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光機能化学

  • 楊井 伸浩 准教授
我々は「分子」と「光」の力を駆使し、エネルギー、環境、医療、量子情報科学に革新をもたらす「新材料、新機能」の実現を目指しています。新たな異分野融合により「自分たちにしか出せない機能を!」を合言葉に研究しています。オリジナリティの高い基礎研究で世界を魅了し、実用化まで行い社会に貢献したい、というのが我々の想いです。 フォトン・アップコンバージョン,シングレット・フィッション,超核偏極,量子センシング

医用生物物理化学(協力講座)

  • 木戸秋 悟 教授
  • 伊勢 裕彦 准教授
  • 久保木タッサニーヤー 助教
根本テーマとしての「生命現象における階層間クロストークの時空間ダイナミクスメカニズムの理解と制御」を目指しています。 A.細胞・組織のメカノバイオロジーを操作する生体材料の創製:医用材料応用研究の新たな領域を開拓し、疾患治療の新たな技術を開発します。 B. 細胞・組織機能のメカノバイオロジーのメカニズム研究:生物物理の基礎研究の新たな基盤を確立し、生命現象の物理的側面を明らかにすることで、生命科学のフロンティアに挑戦します。 C. 単分子直接観察とナノ力学計測・加工技術を統合したナノ・マイクロバイオメカニクス研究:生命現象の微視的動態を詳細に理解し、それを応用するための方法論を開拓します。 これらの研究を通じて生命現象の複雑なメカニズムを解明し、それを医療に役立てる技術の開拓に取り組んでいます。 幹細胞治療,がん診断,がんDDS,医用工学,生体医工学

藤川研究室(協力講座)

  • 藤川 茂紀 教授
  • セリャンチン・ロマン 准教授
地球温暖化とそれに伴う気候変動など、現在、環境やエネルギーに関して様々な課題が山積しています。我々の研究室では、「ユビキタス(ubiquitous)」という視点から、材料化学が社会貢献できる、新しい材料の開発を行っています。このユビキタスは「いつでもどこでも存在すること」をあらわす言葉です。この地球には、どこでも存在するものがたくさんあります。大気中の二酸化炭素や、空から降り注ぐ光は、地球上のどこでも入手可能です。そしてこれらは、炭素源・エネルギー源として、大きなポテンシャルを持っています。我々は、「ナノ」をキーワードとし、分子レベルからナノサイズでサイズ・構造が設計されたナノ材料を開発し、このユビキタスな物質・エネルギーの有効活用に向けた、カーボンニュートラル化学という新しい領域の開拓を目指しています。 ナノ工学,ナノ材料化学,表面化学,光化学,膜科学,二酸化炭素分類学,分離ナノ膜,ユビキタスCO2回収,大面積光捕集界面,機能性界面,複合ナノ膜,CO2回収技術,CO2透過膜

バイオマテリアル工学研究室(協力講座)

  • 田中 賢 教授
  • 穴田 貴久 准教授
  • LI Junjie 准教授
  • 小林 慎吾 特任准教授
  • CHO Iksung 助教
  • 塩本 昌平 助教
高分子ソフトバイオマテリアルは、高齢社会において重要な役割を担っています。生体親和性に優れた高分子は、診断・治療用の医療製品開発のブレークスルーのために必須です。高分子ソフトバイオマテリアルと水・イオン・タンパク質・微生物・細胞などの生体成分の相互作用の分子レベルでの理解と制御が、医療製品開発の最重要項目です。 高分子ソフトバイオマテリアルの生体親和性発現機構を分子レベルで理解するために、材料と生体成分が接触する環境に存在する水分子に着目し、中間水コンセプトを提案しています。この中間水コンセプトをベースにして、 1)バイオ界面における水和状態に着目した生体親和性発現機構の解明 2)次世代の予防、診断、治療技術を支える生体親和性材料の分子設計指針の創成と精密有機・高分子合成 3)正常細胞、幹細胞、癌細胞の接着や機能を選択的に制御できる新材料の臨床応用 4)産学連携・国際共同研究による新材料の社会実装 に取り組んでいます。これにより健康長寿社会の構築に貢献します。

カーボンニュートラル(カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所)

  • アレキサンダー・ステイコフ 准教授
  • 松島 敏則 准教授
  • 渡邊 源規 准教授
松島先生:カーボンニュートラル社会の実現のためには再生可能エネルギーの有効活用が必要です。再生可能エネルギーの中でも太陽光エネルギーに着目し、無尽蔵な太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換するための太陽電池に関する研究を進めています。塗布作製可能なペロブスカイト太陽電池の高効率化・高耐久性化・大面積化するためのサイエンスとテクノロジーの確立を目指します。 ステイコフ先生:理論化学と計算材料科学を専門とし、コンピューターシミュレーションを用いた、固体酸化物燃料電池やガス分離膜、触媒などのエネルギー材料の構造と特性の研究、また、古典力学と量子力学の手法を応用した、固体や分子の電子的性質に関する研究を行っています。そして新しい人工知能や機械学習法を開発し、材料設計に活用しています。 渡邊先生:新規な有機材料を開発し、それらを用いた機能性有機デバイスに関する研究を行っています。有機材料が有する特性を引き出し、また無機材料と組み合わせることでこれまでにない性質を有する機能性デバイスの開発を目標に研究を行っています。有機・無機ハイブリッドデバイスによる光触媒の開発と水を電子源とした水素製造・二酸化炭素還元や、光電子デバイスの開発に取り組みを行っています。 有機レーザー,水分解,密度汎関数理論,機能性有機材料,半導体,分子動力学法

先端機能有機化学研究室(高等研究院)

  • 安田 琢麿 教授
新たな分子を生み出す有機化学は,今日の多彩な機能性有機材料をはじめとした物質創製の要です。有機合成化学の手法を巧みに利用して芳香族化合物を自由に繋げることによって,光・電子機能から有機エレクトロニクス,太陽電池や液晶など,最先端の材料科学分野で主役となっている多彩なπマテリアル(π電子共役系化合物)を創製することができます。私たちの研究室では,このような新物質合成からマテリアルサイエンスへの飛躍的な展開を目指して,基礎から応用に至る幅広い視点で機能有機材料・デバイス科学の先端研究を進めています。 半導体,有機EL,発光,高等研究院,稲盛,新機能デバイス,トランジスタ,環境,エネルギー,エキシトン,分子認識,反応,IoT,高分子,物性,量子,スピン,物理化学

反応・物性理論研究室(先導物質化学研究所)

  • 吉澤 一成 教授
  • 塩田 淑仁 准教授
  • 住谷 陽輔 助教
近年、計算機性能・アルゴリズム技術の進展により、大規模な現実系の分子シミュレーションが可能になりつつあります。我々は、スパコンや研究室で保有する高性能演算サーバを活用し、量子力学の原理に基づいた新たな化学概念の創出と発見を目指して研究をしています。特に「分子と固体の電子物性」、「酵素模倣触媒による化学反応」、および「接着の分子論」などの最先端の研究課題に力を入れて取り組んでいます。ある物質が「何故そのような構造を持つのか?」「どのような電子物性を示すのか?」「どんな反応をするのか?」といった疑問への答えを導き、望ましい性質をもつ物質の理論設計に発展させています。さまざまな分野の実験研究者とのコラボレーションも活発に行っています。 量子化学,理論化学,計算化学,ハーバー・ボッシュ法,高分子科学,メタン酸化,工業,持続可能な開発,密度汎関数理論,第一原理計算,排ガス,スーパーコンピュータ,無機化学,有機化学,生物化学

複合分子システム研究室(先導物質化学研究所)

