工学部座談会

学生


物質科学工学科

学生


物質科学工学科

学生


物質科学工学科

学生


エネルギー科学科

学生


建築学科

学生


機械航空工学科

学生


地球環境工学科

学生


電気情報工学科

聞き手
久枝 良雄 工学部長
久枝工学部長

私が九州大学を
選んだ理由

久枝:現在、九州大学工学部における女子学生の割合は10%に達していません。進路を考えている女子高生にもっと九州大学工学部の魅力をお伝えしたいと思い、今日は、工学部に所属する女子学生に集まってもらいました。まずはみなさんが工学部を選んだ理由を教えてください。

中島:私は以前から建築士になりたくて建築学科に入りたかったからです。

有馬:もともと理系に進もうと思っていましたが、血が苦手なので医療系は無理ですし、農学部も動物の解剖はやりたくないな、と。産業により密接に関わっているのは工学部だなと思って入りました。

為本:理系科目が好きで得意だったので、理系に進むことは早くから決めていました。有馬さんと同じ理由なんですが、血が苦手でしたし、実験が楽しくて物質科学工学科を選びました。

久枝:理学部にも物理学科や化学科がありますが、そちらは考えなかったのですか。

為本:工学部の方が日常生活で使えるものを作ることができると高校の先生から聞きました。

馬越:私は高専で5年間学んだ後、更に化学の知識を深めて、将来は化粧品を作ってみたいと思い工学部に編入してきました。

黒木:私も生き物が苦手だったので、医学、薬学、歯学、看護、生物は無理かなと考えていたら理学部か工学部になりました。私が高校生の時がガラケーからスマホに変わる時代で、これからはICTやIoTが一般的に使われるようになって、この分野の未来は明るいだろうなと思って電気情報工学科を選びました。

秋山:父がものづくりが好きで、姉は建築学科に進んでいます。工学が身近にある環境で育ち、私自身もものづくりが好きで小さい頃から家の靴棚を作ったりしていました。機械航空工学科を選んだのは空を飛ぶ乗り物が好きだったからです。

出原:私も理系に進むことは早くから決めていました。どの学部に進もうかなと思っていた時に、オープンキャンパスで女子の工学部生にお会いする機会がありました。実は私は工学部には男子しかいないと思い込んでいたので「どうして理学部じゃなくて工学部を選んだのですか?」って聞いたんです。その方に「工学部は最初は浅く広く学べるし、その後の進路の選択肢も広がる」と話をしていただいたのが、工学部を選んだきっかけです。

吉野:私は小さい頃から自然科学が好きだったということもありますが、女性として生きていく中で結婚してからも自分で収入を得たいというのがあって工学部にしました。地球環境工学科を選んだのは、東日本大震災をはじめとする自然災害が多くて、これからは防災方面の仕事が必要とされると思ったからです。

工学女子が感じた
印象

久枝:工学女子として工学部にどのような印象を持っていますか。

吉野:学科の授業でフィールドトリップがあるのはすごく楽しいですね。景観学の授業で吉井町に行きました。実際に学科の学びが社会の中で役に立っているのを見るとうれしく思います。

出原:女子で工学部というだけで人に関心を持ってもらえますし、教授にも顔と名前をすぐに覚えていただけるので、質問などをしやすいというメリットはあると思います。

秋山:単純に自分が興味のあることを学べるのは楽しいです。高校までは歴史などに全く興味がなくて授業も苦痛でした(笑)。ですから、自分が好きなことを学べる環境に身を置けることはすごくありがたいことだと思います。また、鳥人間サークルに所属していますが、そこで得た知識が授業に出てきたり、授業で学んだことをサークル活動に活かしたりできることはおもしろいですね。

黒木:女子の希少価値が高いというのはあります。就活の面でも、普段の生活の面でも、少ないからこそ優しく接してもらえることが多いですし、出原さんが言うとおり女子が工学部、というギャップが印象に残って関心を持ってもらえます。女子が少ないことがわかっていて工学部に来ている女子同士ですから、気が合う人が多いと思います。

