最先端の知識と技術を結集し、空と宇宙のフロンティアを切り拓く夢へ踏み出す第一歩
日本の航空宇宙開発は近年急速に進展しており、はやぶさ1・2号機による小惑星探査は記憶に新しく、新型国産ジェット旅客機や次期基幹ロケットH3、月や火星を目指す深宇宙ミッションも進行しています。また、超音速旅客機や電動航空機といった次世代モビリティの開発も活発に進められています。
空を飛び宇宙を切り拓くには、正確な法則と現象の理解、先進的な技術に基づく緻密な設計・製造・運用が必要です。航空宇宙工学は、様々な領域の原理を探求し、最先端の技術と英知を結集することにより、空と宇宙をより安全・身近にし、活用・開拓することを目指す学問分野です。航空宇宙工学科は、航空機や宇宙機の開発に不可欠である、基礎知識と応用的アプローチ、実践的スキルを身につけ、総合的な視点と考え方を育むためのカリキュラムを備えた学科です。
本学科は、日本人初の国際宇宙ステーション船長となった宇宙飛行士の若田光一さんをはじめ、宇宙開発や航空産業の第一線で活躍する人材を数多く輩出しています。また、JAXAや企業、海外との共同研究も盛んに行っており、研究者・技術者としての道を踏み出すには最適の場所です。皆さんも航空宇宙工学科で学び、空や宇宙の夢を追求し、現実に変えてみませんか?
2017年
機械航空工学科 4年
半田高校(愛知県)出身
Q1 あなたがこの分野を選んだ理由をお聞かせください。
二つあります。一つは航空宇宙機に対する憧れです。航空宇宙機の飛行のためには莫大なエネルギーが必要で、可能な限りの軽量化と最適化が必須です。様々なコンセプトの機体がありながら、その裏には無駄を排除するための徹底的な計算があり、そのために大勢の人が協力して機能美の極みである機体を作り上げます。そしてそれが空や宇宙を飛ぶ。航空宇宙機は人類の夢の結晶です。二つ目は航空宇宙工学の重要性です。コロナを経てもなお航空機、ドローン、ロケット、人工衛星の市場は長期的には拡大していくと考えられています。特にデータを集め、データを通信するために人工衛星やドローンは重要な存在になります。日本の持続的な発展のためにはこれらの産業分野でグローバルな存在感を発揮することが不可欠です。自分は日本の発展に貢献したい人間であるため重要性の高い航空宇宙工学を勉強しようと考えました。
Q2 この分野を選んで良かったことをお聞かせください。
自分の大学時代について誇りを持てることです。航空宇宙工学科は航空宇宙機のために学ぶという目的が明確なため、勉強に主体的に取り組みやすかったです。「流体力学」や「飛行力学」を学ぶことで翼の形状や装置の意義がわかっていき、数学や物理の基礎科目は「軌道力学」や「構造力学」で技術を数式で理解するために役立ちます。そしてそれらを「研究」「実験」「設計製図」で応用する。無駄な科目がなく、だんだんと解像度が上がっていくためやりがいがあります。また航空宇宙工学は機械工学をベースに情報、通信、電気、材料などの知識も必要な総合工学です。学ぶべき知識は多く、自分もまだ長い勉強の道のりの入り口にしかいませんが、学んできた知識は価値のあるものであると自信を持って言えます。これらの勉強は楽しいばかりでなく、時につらく感じることもありますが、充実した学生生活を送れると思います。
Q3 この学科を目指す受験生・高校生へのメッセージをお願いします。
入学時にはいろいろな人がいます。夢を掲げる人もいれば、打算的に来る人もいたり、宇宙兄弟が好きで来る人もいたり、物理が得意だからなんとなく来る人もいます。まだ何者でなくてもよいと思います。4年以上を通じて勉強、課外活動、遊びを通じて価値あるものを蓄えていき、何者かになっていくのが大学生活ではないでしょうか。航空宇宙工学は、なかなか良い「価値あるもの」だと思います。皆さんと一緒に勉強できる日を楽しみにしています。