  • 小椎尾 謙 准教授
持続可能な社会構築を目指して、物質・材料科学分野においても様々な研究がすすめられている。物質・材料が有する幅広い機能は各々が有する構造と深く関連している。そのため、これらの機能を最大限に引き出すためには、ミクロからマクロに及ぶマルチスケールでの構造解析が必要不可欠である。 本研究室では、高分子科学(高分子合成、構造・物性評価)に立脚して、高性能・高機能ナノ構造制御ソフトマテリアルの創製を目指し研究を行っている。 ネットワークポリマー,エラストマー,放射光X線解析

機能デバイス工学

  • 王 冬 教授
  • 山本 圭介 准教授
クラウドコンピューティング・IoT・AIといった今日の情報化社会は、半導体デバイスによって支えられており、その重要性は益々高まっています。一方で、情報通信機器が消費する総電力量も年々上昇しているため、より低消費電力な半導体デバイスや、電力を高効率に運用するためのパワー半導体の必要性も増しています。 当研究室ではこのような社会の要請に答えるために、IV族半導体の材料・デバイス技術(どのような材料やデバイス構造が適しているのかを探求)、プロセス技術(それをどのように作るのかを実践)、評価技術(作ったモノに対する性能評価方法の開発)に関する研究を行っています。詳細は、研究室Webサイトをご覧ください。 当研究室では、国内外の大学・研究機関や企業との共同研究を行っています。定期的に実施している合同研究会やミーティングでは、第一線の研究者との交流を通じて良い刺激を受けるはずです。 ※大学院教育は王教授・山本准教授が、学部教育は山本准教授が担当しています。

防災地盤工学研究室グローバル地盤災害環境適応学グループ

  • ハザリカ ヘマンタ 教授
私たちの研究室では、現地調査や試験、模型実験やそのシミュレーション、自然材料や廃棄物の要素実験、および物性試験、ドローンやIoT、人工知能(AI)を使った防災システムの向上などに取り組んでいます。地盤工学的な防災対策を通じて、現在起こっている、あるいはこれから先起こり得る災害への体制を整備することを研究の目的としています。 異分野連携型研究,自然災害,防災・減災,サスティナビリティとイノベーション

高性能計算

  • 大島 聡史 准教授
  • 南里 豪志 准教授
コンピュータの性能が飛躍的に向上を続けている背景には、プロセッサ、アクセラレータ、メモリ、ストレージ、ネットワークといったハードウェア技術の進歩があります。しかし、これらの新しいハードウェア技術で構成されるコンピュータシステムの本来の性能を引き出すには、それらを適切に活用するための新しいソフトウェア技術が不可欠です。 私たち高性能計算研究室では、スーパーコンピュータを含む様々なコンピュータシステムを対象として、使用されているハードウェア技術の特性を解析します。また、システム全体で最高の性能を発揮させるための新しいアルゴリズムやプログラミング技術を研究、開発し、その成果をライブラリなどの形で世界に公開することを通じて、ソフトウェアの性能向上に寄与することを目指しています。さらに、これらの研究活動を通じて、各種分野で活躍するコンピュータ性能の専門家となる研究者や技術者を育成しています。

非線形物性学

  • 森野 佳生 准教授
  • 翁長 朝功 助教
非線形な問題に対して物理・数学・情報学的知見を活用して様々な理論的研究を領域横断的に行っている。カオス・フラクタルなどの非線形科学や多数の要素が強く相互作用する複雑系に関しては数値シミュレーションなどを活用した理論的研究を行っている。また、結合振動子系や複雑ネットワークの解析・機械学習アルゴリズム開発などを通して、電力網などを含む非線形動的システムの障害に対する頑健性解析、非線形動力学に基づく機械学習・脳模倣型AIに関する解析、実データを予測分類する数理情報学的なデータサイエンス研究等も行っている。その他にもボーズ凝縮体がつくる渦ソリトンの解析や、粘菌と呼ばれるアメーバ様単細胞生物の集合過程に現れるスパイラルパターンの解析等を行ってきた。より詳しくは研究室ウェブサイトを参照されたい。 数理工学,数理科学,数理モデリング,物理学,力学系,複雑系科学,実データ解析,ネットワーク科学,省エネルギー型学習理論,人工知能,数値計算,データマイニング

非平衡プラズマ力学

  • 文 贊鎬 准教授
当研究室では、荷電粒子の電磁相互作用による複雑性と多様性を持つ非平衡プラズマの実験的研究を行っています。実験室プラズマは、典型的な非平衡系であり、熱流や物質流が存在し、空間的には非均一で時間的にも大きく変動します。核融合プラズマ、宇宙プラズマ、プロセスプラズマなどもこのような非平衡プラズマに該当します。私たちは様々なプラズマ計測法を使用し、実験室プラズマを通じて非平衡プラズマ固有の突発的な現象やマルチスケールな結合現象、自己組織化現象などの非線形ダイナミクスを研究しています。 磁化,不安定性,輸送,トカマク,データ解析,計測法開発,乱流,フュージョン,非線形現象,基礎プラズマ,トモグラフィー,エネルギー,トーラス,高周波揺動

生体分子機能化学

  • 村田亜沙子 准教授
生体分子であるリボ核酸(RNA)は、その多様な働きや疾患との関連から次世代の創薬標的として注目されています。本研究室では、RNAを標的とした低分子創薬を目指し、RNAの構造や機能を自在に操る低分子化合物を探索・開発するとともに、情報科学・機械学習を活用した低分子化合物の分子デザイン、RNA標的ケモインフォマティクスに取り組んでいます。 また、RNAやDNAなど核酸が関わる細胞内の生体反応を低分子化合物によりコントロールする応用研究も行っています。

機械力学

  • 井上 卓見 教授
  • 森 博輝 准教授
  • 宗和 伸行 助教
振動は機械の性能や品質,安全性に影響する重要な現象です。そのため,振動の効果的な分析と対策,有効利用が各所で求められています。また,構造物を外部から揺らしたときの振動や,機械自身が発する振動を分析して構造物や機械の状態診断を行うことも産業上重要なテーマです。当研究室では,1) 機械の性能・品質を向上させるための効果的な振動分析技術の開発,2) 振動の抑制や振動発電への応用が期待される自動共振同調機構に関する研究,3) 物体内を通過する超音波の位相情報に着目した異常診断技術の開発,4) 超音波をはじめとする振動を利用した非破壊検査と計測,5) 非線形振動の一種である自己同期現象を利用した効率的な機械システムの解析法および設計法の開発,ならびに6) 時変パラメータを有する非線形搬送システムのオープンループ制御法に関する研究を行っています。対象は機械構造に限定することなく,生体,食品等も視野に入れ幅広い分野で研究を拡張するとともに,企業との連携も積極的に行っています。

熱・電子機能物性理工学

  • 大瀧 倫卓 教授
  • 末國 晃一郎 准教授
無機固体の機能物性学と、化学的な物質創製学との協奏的な融合を目指して、「新しく面白く(できれば美しく)、そして役に立つ」材料の開発を行っている。特に金属酸化物半導体や金属カルコゲナイド、低次元ナノ構造物質などの熱・電子・光・磁気物性について、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換材料や、熱の移動を可変制御できる材料、光や磁場に特異な応答をする材料、シングルnmオーダーの低次元規則性を自発的に持つ材料などの探索・合成・評価解析を進めている。なかでも、環境適合性や安全性、耐久性、経済性が注目されている酸化物・硫化鉱物熱電材料については、世界に先駆けて開発研究に着手し、現在もn型酸化物の熱電性能記録を更新し続けており、世界的にも先導的な研究拠点の一つである。 固体化学,無機化学,物理化学,凝縮系物理学,固体物理学,材料科学,結晶構造,電気伝導,ゼーベック効果,ペルチェ効果,熱伝導率,フォノン散乱,ナノシート,熱電発電,量子閉じ込め効果,ナノ材料,ナノ空間,電子構造,バンドエンジニアリング

