工学研究院 環境社会部門
工学府 土木工学専攻
工学部 土木工学科
今日,社会基盤整備を取り巻く環境は,これまでのような「開発」か「環境」か,という対立的な構図から,「自然や地域の風土を大切にしながら必要な社会基盤の整備を進めていく」という協調的な構図に180 度切り替えることが求められています。しかし,こうした大きな変化が始まっているにもかかわらず,具体的にどのような理念・技術・方法論をもちいれば美しい日本の風景を保全・再生していくことができるかについては,未だ十分な蓄積がなされてはいないのがわが国の現状です。
私たちの研究室では,こうした社会の大きな過渡期にあって,どうすれば巨大な土木構造物を自然のなかにうまく溶け込ませることができるか,地域の風土にしっくりと馴染む橋の姿とはどのようにすれば描き出せるのか,市民の思いを社会基盤整備のなかでどう活かしていけばよいのか,美しい山並みや田園の風景を過剰な開発から守るにはどのようなルールを設ける必要があるのかなど,様々な視点から,わが国の美しい風景をいかに残し・修復し・創造していくかについて,学生諸君とともに日々研究をおこなっています。
樋口 明彦 准教授