研究室紹介

地圏環境システム工学研究室

附属アジア防災研究センター

工学府 土木工学専攻

工学部 土木工学科

■ 望ましい「地圏環境」創出のための新しい体系の確立を目指す。
地圏とは,ひとの生活の場である地表(地面)から地下までの空間のことです。

我々はこの地表の上に生活し,これまで様々な地圏を開発・利用してきました。そういった中で,多くの環境問題を引き起こしてきています。環境問題とは環境の変化が人に影響を与えた時にはじめて発生します。一般的に考えられる環境問題は,比較的時間をかけて進行するものであり,短時間で発生する環境問題は災害として認識されています。この地圏の環境,いわゆる地圏環境を取り扱うためには,地圏を構成する土や岩などの特徴・性質などを工学的に評価する技術,地表で行われる開発によって我々の生活にどのような影響を及ぼしているか,評価する技術などが必要となります。

また,環境問題は,学際的な領域を跨いで総合的に考えることが重要で,これを解決し,具体的な対応策を示すには,個別の技術だけがあっても解決することはできず,様々な技術を統合し,総合的な見地から問題をとらえ,解決の糸口をつかんでいくことが重要となります。地圏を取り巻く環境には,まだ,未解決の課題が山積みしています。これまでにも地盤沈下,枯水(かれみず)などの地下水系の変化,土壌汚染,土砂災害など,人に著しい被害や影響を与えた事例が多数あります。地圏環境問題は,兆候の感知が難しく,長期間の後に現れ,復元が困難なケースが多いのが特徴です。加えて,豪雨や地震などのような自然現象が直接的な原因となって現れることが多いため,問題の根源となるべき部分が見逃されることが多々あります。したがって地圏環境を開発・利用する行為に対して先見性をもって,計画,建設,維持管理,廃棄の各段階で周到,適切な監視や対策を行うことが肝要となります。

そこで,本研究室では,望ましい地圏環境創出のための新しい体系の確立を目指しており,地圏の開発・利用のあり方,さらには,これらが自然環境,社会環境に及ぼす影響を総合的に評価して,環境と調和した開発、建設技術のあり方について研究を行っています。これには,これまで当研究室で培われた地盤・岩盤工学の技術,さらには,最新の情報技術である地理情報システム(GIS)を積極的に活用した研究を行っています。

そのため,研究の対象となる領域は幅広く,地盤工学,地質学,水工学,河川工学,計画学,農学,生態学,経済学,情報学などの知識・技術も取り込んだ研究を官民と協力しながら取り組んでいます。具体的な研究の領域としては「地圏環境」,「地下開発」,「災害の予測・防災」,「維持管理」,「国土保全」を大きな柱として研究を行っています。

所属教員

三谷 泰浩 教授 /谷口 寿俊 准教授 /本田 博之 助教

主な研究テーマ

  • CO2地中貯留のための岩石の透過・貯留特性の研究
  • 衛星データを活用した大規模災害の研究
  • ICTを用いた地域防災に関する研究
  • GISを用いた三次元データによる道路構造物の維持管理に関する研究
  • 国道沿い斜面の効率的な維持管理システムの構築に関する研究
  • AI技術を用いた最先端防災システムの構築に関する研究
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