都市環境科学

  • 萩島 理 教授
  • 池谷 直樹 准教授
人口の過半が都市域に住む現在、都市の省エネルギーと環境負荷軽減は人類共通の目標です.一方、都市建築空間の環境の質は人々の健康安全と快適性に大きく影響します.本研究室は、伝熱学や流体力学などを基礎として、都市域の熱流体物理現象の素過程究明とサスティナブルな居住環境を目指す応用研究に取り組んでいます. 都市気候,風工学,建築環境工学,ゼロエネルギービル,SDGs,ヒートアイランド,大気環境,環境工学,脱炭素,数値流体力学,風洞実験

計算材料科学

  • 辻 雄太 准教授
ナノテクノロジーや表面科学などの最先端科学分野において、量子力学に基づく理論計算科学への期待はますます高まっています。近年の計算機性能の向上により、大規模な現実系のシミュレーションが可能となっています。本研究室では、実験ではなく、理論計算科学の立場から、分子、固体、表面・界面の物性や反応性に関する理論的研究を行っています。特に「不均一触媒反応」、「分子エレクトロニクス」および「有機無機接合界面」などの最先端の研究課題に力を入れて取り組んでいます。最近では、さらに情報科学・数理科学の知見や方法論も活用して研究を促進しています。我々の興味は精度を追求した計算科学ではなく、量子論や軌道論に立脚した新しい物質観の創出や化学概念の構築です。 第一原理計算,量子化学,計算化学,機械学習,トポロジー,密度汎関数理論,分子デバイス,接着,グラフ理論,分子軌道法,インフォマティクス

資源循環情報システム工学

  • 島岡 隆行 教授
  • 杉﨑 康弘 助教
具体的には、以下の課題についての研究に取り組んでいます。 ・廃棄物排出量の予測システムの構築 ・廃棄物埋立地およびその周辺環境をモニタリングするためのセンサ、電源、通信デバイスの技術の開発と実用化 ・廃棄物マネージメントと資源循環を融合させた動脈産業と静脈産業が連携したプラットフォームの構築と具体的な社会経済モデルの提案 ・地域電力の需給の調整システムの構築  工学研究院(環境社会部門)とシステム情報科学研究院(情報エレクトロニクス部門)が連携して研究を行う体制をとっています。  研究は日立造船(株)からの寄附金で実施され、2022年4月から2025年3月までの3年間にわたり活動を行います。 再資源化,リサイクル,IoT,AI,DX

薄膜工学

  • 寺西 亮 教授
私たちの研究室では、薄膜工学に基づいた化学的あるいは物理的な手法を利用して、電気エネルギー分野に貢献できる無機化合物の薄膜結晶材料の作製に取り組んでいます。具体的には、発電材料、電力輸送材料、電力機器から生じる磁場を遮蔽する材料などです。 Ba8Si46半導体へ元素ドープすることで排熱から電気を取り出すことのできる熱電発電材料、イットリウム系酸化物超伝導薄膜線材中へ磁束ピン止め点を微細導入することによるゼロ抵抗電気輸送材料、超伝導体と樹脂の組み合わせによる軽量で幅広な磁場遮蔽材料、などを対象にしています。 これら結晶性材料の物理的特性は組織(構造、原子配列、組成など)に大きく依存します。そのため、X線による結晶構造の同定や電子顕微鏡による組織観察や組成解析を行なって組織と特性の相関を考察し、メカニズムの解明や性能の高度化を行っています。 また、これらの研究活動を通して、材料工学分野を専攻する研究室の学生と一緒に“モノづくり”について考えています。 酸化物超伝導体,電気抵抗,接合,磁場シールド,組織制御

量子デバイス工学

  • 木山 治樹 准教授
本研究室では、量子ドットなどの半導体量子構造における量子輸送現象の研究を行っています。最先端の微細加工技術を用いてナノメートルサイズの半導体量子デバイスを作製から、極低温(絶対零度から1℃以内)における電気伝導測定まで一貫して実験に取り組みます。また、量子ドット中の単一電子スピンは制御性や集積性に優れた物理系であり、量子コンピュータへの応用が期待されています。本研究室では、量子ドット中の電子スピン制御や測定に関する要素技術の開発や、量子ドットの大規模集積化に向けた研究を通して、半導体量子コンピュータの実現に貢献します。 ナノテクノロジー,量子情報

建築意匠学

  • 末廣 香織 教授
  • 志波 文彦 准教授
建築設計を中心に研究・教育活動を行っており、実務家教員として社会と大学の接点となることを意識しています。設計実務としては、特に構造技術や環境性能を論理的に取り入れた創造的なデザインをテーマとしています。研究としては、竹材を用いた建築の可能性、テンセグリティやレシプロカル架構という構法的な課題と、熊本地震や九州北部豪雨による被災地支援に中心的に関わったことから、仮設住宅の供給や居住環境の改善という課題を主に扱っています。熊本地震を機に結成したKASEI(九州建築学生仮設住宅環境改善)プロジェクトは、被災地を支援する学生のボランティア活動ですが、社会と直接つながる研究テーマであり、現場でのアウトリーチ教育としても継続中です。 2021年4月からはBECAT(Built Environment Center with Art and Technology)を立ち上げ、大学での研究成果を具体的に社会実装するための枠組みができました。建築というものづくりは、多くの人の協力なしにはなし得ません。その過程が人を結びつけ、コミュニティを形作り、その創造的な成果は目に見える形で実現します。どうしても目に見えない経済原理が支配しがちな現代社会の中においても、私たちの拠り所となる価値を持ち続けるでしょう。

量子計算科学

  • 多田 朋史 教授
本研究室では、量子力学に基づいた計算理論を用いてナノスケールデバイスの設計を微視的な観点から行うとともに、微視的情報から巨視的な系のダイナミクスを記述するためのマルチスケールアルゴリズムの開発も行っております。具体的な研究例としては、量子輸送計算による分子デバイスの設計、第一原理計算と動的モンテカルロ計算による電気化学デバイスの設計、などがあります。また、近年発展の著しい量子コンピュータを分子材料や固体材料の研究開発に利用すべく量子アルゴリズムの開発を行うとともに、新しい量子現象を見出すことで新規な量子コンピュータの理論設計も行っております。 量子化学 ,固体化学,固体物理 ,材料科学 ,密度汎関数法 ,電子状態,シミュレーション ,大規模計算 ,点過程 ,拡散 ,マテリアルズインフォマティクス,化学反応,界面,触媒,分子接合 ,量子情報,量子ビット,量子ゲート,量子機械学習

パワーデバイス工学

  • 齋藤 渉 教授
家庭やインフラ、産業、流通、通信と様々な場面において、私達の生活は電気エネルギーを使うことで成り立っており、電気使用量は増加の 一途をたどっています。加えて、環境・エネルギー問題の対策として、クリーンエネルギーである電気エネルギーの使用比率を上げることは 必須です。特に、CO2を排出しない再生可能エネルギーによる発電を増やしていくことは世界的に取り組まれています。 このような流れの中、やみくもに発電量を増やすことはできないため、発電した電気を無駄無く利用することと、発電量と使用量のバランスを取って安定利用することは不可欠です。電気エネルギーを制御により有効利用する技術として、パワーエレクトロニクスという分野があり、パワーエレクトロニクス回路において、電気エネルギー制御に用いられる半導体デバイスをパワーデバイス、もしくは、パワー半導体デバイスと呼びます。 本研究室では、低炭素社会の実現に向けてパワー半導体デバイスの研究開発を行い、新たな電力ネットワークの創生を目指しています。 電子デバイス,電力変換

