工学研究院 応用化学部門
嶌越 恒教授
2019/10/08更新
学者になろうと思ったことはないです。今も、学者と言われると、気恥ずかしいです。研究を通し、自己のアイデンテイテイを示すことに、喜びを感じたからでしょうか。自分の研究が認められ、論文をたくさんの人に読んでもらえることで、“知”が広がっていくことが嬉しいです。
富山県の高校を卒業し、同志社大学という京都の街中にある大学に通っていました。博士1年で同志社大学を退学し、最終的に九大で博士号を取得しました。
卒業研究が面白かったからです。体の中にある酵素を人工酵素として、フラスコの中で再現する研究をしました。卒業研究が今の自分の研究につながっていると思います。
化学の力で生体内の金属酵素の優れた機能を再現し、そこにさらに人工的な要素を加味した人工酵素の開発を行っています。有害な環境汚染物質を工業製品に変えたり、空気中の酸素や水を原料とする有機合成化学反応の開発を行っています。
ジョギングやジムに行くことです。ずっと座って論文を書くのにも体力を使うので、アンチエイジングのために、体力維持は欠かせません!
短期間でも良いので、外国に一人で(ここが大事)行くことだと思います。自分の頭で考えて行動する。またそこで出会う外国の人々は、みんなフレンドリーで、気分が明るくなりますよ。
小説家。でも今の仕事も、新しいものを創造するという点では同じなので、満足しています。しかも空想ではなく、現実の世界で。大学の教員は、さらに学生の教育にも携わることができ、学生の楽しい話をたくさん聞けるので、こんな素晴らしい職業はないと思います。
振り返ると高校時代は、いわゆる受験のための勉強が中心だったので、学問の面白さに気づいていなかったと思います。大学に入学して世界を知り、たくさん勉強し始めました。高校時代から、目標を持って勉強しておけば良かったと思います。
最近一番興味があるのは土木分野です。治水や地震予知、災害対策などに興味があります。私が扱っているのが小さな分子の世界なので。
学生が素直で真面目なところです。
野村克也著の「野村の流儀」です。野村-野球=何も残らないと書いてありますが、
嶌越-研究は同じく、何も残らないと思います(笑)。いや、九州大学卒の優れた人財を残せたら幸せです。