研究室紹介

材料複合工学研究室

工学研究院 材料工学部門

工学府 材料工学専攻

工学部 材料工学科

融液成長は液相から固相への相変態ですが,その過程においては複雑な形状をとるものや,合金元素の濃度が場所によって変化するなど,制御すべき因子が無数に存在します.本講座では金属,半導体,セラミックスなどの種々の構造材料及び機能材料について,目的を達成しうる「組織」へと制御するプロセスについて研究しています.例えば太陽電池に用いられるシリコン結晶は,融液内で一方向に成長させて作製します.結晶品位はエネルギー変換効率に影響しますので,高い性能を持つ多結晶シリコンを目指して組織制御を行います.自動車などの輸送機器の一部の部品では軽量なアルミニウム合金やマグネシウム合金を溶解・凝固して製造します.溶融合金の湯流れでは不純物や気泡を巻き込む恐れがあるため,分散する不純物の除去を目的とした,湯流れと凝固組織の制御について研究しています.さらに,製鉄所で製造される鋼板や鋳型内で凝固する鋳鉄等の大きなものから,金属3Dプリンターで繰り返される小さなものまで,組織の形状及び分布が製品の性質を大きく左右します.高性能の材料の実現を目指して,結晶成長・凝固・鋳造の原理解明とその制御方法について研究しています.

金属3Dプリンティングの一連の流れ(3D-CADを基にデザインした造形モデルにしたがって、金属粉末にレーザーを照射することで一層一層造形し、最終的に欲しい形状を造り上げます)

所属教員

宮原 広郁 教授 /森下 浩平 准教授

主な研究テーマ

  • 金属3Dプリンターによる高強度材料の開発研究
  • エンジン軽量化・高強度化のためのアルミニウム合金の凝固組織制御の研究
  • 耐摩耗性向上のための鋼・鋳鉄材料の組織改質の研究
  • その場観察に基づいた溶解・凝固のダイナミクスとその相互関係
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