電力変換システム工学

  • 西澤 伸一 教授
私達の生活・産業は、高度情報・電力化社会へ向かい、エネルギー消費量の増大が進んでいます。一方、COP21に代表される温暖化ガス排出削減、地球環境・資源制約などのためにエネルギー消費の抑制が求められています。この矛盾は、社会インフラからエンドユーザ機器,生活から産業、あらゆるスケール・レベルで共通の課題です。 この課題を解決するため、パワーエレクトロニクスは、マイクロエレクトロニクス、材料技術、情報技術などと融合した新しい技術領域へ変貌しつつあります。本研究室では、再生可能エネルギーの積極的導入、情報化社会からIoT、E-モビリティなどのメガトレンドにあわせて、この新しいエレクトロニクスとそのシステム(グリーンエレクトロニクス)の実現を目指して、電力エネルギー有効利用の視点に立ち、研究を進めています。 シリコン,結晶,パワーデバイス,半導体

システム数理

  • 蛯原 義雄 教授
制御理論と最適化理論を主体とする,数理工学的手法に基づいたダイナミカルシステムの解析と設計に関する研究を幅広く展開しています.とくに近年では,機械学習や深層学習におけるアルゴリズムやニューラルネットワークの信頼性,安定性を保証するための基盤技術の創成に積極的に取り組んでいます.本研究室では,国内研究機関・企業および海外研究機関との共同研究を積極的に行います.このような取り組みを通して,国際的に活躍できるような研究者・エンジニアの育成を目指します. AI

航空宇宙材料工学

  • 津守 不二夫 教授
航空宇宙分野では軽量かつ信頼性の高い材料が重視されています.航空宇宙機開発にこれらの材料は必須です.それと同時に,さまざまな環境で活用されうる新奇な構造・機能材料を創出していくことも必要です.材料から生まれる発想が新たな航空宇宙分野研究へとつながることを狙います. 本研究室では特に,新奇な構造・機能材料に関する研究を進めています.また,開発するそれぞれの材料に対応した,その加工プロセスの開発研究も行います.これらの一連の流れは工学的に必須となるものです. 具体的に扱っている材料・プロセスは「柔軟機能材料開発とソフトロボティクス応用」,「超微細圧印加工技術を用いた表面微細パターニング」,「ナノ粉末を使った微細加工プロセス開発」,「新奇材料に特化した3Dプリントの開発」といった多様なものが挙げられます.近年は「いきもの」を意識した研究(Bio-inspired Engineering)にも力を入れています.材料や構造の設計に対し,生物が作り上げてきた機能を抽出しながら活用していきます. ナノインプリント,生体模倣,バイオミメティック,磁性ゴム,4Dプリンタ,セラミックス,超撥水,機能表面

機能有機化学

  • 國信 洋一郎 教授
  • 森 俊文 准教授
  • 関根 康平 助教
水素結合やLewis酸-塩基相互作用のような非共有結合性相互作用を1つのキーワードとして、高い活性と選択性を発現できる触媒を創製し、炭素-水素(C-H)結合変換反応など、高効率かつ実用的な新規有機合成反応を開発しています。また、開発した反応を利用することで、π共役系分子やポリマーなどの高性能な有機機能性材料の創製を目的に、研究を行なっています。さらに、理論化学に基づく計算機シミュレーションによって、溶液内で起こる化学反応やポリマー形成過程の分子機構、高分子の高次構造を解明し、その知見を活用した分子・触媒のデサインを目指す研究を展開しています。これらの研究を通して、エネルギーや環境問題の解決を目指しています。 遷移金属触媒 ,有機触媒 ,C-H活性化 ,分子認識 ,位置選択性 ,基質特異性 ,フッ素 ,トリフルオロメチル化 ,蛍光 ,発光 ,糖,糖鎖,有機合成化学,有機金属化学,構造有機化学,有機材料化学,分子シミュレーション,量子化学

プロセス設計工学

  • 寒川 義裕 教授
  • 草場 彰 助教
効率が良い、環境性能が高い、など.....。革新的な特長を備えた新材料は、社会に大きな恩恵をもたらします。これまでの新材料開発では、成膜温度や原料組成など多数の実験パラメータをトライアル&エラーにより最適化しており、開発に多くの時間、労力、コストを要していました。近未来の新材料開発では、「実験」「計測」「計算科学」による取得データを「データ科学」(AI:人工知能)により解析し、トライアル回数を大幅に削減することで、開発期間、労力、コストを低減します。本研究室では、近未来の新材料開発『プロセス・インフォマティクス』技術を開拓し、現実の材料系(窒化物半導体など)に適用しています。 電気自動車,ポスト5G,殺菌・浄水,ソーラーパワコン,次世代半導体,省エネルギー社会,スマート社会

機能有機材料化学

  • 藤田 克彦 准教授
本研究室では、有機ELや有機太陽電池といった有機半導体デバイスの開発研究を行っている。導電性高分子などの有機電子材料は軽量でフレキシブル、低コスト製造プロセス、駆動単位が分子サイズであることなど、シリコン半導体の限界を超えることが期待されている。その技術革新の要諦は溶液塗布プロセスによるプリンテッドデバイスの開発にある。独自開発のデバイス作製技術である超希薄溶液気相濃縮スプレイ法を軸に、高分子半導体へのn型ドーピング法や、高分子pnホモ接合ダイオードの開発などで先端デバイスの開発を先導している。最近ではフレキシブルデバイスの利点を活かした医用機器分野への展開も進めている。 有機エレクトロニクス,自己組織化,キャリアドーピング,プリンテッドエレクトロニクス,モノのインターネット,無線タグ,有機ダイオード,有機トランジスタ,有機メモリ,光線力学療法,無線給電,有機超薄膜,機能性有機材料,熱活性化遅延蛍光,電荷移動錯体,ナノテクノロジー,生体適合性,ロール・ツー・ロール

機能材料物性学

  • 島ノ江 憲剛 教授
  • 渡邉 賢 准教授
  • 末松 昂一 助教
機能性無機材料は、電気を流す、電気を貯める、光るといった様々な機能をもっています。実際に皆さんの身の回りには、たくさんの機能性無機材料が使用されていて、便利で豊かな生活を支えています。既に、たくさんの機能性無機材料が存在していますが、我々が知らない素晴らしい機能をもった材料があなたに発見されるのを楽しみに待っています。また、既存の材料でさえ本来の力を100%発揮できず、みなさんの新しいアイディアでその力を引き出してもらうのを待っています。私たちの研究室では、そんな機能性無機材料のなかでも、特に酸化物に注目し、「電子を流す」、「イオンを流す」、「電子とイオンの両方を流す」、「ガス分子と特殊な反応を起こす」、「電気を貯める」といった機能をもつ様々な材料を組み合わせた新しいガスセンサや二次電池の研究に取り組んでいます。ガスセンサや二次電池の特性は、使用する材料の組み合わせ、材料の形状、サイズ、組成の制御などで大きく向上させることができます。是非、一緒にエネルギー・環境問題の解決に貢献できる新しいガスセンサや二次電池の研究に挑戦しましょう! 機能材料,ナノ粒子,半導体,イオン伝導体,セラミックス,固体電池,酸素分離,触媒,湿式合成,持続可能社会,IoT,MEMS,呼気分析,空気質,金属空気電池

核融合プラズマ物性制御工学

  • 井戸 毅 教授
  • 長谷川 真 助教
無尽蔵のエネルギー源と期待される核融合発電炉を開発するためには、1億度を超える高温プラズマを効率よく生成し、閉じ込める必要があります。それには、高温プラズマの性質を理解することが必要です。特に、長時間高温プラズマを閉じ込めた時に、燃料粒子、不純物がどのような挙動を示すか、またそれを制御し得るかを明らかにすることは 、核融合炉開発の成否に関わる重要な課題です。本研究グループは、球状トカマク装置QUESTを用い、高温プラズマの物性を明らかにするための計測器開発とそれを用いた物理研究を展開し、かつその知見に基づいて核融合炉に適した制御法を開発するための研究を進めています。 ニューラルネットワーク,AI,フィードバック制御,イオンビーム,乱流,非平衡系,非線形力学

