工学研究院 環境社会部門
工学府 土木工学専攻
工学部 土木工学科
工学部で生態系の研究??と思われるかもしれません。土木工学は,英語ではcivil engineering(市民の工学)と言います。社会が要請する世界をつくる学問で今までは開発が中心でした。現在は,自然破壊や資源枯渇をさせない自然と共生する持続的な社会が求められています。豊かで安全で安心な「人間の生息地」を開発の時代にできた技術は,実は,自然環境や生態系を守るためにも役立つことがわかってきました。そこで私のような生物系の教育を受けた教員もいるのです。生態系保全では,逆説的なようですが生物そのものの研究よりも,人間社会をどうするかが最大の解決の道です。
現場主義をモットーに,フィールドワークを中心に,海岸・河川・沿岸の生態工学を行っています。研究テーマは,干潟や砂浜の生物の生物多様性・生息地の保全や再生,流域の水資源管理と地域社会,環境計画やアセスメントの法制度,漁村の地域計画など,海や川の環境に関する多様な分野が対象です。共同研究は,大学や研究機関の研究者だけでなく,地域住民,NPO,NGO,民間技術者など多様な研究パートナーと新しい工学を目指しています。自然環境や生態系と人間が共生していく社会づくりを目指しています。
九州大学伊都キャンパスは身近に海があり、海岸の生態系や人の暮らしの研究には最高です。(写真は博多湾岸の砂浜にて)
今津空撮-長浜海岸
清野 聡子 准教授