馬越:実験を通して知識を深められるのはすごくいいことだと思います。

為本:春休みに工学部がやっている留学プログラム(ELEP※)は、補助金も手厚くてすごくいいなと思いました。

有馬:みんな性別に関係なく仲良くやっていますし楽しく学べています。

中島:建築学科は工学部の中でも女子が多い方ですが、私が進もうとしているのは女子が1人か2人しか進まないコースで、とても歓迎していただきました(笑)。それから、建築を学ぶ旅行で九州各地や広島、京都などいろんな場所に行けるのも楽しいです。

※: Engineering Leaders English Program「英語力ブラッシュアップ」と「アントレプレナーシップ(起業家精神)の涵養」に焦点を当てたプログラム

伊都キャンパスの
印象

久枝:九州大学は昨年9月にキャンパスの移転を完了しました。工学部は伊都キャンパスには最も早く14年前に移転してきたのですが、みなさんは伊都キャンパスにどのような印象をお持ちですか?。

中島:建築学科はつい最近まで箱崎キャンパスだったのですが、箱崎キャンパスと比べて女子トイレが多いですし、すごくきれいなのがうれしいです。

有馬:受験で来た時は「かっこいいな」というのが第一印象でした。

為本:すごく大きくて開放的だなと思いました。設備も充実していますし、風車などがあって「理系っぽいな」と思いました。図書館も広くていいですね。

久枝:中央図書館にも行きますか?

為本:理系の本が多い理系図書館を利用することの方が多いです。

馬越:やっぱり広さに驚きました。まだ2ヵ月なので新鮮です。

黒木:4月から研究室に配属されたのですが、建物の中が迷路のように入り組んでいて、たまに自分がどこにいるのかわからなくなります(笑)。

秋山:ウエスト1号館から4号館まで雨に濡れることなく移動できるのはいいですね。建物ごとに階数が変わって、たまに時空のゆがみが発生します(笑)。

出原:高層ビルが立ち並んだ風景にすごく感動しました。

吉野:近代的な建物だけでなく自然も多いので、地球環境工学科の私にとってはすごく良い環境です。先日は猪が通った場所も教えてもらいました。

久枝:確かに自然は多いですね。私も猪の家族連れに出会ったことがあります。さらに少し奥に行けば湧き水が出ているところもあります。

秋山:私は毎年そこにホタルを見に行っています。あと、キャンパス内で3回狸に出会いました(笑)。

工学女子の
将来の夢

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久枝:九州大学工学部には、女子の求人もたくさん来ています。以前は女子学生は就職に不利と言われていましたが、今はむしろ有利だと感じています。そこでみなさんがこれから先、どのような夢をお持ちなのか教えてください。

中島:元々は建築設計がやりたかったのですが、今は耐震を考えることに興味があって、そのような研究分野に進みたいと考えています。

有馬:需要にあった新しい機能を持つ物質を研究できる研究機関に入って、実際に製品を世の中に生み出したいです。

為本:ものづくりも化学も好きですし、英語を話すことも好きなので、それらを総合的に活かせる仕事ができればいいなと思っています。ELEPを利用してアメリカの企業に行ったことで考え方も随分と変わったので、これからインターンシップにも参加して具体的に何をしたいのかを見つけていければいいなと考えています。

馬越:将来は化粧品会社に就職して化粧品の研究をやりたいです。

黒木:私は大学院には進まず4年で卒業・就職しようと思い、実際に情報処理関係を中心に就職活動をしています。情報の分野で、より使いやすくて便利なものを作り出していきたいと思っています。

秋山:航空機関連の仕事に就けたらと思っています。工学部に進学しているので、人の役に立てるものを作る職に就きたいです。

出原:海外の企業とコミュニケーションを取りながら仕事をしたいので、インターンシップを経験したうえで、いろいろなことを考えていきたいです。

吉野:人に教えることが好きなので、大学に残って研究を進め、将来は人に教える仕事に就けたらいいな。

久枝:みなさんのお話で少しでも多くの女子学生が工学部に興味を持ってくれるとうれしいですね。また、在学中の女子学生のみなさんにも、楽しく充実した大学生活を送っていただけるように努力していきます。本日はありがとうございました。