先進プラズマ理工学

  • 出射 浩 教授
  • 池添 竜也 准教授
宇宙で輝く恒星の内部では核融合反応が起きています。将来の究極のエネルギー源として期待される「地上の太陽」の実現に向けて、世界各国が協力して ITER(国際熱核融合炉)に代表されるようなビッグプロジェクトを現在進めています。筑紫キャンパスに日本最大の球状トカマク装置QUESTを構え、「プラズマ・波動粒子相互作用」を一つのキーワードとして、先進的な核融合プラズマ加熱、電流駆動、制御手法の開発等に取り組んでいます。 高周波,ジャイロトロン,合成開口,位相配列アンテナ,アダプティブアレイ

エネルギー熱物理科学

  • 渡邊 裕章 教授
  • 甲斐 玲央 助教
エネルギーの安定供給と低炭素化を両立することは,人類の極めて重要な課題です.本研究室では,低炭素社会を実現する革新的な燃焼技術やエネルギー転換技術の開発に取り組んでいます.具体的には,発電等のエネルギーシステムや航空機等の輸送推進システムの高効率化や環境性向上を目指し,システムの基幹要素となる化学反応容器や燃焼器の実験や数値シミュレーション,さらには情報科学との融合研究を通じて,物理現象の解明とモデル化,および予測技術の研究開発を進めています.得られた成果は,産学連携等を通じて,実社会への貢献に役立てます.専門分野は,流体力学や熱化学です. 機械工学,熱工学,反応性流体,乱流,混相流,噴霧燃焼,石炭ガス化,微粉炭燃焼,カーボンフリー燃料,水素,アンモニア,バイオマス,モデリング,数値解析,ラージ・エディ・シミュレーション,直接数値計算,ガスタービン,ジェットエンジン

宇宙流体環境学

  • 松清 修一 教授
  • 諌山 翔伍 助教
宇宙空間はプラズマという電気を通す流体で隈なく満たされています。地球や惑星周辺の宇宙空間を満たしているのは主に太陽を起源とするプラズマです。太陽活動の影響はプラズマを介して地球周辺の宇宙環境に及びます。太陽圏の外は銀河の無数の星々からのプラズマで満たされており、華々しい天体現象の解明のカギを握るのがプラズマのふるまいです。我々は、宇宙プラズマをキーワードに、地球周辺から遠方の高エネルギー天体まで、さまざまな宇宙流体環境を研究しています。また、プラズマを制御して宇宙での飛翔体の推進技術を開発することにも力を入れています。ています。 太陽風,惑星間空間,非線形波動,天体衝撃波,宇宙線加速,乱流,実験室宇宙物理,理論・数値シミュレーション,衛星データ解析,大型レーザー実験

電離反応工学

  • 山形 幸彦 准教授
  • 堤井 君元 准教授
電離反応を利用したプラズマプロセスは、通常の環境下では起こらない物理・化学的効果を発現可能であり、エレクトロニクス・材料分野から環境・エネルギー分野まで、持続可能社会を支える最先端技術です。私たちはプラズマやレーザーを駆使した各種プロセスの開発・最適化やデバイス性能の解析、新種の光源開発や環境汚染物質の分解・除去、過酷な環境下で使えるエレクトロニクス材料・デバイスやヒトにやさしいバイオ機能材料・デバイスの開発など、次世代を切り拓く先端的研究に取り組んでいます。 電気工学,機械工学,マテリアル科学,ダイヤモンド,データサイエンス,電子工学,放電,化学工学,ナノテクノロジー,生体医療応用,バイオマテリアル,プログラミング,イオンエンジン,生体模倣,パルスパワー,表面改質,細胞培養,バイオミネラリゼーション,パワーエレクトロニクス,機械学習

電子物性デバイス工学

  • 吉武 剛 教授
センシング材料とデバイス、さらにはデバイス創製のための要素技術を含めたプロセスと評価技術に関する研究を、材料創製からその評価、さらにはデバイス作製までを一貫して行うことで遂行している。センシング材料の創製にはスパッタ法、レーザーアブレーション法、同軸型アークプラズマ堆積法などの物理気相成長法を主に用い、デバイス創製のための新しい要素技術としてレーザーを駆使した方法の開発に積極的に取り入れている。 センサー,光電変換素子,電子デバイス,原子力電池,ダイヤモンド,量子センター,酸化ガリウム,ワイドギャップ半導体,スパッタリング,バイオマーカー,スピン注入,偏極電流,磁性体,NVセンター,深紫外受光素子,ナノダイヤモンド,ナノカーボン

生体エネルギー工学

  • 東藤 貢 准教授
本研究室では、生体の重要な器官である骨・関節と心臓を研究対象とし、工学的手法、特に固体力学の理論と材料工学的技術を用いて研究を推進しています。骨・関節については、北部九州の主な大学病院整形外科と共同で、CT画像を利用した数値解析法を応用して、力学環境と密接に関連する様々な疾患を解析し、医学的に有用な知見を得るための研究を進めています。また、骨の再生医療への応用を目指して多孔質構造を有する有機・無機複合材料の開発も進めています。心臓については、ヒトiPS細胞由来心筋細胞を用いた人工心筋組織の開発と動的変形解析、および流体-構造連成解析法を応用した人工心臓弁の動力学解析等を推進しています。 バイオメカニクス,バイオマテリアル,組織工学,有限要素法,間葉系幹細胞,人工関節,材料力学

建築環境工学

  • 伊藤 一秀 教授
  • 久我 一喜 助教
室内の空気・熱環境形成と生体反応は密接な関係があり,健康・快適且つ生産性の高い室内環境を創造するためには,室内環境要素と人体の相互関係の総合的予測・評価が必須となります.本研究室では,ヒトならびにその周囲の室内環境をそっくりそのままコンピュータ上に正確に再現する技術(Digital Twin)の開発に取り組んでいます.コンピュータ上に再現した数値人体モデル(Computer Simulated Person)を中心とした室内環境設計手法を確立することで,被験者実験が困難な宇宙ステーションなどの閉鎖空間内で快適かつ健康に生活するための高度な環境設計技術の構築を目指しています.また,ヒトの他,ラット・イヌ・サル等のほ乳類を対象としたDigital Twinの開発にも取り組んでいます. 計算流体力学,曝露リスク評価,熱的快適性予測,公衆衛生工学,建築環境工学,デジタル・ツイン

先端機能材料

  • 藤野 茂 教授
本研究室では、次世代のフォトニクス、エレクトロニクス、バイオ、航空宇宙分野を支える先端機能性ガラスに関する研究を行っています。具体的には光通信やセンシング、半導体分野にて用いられるシリカガラスを主眼とし、ナノガラス構造形成と新しい機能性発現のための材料プロセッシングに関する学問を構築すること目的としています。その成果を基に、従来の製造・加工法では実現できなかった微細かつ複雑な形状を本研究室が開発した新規な3D光造形技術(3Dプリンター)を駆使した高機能性ガラス(光学レンズ、微細光学部品、光センサー、光メモリ、バイオチップ、フラクタル構造等)の実用化研究に取り組んでいます。 赤外線,紫外線,可視光,微細加工,レーザー,モノマー,光重合,焼結,ファイバー,5G,発光,透明,成形,粉体

先進ナノマテリアル科学

  • 吾郷 浩樹 教授
非常に小さなスケールで物質や物理現象を制御するする「ナノテクノロジー」は、現代のIoT社会、エネルギー社会において重要な基盤技術となっています。当研究室では、このナノテクノロジーを支えるナノマテリアルについて研究を行っています。特に、グラフェンに代表される、極めて薄い、原子の厚みしかない二次元シート構造の物質を扱っています。例えばグラフェンでは、原子の厚みなのに、非常に速く電子が動くことができ、フレキシブルなタッチパネルや高速のデバイスへの応用が期待できます。 私たちの研究室では、これら二次元物質の新しい合成法を開拓し、特性を調べるという科学研究に加え、特性を活かしたエレクトロニクスや新エネルギー分野への応用に関する研究も推進しています。同時に、オープンイノベーションミーティングやベンチャー創出を通じて、研究成果の社会への貢献も進めています。 半導体デバイス,気相合成,触媒,太陽電池,トランジスタ,原子膜

