化学で人の暮らしを豊かにし、持続可能な社会の構築に資する学問を追究
応用化学は物質を自在に設計し、新しい機能と価値を創造する学問です。多様な分野と融合しながら、社会を支える学問として益々発展しています。本学科は機能物質化学コースと分子生命工学コースで構成されており、化学の分野を網羅する基礎科目に加えて、世界トップクラスの研究成果を生み出す教育・研究環境を整え、実践力、表現力や提案力を磨く充実したカリキュラムを用意しています。機能物質化学コースでは主に高分子材料・無機材料・有機材料を用いる触媒材料、複合素材、エレクトロニクス、ナノデバイスおよびそれらを支える理論解析を研究し、分子生命工学コースでは有機材料、分子集積材料、エネルギー材料、バイオテクノロジーやヘルスケア、マテリアルズインフォマティクスを研究しています。
学士課程では両コース共通の科目を多く設けているのに対し、修士課程ではそれぞれの専門に応じてより最先端の科目を自らが決めて履修する目的指向型のカリキュラムとなっています。本学科では、様々な分野を幅広く俯瞰する基礎力を備えていながら、細分化された専門的な領域にも対応できる人材の育成を目指しています。卒業生は、化学分野をはじめ、バイオ・医薬、電子・情報、機械・自動車、環境・エネルギーなどの幅広い分野における専門家として活躍しています。
Q1 あなたが九州大学工学部および在籍している学科を選んだ理由を教えてください。
高校2年生のときに、九州大学未来創成科学者育成プロジェクト (QFC-SP)に参加し、約半年間の研究活動を行いました。その中で研究施設がとても充実していることを知り、私もこのような環境で学びたいと考え、九州大学工学部を選びました。また同じくQFC-SPの特別セミナーで、後の自身の指導教官となる安達千波矢教授と出会いました。ゼロを1にする、新しいサイエンスを生み出すことの楽しさについて説明してくれた安達先生の姿がとても印象に残り、これが応用化学科を選ぶきっかけとなりました。
Q2 あなたが在籍している学科について、どのような点に魅力を感じていますか?
応用化学科は、有機化学、無機化学、量子化学等、様々な化学分野の研究室があるため、化学は好きだけれど、どのような研究をやりたいかがまだ具体的に思い浮かんでいない人におすすめです。また、応用化学科には世界で活躍されている先生方も多く在籍しており、学部のときから最先端の研究に携わることができるのも魅力のひとつです。
Q3 あなたが所属する研究室で行っている研究内容について高校生にわかるように教えてください。
研究室(教授)名:有機光エレクトロニクス研究室(安達 千波矢 主幹教授)
研究内容:安達研究室は、有機ELや有機トランジスタ、有機太陽電池といった有機エレクトロニクス分野を研究対象としており、私の研究では、室温程度の通常の生活環境に存在する微小熱エネルギーを電気エネルギーに変換するという新しいメカニズムに基づいた熱電変換デバイスの開発を行っています。現在、世界中で再生可能エネルギーや未利用エネルギーの有効活用が求められており、本デバイスを実現することができれば、低温廃熱から電気を生み出すことが可能となります。
Q4 将来の夢を教えてください。
私は現在修士2年で、修士課程修了後は博士課程に進学する予定です。博士過程では、熱電デバイスについて研究を進め、原理解明と高性能化を目指します。