研究室紹介

景観研究室

工学研究院 環境社会部門

工学府 土木工学専攻

工学部 土木工学科

今日,社会基盤整備を取り巻く環境は,これまでのような「開発」か「環境」か,という対立的な構図から,「自然や地域の風土を大切にしながら必要な社会基盤の整備を進めていく」という協調的な構図に180 度切り替えることが求められています。しかし,こうした大きな変化が始まっているにもかかわらず,具体的にどのような理念・技術・方法論をもちいれば美しい日本の風景を保全・再生していくことができるかについては,未だ十分な蓄積がなされてはいないのがわが国の現状です。
私たちの研究室では,こうした社会の大きな過渡期にあって,どうすれば巨大な土木構造物を自然のなかにうまく溶け込ませることができるか,地域の風土にしっくりと馴染む橋の姿とはどのようにすれば描き出せるのか,市民の思いを社会基盤整備のなかでどう活かしていけばよいのか,美しい山並みや田園の風景を過剰な開発から守るにはどのようなルールを設ける必要があるのかなど,様々な視点から,わが国の美しい風景をいかに残し・修復し・創造していくかについて,学生諸君とともに日々研究をおこなっています。

景観研究室

所属教員

樋口 明彦 准教授

主な研究テーマ

  • 一つ目は,息の永い様々な研究活動です。土木構造物が景観形成に果たす役割と可能性,幾世代にもわたる人々の手で少しずつ形成され守られてきた風土景観の価値の評価,市民参加の手法論,近代化遺産としての土木構造物の保存活用など,多様なテーマについて研究をおこなっています。
  • 二つ目は,実際の社会基盤整備の場で川や橋,道など様々な構造物について計画やデザインに参加し,先進的・実験的なものづくりにチャレンジすることです。こうした実践活動からフィードバックしたことが研究のテーマになることもよくあります。
  • 三つ目は,各地で活発化しつつある市民主体のまちづくりの取組みをお手伝いさせていただき,必要に応じて専門的なアドバイスや支援活動をする社会貢献活動です。
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