粉体・粉末冶金工学

  • 尾﨑 由紀子 教授
  • 荒牧 正俊 助教
  • 生駒 嘉史 助教
材料工学分野では、ゼロエミッション製造プロセスの実現や新奇高機能材料の創製など、「ものづくり」を通して環境負荷低減を実現する研究開発が待望されている。 当研究室は高い比表面積による高い反応性を有する粉末材料に着目して、鉄系鋼粉あるいは磁性粉末、及びそれらの焼結材料、さらには焼結材料設計のために必要な数理解析などに関する以下のリストに示すテーマを扱っている。 積層造形,粉末冶金,数理科学

光通信システム

  • 木村 俊二 教授
本研究室では将来のネットワークサービスの多様化に対応できる仮想化ネットワークの実現に向けて、柔軟に性能のバランスを変更できる光送受信器の実現を目指した研究を行っています。時間・波長・サブキャリアなどの多重化パラメータの可変化技術を適用し、伝送容量に加えて消費電力や信号処理遅延などを高度に最適化可能な光トランシーバ用集積回路の実現を目指しています。 更に光アクセスサービスへの適用においては、光の間欠(バースト)伝送技術が適用されているため、瞬時応答性能を劣化させることなく柔軟化する新しい回路構成を検討しています。また、アクセス固有のニーズである「ユーザ間の公平性」を維持しつつ、トラフィックの状況に応じて総帯域の最大化と消費電力の最小化を柔軟に選択可能な回路構成の検討も行っています。 バースト伝送,トランスインピーダンス増幅器,振幅制限増幅器,識別回路,レーザ駆動回路,変調器駆動回路

電磁エネルギー応用

  • 吉田 敬 教授
  • 佐々 滉太 助教
磁気は、非接触で力の伝達やエネルギーの伝達が可能です。また、人体の影響を受けずに非接触で磁気信号が検出できるなど様々な特徴があります。これらの特徴を利用した、医療応用、産業応用の研究を行っています。医療応用では、pT~μTレベルの磁気信号を扱っています。産業応用では、1~2Tレベルの磁界を扱っています。 磁性ナノ粒子,磁気粒子イメージング,磁気的免疫検査,電動航空機,電気自動車

ナノ・マイクロ実装

  • 多喜川 良 准教授
はんだや接着剤を使うことなく、異なる材料同士を直接貼り合わせることができる“室温接合技術”を中核とした新しい光・電子実装技術の開発とともに、将来の高度情報化社会を先導する情報デバイス創出を目指します。 ・革新的な光・電子実装技術の開発 ナノ接合界面を原子レベルで制御することで異種材料の室温接合技術の確立に挑戦します。従来の高温接合技術(数百度~)ではなく、本室温接合を応用した低ダメージ・高精度等の要求を満たす新しい光・電子機能素子の実装・集積技術の開発を行います。 ・異種機能統合型マイクロデバイス 上記の実装技術により、センサ、光回路、電子回路、アンテナ等を高度に実装・機能統合させ、これまでにない超小型・高性能・多機能デバイスの実現を目指します。これを通じ、ヘルスケア、ロボット、車、インフラ、農業、セキュリティ等に応用できるセンサシステム・システム光LSI・イメージセンサ等の創出に繋げます。 ナノ・マイクロセンサ,超高速光デバイス,光マイクロマシン,マイクロシステム実装,光・電子集積化,半導体

構成エレクトロニクス

  • 矢嶋 赳彬 准教授
21世紀は情報の時代です。しかし情報化が加速するにつれ、それを支えるハードウェアが電力や通信帯域を無尽蔵に消費することになります。100年先を見据えた持続可能な社会に向けて、全く新しいハードウェア技術が求められています。今、そのような技術を生み出す可能性があるものとして、生物の神経回路の動作原理が注目されています。長い進化の中で洗練されたそのレジリエンスと省エネ性は、持続可能な社会を築くためにまさに求められるものです。研究室では、神経回路から有用な技術を取り出し、次世代の情報処理ハードウェアに応用していきます。そこでは、高い汎用性を持つ回路技術と多彩な機能を生み出す材料技術とを活用します。 酸化物薄膜 ,半導体 ,真空プロセス ,水素,金属絶縁体転移 ,低消費電力回路 ,CMOS回路,リカレントニューラルネット ,フォース学習 ,アトラクタ

統計的学習

  • 西郷 浩人 准教授
当研究室では深層学習やデータ科学の理論的基礎である統計的学習の研究を行っています。近年の人工知能ブームにより、IT企業のみならず、製造業、金融業など様々な産業の注目を集めている当分野ですが、現実の問題を解くときに大切なのは考え方の引き出しを数多く用意しておくことと、与えられた問題を背景からよく理解することです。そのために、当研究室では実世界のデータを扱うことを重視しており、多くの研究では手法の作成から実装、評価までを行っています。開発した手法の応用先として遺伝子やタンパク質、薬といった生物化学分野を主な対象としていることが当研究室の特色ですが、製造業における応用も行っています。 機械学習,データマイニング,バイオインフォマティクス,ケモインフォマティクス,データサイエンス
RIKEN

理研連携講座

  • 金 有洙(連携) 教授
  • 今田 裕(連携) 准教授
国立大学法人九州大学大学院工学府は、国立研究開発法人理化学研究所と連携し、大学院生の能力及び見識の向上並びに所属する研究者等の教育研究能力の向上を図り、もって、学術及び科学技術の発展に寄与することを目的として、平成29年9月1日付けで協定書及び覚書を締結した。 平成30年4月1日現在、連携講座には「界面表面化学」を研究分野とする、金(キム)連係教授(理化学研究所主任研究員)及び今田(イマダ)連係准教授(理化学研究所研究員)が配置され、物質創造工学専攻の大学院生に対して指導を行っている。 分子,エネルギー変換,エネルギー移動,走査トンネル顕微鏡,発光,燐光,光吸収,プラズモン,分子集合体,自己組織化単分子膜,絶縁超薄膜,グラフェン,2次元物質,表面素過程

インテリジェントシステムズ

  • ダニロ ヴァスコンセロス ヴァルガス 准教授
インテリジェントシステムズ研究室ではロバスト性と適応性を持つ次世代人工知能を開発している。現在の最先端人工知能は19x19の囲碁を学んでも、9x9の囲碁をプレイできない。画像認識は96%の精度を持っても、1ピクセルを変更することで、誤魔化される。つまり、ロバスト性と適応性が少ない。 人工知能は様々なメカニズムから成り立ち、本研究室は新たな知能メカニズムや新パラダイムを開発することで、ロバスト性と適応性を増やすことを目指している。興味深 いことに、ロバスト性と適応性の向上は、One-shot Learning、転移学習、などのような問題も同時に解決し、新AI世代を創造する研究である。 深層学習 ,ニューロンエボリューション,ニューラルネットワーク,画像・行動認識,マルチエージェントに基づく知能,自己組織化クラシファイア,自然界に基づく人工知能,敵対的機械学習,敵対的生成ネットワーク,汎用人工知能,強化学習,最適化

