます。学部4年次には,それまでの勉強の集大成として,卒業研究を実施します。皆さん自身が最先端の研究課題に取り組み,優れた研究成果は,学術論文や研究発表として国内外に発信されます。応用化学コースの卒業生は,大学院に進学するケースが多くなっています。私たちのグループは,全国でもごく限られた,文部科学省グローバルCOEの研究拠点のひとつです。このような環境を活かして,大学院教育の充実にも取り組んでいます。

材料科学工学コース

材料科学工学コース材料科学工学とは金属,半導体,セラミックスなどいろいろな無機材料の原料となる物質の抽出から材料として最終的な形になるまでの物理と化学,そして新しい材料の開発とその材料特性を解析・評価する広い学問分野です。本コースは以下の3分野から成り立っています。(1)地球上にいろいろな形態や化学的な結合状態で存在する原料物質から,物理的,化学的あるいは電気化学的に素材物質を抽出・精製する反応プロセス分野。(2)素材を粉末状態や融けた状態,あるいは気体状態で混合・固化し,熱や変形を加えて性質をコントロールし,材料のいろいろな特性やミクロな構造を調べ,新しい機能材料を開発する材料物性分野。(3)溶解・凝固や塑性変形などによって材料を最終的な形につくりあげる加工プロセス分野。

本コースではこのような広い分野の知識が修得できるようにカリキュラムを編成しています。たとえば材料の特性を電子,原子,結晶レベルで理解するためのナノ・ミクロ領域の科目から,材料を実際に生産するマクロな過程についての科目まで幅広く準備されています。世界最高の分解能を持つ最新の超高分解能電子顕微鏡を用いた研究や計算機シミレーションによる材料解析など,間口の広い学問分野ですから各々自分の特質にあった分野を選んで興味を深めることができます。大学院への進学率は70%を越えています。
材料科学工学コース

カリキュラム Pick UP

2年生前期まではおもに学科に共通する基礎科目を学びます。その後の2年半は、1年生終了時に選択する化学プロセス・生命工学コース、応用化学コース(機能物質化学クラス、分子システム工学クラス)、材料科学工学コースの4コースに分かれて、より高度で専門的な学問技術を習得し、4年生での卒業研究に臨みます。以下に物質科学工学科での講義・実習風景について紹介します。

講義・実験実習[化学プロセス・生命工学コース]
物質科学工学科カリキュラム-実験風景

実験風景

化学プロセス・生命工学コースでは2年生から毎週実験実習があります。実験実習では、基本的な実験操作を身につけるだけでなく、『自ら考え、計画し、実験して、結果をまとめて、発表する』という一連のプロセスを身につけます。各実験で学ぶ内容は、講義で学習した化学工学の理論の演習の役割もあり、材料や製品を高効率かつ省エネルギーに製造するプロセスを設計するためのトレーニングにもなっています。

化学プロセス・生命工学コースの講義は、化学工学(Chemical Engineering)という学問分野を基礎としています。化学工学は,物理化学,反応工学,生物化学工学,物質移動工学,伝熱工学,流体工学,プロセスシステム工学などの学問から構成されています。これらの学問は,化学プラントなどで材料や製品を製造するために発展してきました。さらに,近年,化学工学は,バイオ,環境,エネルギー,新材料,宇宙,人工知能などの先端分野に進出し,安心・安全な社会作りに貢献しています。

学術英語[応用化学コース 分子システム工学クラス]
物質科学工学科カリキュラム-学術英語(応用化学コース 分子システム工学クラスより)

企業工場見学(応用化学コース 機能物質化学クラスより)

1報の学術英語論文を取り上げ、「論文の読み方」を修士課程のボランティア学生が半年をかけてしっかり指導します。その理解度を発表する場として1月に「発表会」を行います。教員や大学院生の前で発表することで学会デビューに向けた第一歩を踏み出すことになります。

応用化学コースでは課外教育活動の一環として、毎年2ヶ所の企業工場見学を行っており、生産現場の様子を見学しています。

グローバルサイエンスキャンパス[材料科学工学コース]
物質科学工学科カリキュラム-グローバルサイエンスキャンパス(材料科学工学コースより)

高校生とのディスカッション風景

材料科学工学コースでは,九州大学と科学技術振興機構が行なっている高大連携プロジェクトであるグローバルサイエンスキャンパスの推進を工学部で唯一行なっています。本コースが担当する「次世代科学技術探求コース」では,科学がいかに金属やセラミックス,半導体といった無機物質科学に応用されているかを学ぶ“基礎講座”,実習・実験から科学技術を修得する“実践研究「ものづくり」”,工学の更なる発展に繋がる科学技術を修得する“応用講座”を実施しており,学生はティーチングアシスタントとして研究・教育の実践を通じて,学術研究の進め方を学ぶことができます。

シラバス

物質科学工学科で開講されている全授業のシラバス(授業概要・授業計画)は,下記サイトをご覧ください。