教授のヒトコト

地球資源システム工学科  藤光 康宏 教授

2020年JICA理事長賞受賞記念品と共に
※「工学研究院地球資源システム工学部門が
 第16回JICA理事長賞を受賞」(2020/11/16)
 http://www.eng.kyushu-u.ac.jp/topics6467.html
地球資源システム工学部門

藤光 康宏 教授

おすすめの本についてお話しされる藤光教授

全日本大学駅伝の写真を手に思い出をお話しされる藤光教授

2021/06/30更新

何故学者になろうと思ったの?

卒論で大学の講座に配属されてからの研究が面白かったからです。

学歴や経歴は?

神奈川県横浜市の桐蔭学園高校を出て九大に入学しました。一人暮らしがしたくて。

博士後期課程が終わってから財団法人電力中央研究所の研究員として5年強勤め、恩師の江原幸雄先生からお声掛けをいただき九大に戻りました。その後2002年から2003年にかけて、訪問研究員としてニュージーランドのオークランド大学にいました。

どんな研究をしているの?

地熱エネルギー研究に特化した日本で唯一の研究室です。地熱を熱源・流体・地下構造からなる一つのシステムであると捉え、システム全体やそれぞれの要素について研究しています。地熱エネルギー利用だけでなく防災関係などにも役立っています。

研究分野を好きになったきっかけは?

元々地学が好きでした。資源の分野は非常に幅広いです。あとは地熱の調査に行くと必ず温泉があるんですよ。

九大のいいところは?

現在総合的な資源工学教育ができるのは全国で九大を含めて4つの大学しかありません。国内の炭鉱や鉱山の閉山と共に多くの大学の資源系学科はなくなってしまいました。でも10年程前のレアアース危機でもわかるように、この分野は生活になくてはならないものです。なので資源系の企業だけでなく商社などからも毎年たくさんの求人があります。九大の船舶も、造船を基礎から教えているのは他にないと聞いています。鉄鋼も同様だそうです。重要なことは他の大学が止めてもちゃんと次世代につなげる。それをしているのが九大のいいところですごいところだと思います。

学生時代の自分は?

ずっと体育会系です。小中は剣道、高校はバスケットボールをしていました。大学入学後の1年間は体育会系の部活は敷居が高そうで入っていなかったのですが、学内のいろいろなスポーツ大会にクラスメイトと出まくりました。ある日陸上競技部主催の学内駅伝大会に出たら、区間賞を取ったんです。学部1年生が終わる春休み、自転車で自宅の川崎市まで帰り、一人暮らしも1年やって、それで自信がついたこともあって、誘われていた陸上競技部に2年生から入部して長距離を始めました。大学院生になっても、当時陸上競技部の部長だった農学部の伊藤肇躬先生からコーチに任命されクラブに関わり続けることができました。当時めちゃくちゃ強かった現役部員の皆さんが全日本大学駅伝出場を決めたおかげで、一緒に伊勢に連れて行ってもらえました。今は陸上競技部の部長と九州学生陸上競技連盟の副会長をしています。

絶対経験しておいた方がいいことは?

振り返ってみて思うのは、自分を試す状況を作ること。大学にはたくさんの機会があり、今は海外留学制度なども整ってますので、その気になればいろいろなことにチャレンジできます。また、クラブ活動は自分の人格形成の役に立ったと思いますよ。

おすすめの本は?

エイドリアン・ベジャンとJ. ペダー・ゼインの「流れとかたち」は面白かったです。二人は動物の移動に関する考察から導き出した「他の要因が同じであれば体が重くて背の高い者が速い」という結論の論文を、2008年北京オリンピックの陸上競技男子100 mで大男のウサイン・ボルトが当時の世界新記録で優勝する2か月前に専門誌に投稿しています。この本を読んだとき、陸上競技部の部長としてこの結論を部員に伝えるべきかどうか悩みました。

他分野で最も興味がある分野は?

特撮ですね。自宅の近くに東宝生田オープンや東映生田スタジオがあったので、子供の頃は近所でよく仮面ライダーなどの特撮もののロケがやられていました。以前は夕方から研究室の裏ゼミという名で初期の円谷プロ作品の上映と解説をしたりしていました。大学のクラスメイトの佛田洋さんが特撮研究所の社長ですが、特撮ものの作品のエンドロールに彼の名前があると嬉しくなります。

 

〜高校生へのメッセージ〜

面白いと思ったから大学時代が一番勉強をしました。受験の時には面白いと思えなくても、大学に入れば友達や仲間、研究など、面白いと思うことがたくさんありますよ。