文字列学

  • 稲永 俊介 教授
  • 中島 祐人 助教
本研究室では,テキスト,時系列,数列,ラベル付き木・グラフ,2次元列などの,いわゆるシーケンシャルなデータを「文字列」と総称し,文字列データを超高速かつ省領域に処理するアルゴリズムの理論研究を行っています。KMP法,接尾辞木,LZ圧縮法などの基礎的アルゴリズムが提案された1970年代から今日まで,文字列を対象としたアルゴリズムは,理論計算機科学の最重要分野の1つであり続けています。実世界においても,文字列アルゴリズムは,情報検索やデータ圧縮のコア技術として幅広く採用され,また近年盛んな競技プログラミングにおいても,文字列処理に関する課題が頻出するなど,注目を集めています。我々は,文字列の数理的性質を探求する「文字列組合せ論」と,最先端の「アルゴリズム・データ構造」技術を融合させることによって,大規模シーケンシャルデータの効率的処理を実現します。 圧縮文字列処理,機械学習,知識発見,データ処理,数学的性質,高速化,メモリ化,Everything isString,基礎理論,コンピュータ内部,既存技術,連鎖,学習,発見,アプローチ,創出,目先,革新,発展,Revolution,Evolution,時代,小手先,照合,謳い文句,応用,万物

数理工学

  • 竹内 純一 教授
  • 土中 哲秀 准教授
  • 武石 啓成 助教
当研究室では、コンピュータやデジタル通信のさまざまな問題の数理的なかたちを明らかにすること、 それに基づいて普遍的な解決法を導くことを目指しています。 研究テーマは、学習理論、機械学習、情報理論、情報幾何、通信理論、ネットワーク理論、非線形システム理論などの基礎理論とこれらの応用です。 具体的な応用例としては、インターネットにおけるサイバー攻撃検知、超解像、パターン認識、CDMA通信、AD変換、誤り訂正符号などがあります。 こうした研究を通じ、変貌を続ける高度情報化社会の基盤技術を担っていける人材を育成しています。 記述長最小原理,確率的コンプレキシティ,情報幾何学,圧縮センシング,人工知能,統計学,データサイエンス,深層学習,スパースコーディング,磁気共鳴画像法(MRI),サイバーセキュリティ,乱数生成,カオス力学系,アナログ・ディジタル変換,デジタル無線通信,レーダー信号処理

理論計算機科学

  • 山内 由紀子 教授
複雑な問題も,高性能なコンピュータを使えば簡単に計算できる,と言うわけではありません.私たちの研究室では,問題解決のための計算方法=アルゴリズムについて研究しています.身の回りを見ても,最短路検索,インターネット検索,ソート,スケジューリング,画像処理,コンピューター将棋・囲碁など,アルゴリズムは日常の様々な場面で活躍しています.与えられた計算資源,与えられた時間,与えられた制約の下,いかに"うまく"計算するか?問題の持つ数学構造に着目し,新しい計算方法を考え出す.これがアルゴリズム研究の醍醐味です. 理論計算機科学,アルゴリズム理論,グラフ理論,離散数学,分散システム,モバイルロボット

人工知能&情報セキュリティ

  • 櫻井 幸一 教授
  • 顧玉傑 助教
最近は、所謂「Internet of Things」(IoT)の考えの元、人だけでなく物も相互につながる社会となってきている。あらゆるものがつながる世界において、攻撃者によりこれらのネットワークの制御が奪われてしまえば、甚大な被害となり得るだろう。(USAの2016年の選挙では、ロシアのサイバー攻撃により大きな影響があったように) サイバー攻撃による影響は国の選挙結果を変えてしまうことまで考えられる。さらに、最近のForbesのレポートによれば、サイバー犯罪による被害は2019年までに2兆ドルに達するとの予測がある。 私たちは社会を護るために、セキュリティに関連したアプリケーションのための新技術とパラダイムを研究している。 ネットワークセキュリティ,セキュリティカメラ,セキュリティにおけるロボット,敵対的機械学習,コンピュータセキュリティ,暗号と

認知科学

  • 森 周司 教授
  • 志堂寺 和則 教授
  • 藤平 晴奈 助教
認知科学研究室では、工学的な応用を目指して、ヒトの心の働きを科学的に探究し、その解明を進めています。森教授は、ヒトの情報処理の仕組みを入力情報の物理量とそれから生じる心理量あるいは反応量の関係から解明する心理物理学的手法に基づき、聴覚時間分解能と音声カテゴリー知覚に関する行動実験と脳機能計測を実施し、新たな聴覚検査の開発にも取り組んでいます。志堂寺教授は、ドライビングシミュレータや実車を用いたドライバの状態推定研究、ドライバ状態を考慮した自動運転システムや運転支援システムの開発、バーチャルリアリティ環境における知覚・認知に関する研究等を進めています。 音声知覚,注意と意識,自動車事故防止,ヒューマン・インタフェース,感性,実験心理学,社会心理学,感性科学,人工現実感,自動車事故防止,立体視,到達,意識,注意,インタフェース,ヒューマン,予測,食品,メカニズム,廣瀬,成果,見た目

データマイニング

  • 鈴木 英之進 教授
  • 松川 徹 助教
大量データからの有用な可能性がある理解可能なパターンの工夫した発見を目的とするデータマイニングにおいて、機械学習などを基盤として、データスカッシングやデータ構造などのデータ処理、各種例外やルールなどのパターン発見、情報可視化や人間要素などのパターン解釈、問題設定などの諸課題の基礎から応用まで幅広く取り組んでいます。機械学習やデータマイニング技術を用いた自律移動ロボットなどによる人見守り、画像、動画像、テキストデータに関する深層学習に関する研究も行っています。 ディープラーニング,異常検知,例外発見,分類学習,クラスタリング,人工知能,パターン認識,画像処理,テキストマイニング,人間データ

機械学習理論

  • 瀧本 英二 教授
  • 畑埜 晃平 教授
「過去のデータから未来のデータを予測し意志決定を行う」問題は、株式投資、商品推薦、ルーティング、かな漢字変換辞書の更新など、ありとあらゆる分野に現れます。我々のグループでは、主に機械学習の手法を用いて、さまざまな問題に対する賢い意志決定法の開発を行っています。また、逆に、これらの意思決定手法を、機械学習における最適化問題に応用する研究も行っています。さらに、論理回路、決定図、ニューラルネット、比較器回路網などの様々な知識表現のクラスについて、その数理的性質の解明を行うとともに,これらの知識表現を用いた意思決定手法の計算効率の解析を行っています。 計算学習理論,オンライン意思決定,理論計算機科学,オンライン意思決定,最善手探索,情報圧縮,経路選択,関係,ゲーム,将棋

マルチエージェント

  • 横尾 真 教授
  • 東藤 大樹 准教授
  • 木村 慧 准教授
  • 孫 兆鴻 准教授
  • 越村 三幸 助教
マルチエージェント研究室では,複数の知的な主体 (エージェント) が存在する系であるマルチエージェントシステムに関する研究を進めている.とくにインターネットのように人間とエージェント(ソフトウェア)が混在する系に着目し,研究室割当や電子商取引などの問題をゲーム理論/ミクロ経済学の枠組みを用いて記述し,アルゴリズムや最適化の技術を用いたシステムや社会制度の設計・解析を進めている. マーケットデザイン,人工知能,メカニズムデザイン,マッチング,組合せオークション,繰返しゲーム,囚人のジレンマ,研修医配属,POMDP,制約充足,分散制約充足,分散制約最適化,社会選択理論,投票理論

脳情報科学

  • 伊良皆 啓治 教授
ヒトの脳機能の解明を目指した脳機能イメージング・計測,さらに,脳計測・イメージングを様々な分野に応用する研究を展開しています。具体的には,脳波,脳磁図,MRI,近赤外光分光法,経頭蓋磁気刺激等を用いて脳機能ダイナミックスの計測・イメージングによる脳機能の解明や新しい計測技術の開発,また,脳の情報を読み取りコンピュータや機械を制御するブレインコンピューターインターフェイスの開発等の研究を行い,脳科学で得られた知見や技術を医学や福祉,さらには,教育分野への応用をめざしています。自閉症やADHDなど発達障害、また、高齢者の認知症や神経疾患の神経情報基盤の研究、さらには、早期検出法の開発、脳科学をベースとした支援技術に関する研究等を行っている。 脳工学,脳情報科学,事象関連電位,fMRI,ブレインマシンインタフェイス,認知機能,軽度認知障害 (MCI)
自然言語処理

