地球資源システム工学科[IV群]

世界をフィールドとした地球資源エンジニアへの扉

地球資源システム工学科

地球資源システム工学科は、私たちの現代生活を支える鉱物・エネルギー資源開発に関わる、地球規模の様々な課題に取り組んでいます。私たちの研究は、鉱物、地熱、石油、天然ガスなどの地下資源の探査、開発、採掘、精製分離、環境再生、防災に及び、資源開発の上流から下流までの全過程を網羅する研究室を擁しています。また従来の資源工学を超え、二酸化炭素の地中貯留、メタンハイドレートや深海底資源の開発、都市鉱山資源のリサイクル、金属汚染環境の修復、さらには月や火星など地球外資源探査に関する研究にも取り組んでいます。

これらの資源は、私たちの生活に欠かせないだけでなく、あらゆる産業の基盤を成すものであり、当学科で幅広い専門知識を身につけた皆さんは、世界をフィールドとした地球資源エンジニアとして社会に巣立ちます。

地球資源システム工学科

3年次には、国内外の関連企業でインターンシップを行い、フィールドワークを通じて、鉱物・エネルギー資源関連技術の貴重な実地体験を行います。研究室では、多様な留学生との日常的な交流やディスカッションを通じて、国際感覚を養いながら卒業研究に取り組みます。本学科における学習・研究は分野横断型の総合工学的アプローチや国際交流を特徴とするため、自発的・主体的な学習姿勢が欠かせません。当学科で挑戦を続ける学生には、世界での活躍への扉が開かれています。

 

先輩インタビュー

2024年

地球資源システム工学科 4年

藤井 花帆 さん

豊田工業高等専門学校(愛知県)出身

Q1 あなたが九州大学工学部および在籍している学科を選んだ理由を教えてください。

資源循環に関することを学びたいと思い、地球資源システム工学科を志望しました。私は、大学編入によりこの学部に編入学しました。高専では土木分野を専攻していましたが、私自身の視野を広げるために様々な分野を学びたいと考えていました。高専3年次に「都市鉱山」と「資源循環」に興味を持ちました。世界中でDXが急速で進む中で半導体などは重要なものではあるのにも関わらず、半導体に必要な材料は限りがあります。これに加えて日本は資源のほとんどを輸入に頼っているという問題があります。そのため、使用済みの廃製品から金属材料を回収して再利用することができれば、地球や環境、経済に対する影響を低減できることができます。この都市鉱山からの金属材料の回収がどのように行われるのか、九州大学で取り組まれてる研究において微生物による回収とはどのようなものなのかを知りたいと思い、地球資源システム工学科を志望しました。

Q2 あなたが在籍している学科について、どのような点に魅力を感じていますか?

様々な人との出会えることです。学部の同級生は約35人と少人数のため、学部生同士で仲が良いです。これに加えて、先生方は様々な人脈を持っており、講義を企業の人にして頂くなど貴重な経験をすることができます。
地球資源システム工学科では、鉱物、石油、地熱などの生活を支える資源の成因から探査、開発、採掘、処理・リサイクルまで幅広く座学と実験を通じて、学ぶことができます。実験では、学科の先輩方がTAとして参加されているため、先輩方と交流することもできます。これに加えてメタンハイドレートやレアメタルを深海底から回収したり、CO2回収、貯留やカーボンニュートラルなどの社会課題解決に寄与するための研究を行うこともできます。
学部3年次には、国内外インターンシップがあり、企業などで学んでいることがどのように活かされるかを知ることができます。インターンシップ以外にも様々なフィールドワークがあり、それらを通して世界中で活かせる技術を身に着けることができると思います。

Q3 あなたが所属する研究室名、そこで行っている研究内容について高校生にわかるように教えてください。

研究室(教授)名:岩盤・開発機械システム工学研究室(島田先生、笹岡先生、濵中先生)
研究内容:現在は、地下インフラ埋設に使用されるボックスカルバートの耐久性評価をしています。近年、都市部では過密化が進み、都市機能の利便性を向上させるために地下空間の有効活用が求められています。地下インフラ(地下鉄、下水道)は、周辺環境への騒音や振動の影響を低減するために推進工法と呼ばれる地下でインフラを整える方法が使用されています。現段階では、円菅が多く使用されていますが、空間の利用率を上げるためには矩形と呼ばれる四角形の菅(ボックスカルバート)が適用されることが増加すると考えられています。ボックスカルバートはコンクリートと鋼により作成されていますが、現在、この菅に関する強度評価方法は検討されておらず、基準がありません。そのため、まずはコンクリートの評価方法を用いて、ボックスカルバートが地下インフラに適用できるかを実験と解析を用いて耐久性の評価しています。

Q4 将来の夢を教えてください。

将来は、土木と資源の2つの分野に精通した技術者になりたいと考えています。高専から大学に編入し、専攻分野を変えたことで様々な分野を知ることができました。どちらの分野も素晴らしい部分があります。私自身は、生活を支える部分で社会に貢献したいと考えているため、生活に欠かせない分野の仕事に携わりたいです。