工学研究院 材料工学部門
工学府 材料工学専攻
工学部 材料工学科
金属、ガラス、半導体などの身の回りにある“無機基盤材料” は、高温製造プロセス(〜2000 oC)を経て生産されます。そのため材料の出発点ともいえる高温融体(金属,酸化物融体)の取り扱いが製品の品質や製造コストに直結します。当研究室では“高温融体物性”の観点から基盤材料の製造プロセスを科学し、“高温下での材料の複雑な挙動”を実験的に紐解き、学問を探求するとともに高い機能性を持つ材料を低エネルギーで創りだすことを目指しています。具体的には、高温プロセス設計の指針を与える溶融金属や酸化物の物理化学的性質(粘度、電気伝導率、密度、表面張力、濡れ性など)を高精度・高確度に測定し、世界に基礎データを発信しています。日本国内で年間1億トンを超える生産量を誇る金属素材製造プロセスや、「核のゴミ」とも呼ばれる高レベル放射性廃棄物のガラス溶融固化プロセスでは,高温融体は“均一な液相”ではなく、未溶解精錬剤や晶出した固体が分散した複雑な流体を形成しています。近年では、これらの高温多相融体の流動特性評価や交流電場を用いた可視化にもチャレンジしています。
アルミナ基板上での銀の液滴の挙動