自然言語処理

  • 冨浦 洋一 教授
自然言語処理は,コンピュータを利用して日本語や英語などの自然言語で書かれた文章を処理する技術に関する研究分野です.情報化が進展し大量の情報が氾濫している現在,自然言語処理は必要な/重要な情報に効率的にアクセスするための技術,大量のテキストを分析する際の要素技術として注目されています.Deep Learning の登場で,機械翻訳を始めとする各種の自然言語処理技術の性能が格段に改善され,益々自然言語処理に対する期待が高まっています.当研究室では,統計的言語モデルのパラメタ推定に基づく,文や文書のクラスの識別・分類に関する研究, Deep Learning による文間や文書間の類似度の推定に関する研究を行っています. また,上記で用いている統計的言語モデルと類似したモデルを用いて嗅覚情報の分析に関する研究も行っています.様々な物質を嗅がせたときのラットの嗅球(匂い情報を受け取る最初の脳組織)上のニューロン群の活性パターンを撮影した画像とその物質の物理・化学的な性質に基づく匂いの素性とそれを検出した際に発火する嗅球の部位の特定,多チャンネル匂いセンサの測定データに基づく匂い痕跡(匂い発生源)の分離と可視化に取り組んでいます. 機械学習,情報組織化,統計モデル,深層学習,テキストマイニング,データマイニング,データサイエンス
3次元マルチメディアコンテンツ研究室

3次元マルチメディアコンテンツ

  • 岡田 義広 教授
静止・動画像データ,3次元形状データ,モーションデータ等を含む3次元マルチメディアコンテンツの基盤技術の研究開発を行っています。検索技術や編集生成技術および可視化技術のほか,3次元CGコンテンツの音声入出力インタフェースやビデオ画像に基づく動作入力インタフェース等の研究開発,力覚が得られるデバイス(Phantom)を用いた仮想現実感応用システムの開発や,インターネット上の3次元CG表現される仮想空間のなかで複数の人が協調して計算機により支援される種々の知的活動が行える環境を即座に容易に創れるためのネットワークコラボレーション技術の研究開発を行っています。また,3D ゲームやICT活用教材の開発環境の研究も行っています。 HCI,ネットワークコレボレーション,開発技術,開発手法,ゲーム開発環境,デジタルTV放送コンテンツ

e-サイエンス

  • 池田 大輔 准教授
ICTの普及やデータの増加に伴って、多くの分野で、コンピュータを使ったシミュレーションやデータ解析等が利用されています。従来、コンピュータは専門家の補助的なツールでしたが、専門的な知識をあまり使わず、コンピュータを中心に据えたアプローチであるe-サイエンスという分野が活発になっています。 このような流れを受け、当研究室では『一般的な人達が科学的知見の発見や検証に参加できるようになる』とのビジョンのもと、e-サイエンスのアプローチであるシミュレーションやデータマイニング等を行ったり、また、これらを行うインフラそのものの研究をしています。 機械学習,バイオインフォマティクス,データベース,情報検索,マルチメディア検索,技術,Twitter,学生,サービス,情報,生成,つぶやきやfollower,テーマ選定,知的活動,システム,システム構築,キャリアパス,関係,議論,練習,段階,理論,決断,流行,両方,現場,方針,基盤,ニーズ,応用,機能

システムアーキテクチャ&デザイン

  • 松永 裕介 准教授
コンピュータはいかにもコンピュータらしい姿をしているパソコンだけではなく,「えっ,こんなところにも?」と驚くような意外な場所にも用いられています。そのようなコンピュータは数億トランジスタから成る「システム LSI」と呼ばれる形態で作られていて,そこには複数のプロセッサ,様々なメモリや入出力デバイスが搭載されています。私たちの研究室では,そのようなシステム LSI に関する研究を行っていて,一体どのようなシステム LSI を作ればいいのか,またそれをどうやって作るのか,そして,それらシステム LSI を用いて人間や社会のために役立たせるにはどのような使い方をすればいいのか,等について日夜議論しています。 SoC,System-on-a-Chip,アーキテクチャ,設計支援技術,スーパーコンピュータ,サイバーフィジカルシステム,CPS,システムLSI

イメージ・メディア理解

  • 島田 敬士 教授
  • 大久保 文哉 准教授
  • 唐 成 助教
当研究室では,様々なセンサを通して得られる観測情報から社会の情報を獲得し,それらのデータを統合・分析することによって新たな社会的価値を創成するサイバーフィジカルシステムの確立を目指しています.サイバーフィジカルシステムを支える計算モデルや画像,映像をはじめとする様々なメディアの処理技術からそれらを応用した映像解析や教育支援のためのアプリケーション開発まで幅広く研究を行っています.映像解析技術に関する研究では,カメラから取得された映像の理解を行うために,観測領域内に存在している物体の検出や特異なイベントを検出する手法など基盤技術の開発を行っています.また,教育データ分析に関する研究では,デジタル教科書システムや学習管理システムにより収集される講義内外の学習活動の解析を通して,リアルタイムに講義中の学習状況を把握する技術や,学生に適して教材の推薦方法など,効率的かつ高度な教育環境の提供を実現するシステムの開発を行っています.さらに,自然界や社会における様々な現象に関する計算モデルの理論の研究を行い,教育データなどの新しい分野への応用を目指しています. 画像処理,パターン認識,ラーニング・アナリティクス,画像認識,深層学習,実時間処理,データサイエンス

実世界情報ロボティクス

  • 倉爪 亮 教授
  • 河村 晃宏 准教授
  • 宮内 翔子 助教
  • 中嶋 一斗 助教
  • 松本 耕平 特任助教
オフィスや街中など、私たちの生活環境内で様々な情報を収集するロボットシステムや、人間とロボットが共に生活するためのコンピュータビジョンの研究を行っています。人間とロボットが共存し、安全に生活するには、事前にロボットに様々な知識を与えなければなりません。しかし、必要な知識を全て人間が考えて、人間の手で作り上げるのは、非常に大変な作業です。もしロボットが自分の力で知識を獲得(学習)できれば大変便利ですが、複雑な知識の獲得には多くの時間や様々な経験、難しい学習の仕組みが必要で、また知識の記憶にも大量のメモリが必要です。そこで私たちは、人間とロボットが一緒に生活する環境に注目し、ロボットに代わって環境がロボットに必要な知識を「獲得」し、その知識を環境に「埋め込み」、ロボットが必要なときにその情報を「取り出す」ことができる仕組みを研究しています。

ヒューマンインタフェース

  • 内田 誠一 教授
  • 備瀬 竜馬 准教授
  • Brian Iwana 准教授
  • 正井 克俊 助教
パターン認識とは、人間の持つ認識機能の人工的実現を目的とした研究分野です。計算機が高度に発達した現代でも、最難関問題の一つに挙げられます。例えば、人間ならば目で見て「これは自動車である」と認識するのは容易です。ところが自動車には様々な形式があり、また同一形式であっても視点によって見えは変化します。「計算機に幾つかの自動車パターンを登録しておいて、それと類似していれば自動車と認識すればよい」と思われるかも知れませんが、「どのように類似性を定めるか」など課題は山積です。このようにパターンの多様性が困難性の原因であり、それをどのように巧妙に扱うかが鍵になります。当研究室では、パターン認識を中心に画像処理・認識、バイオイメージ・インフォマティクス、機械学習の理論と応用、文字工学・科学と多彩な分野へ研究を展開しています。世界を相手にオリジナルの技術を開発しながら、これらの魅力的な問題に日々挑んでいます。 人工知能,ディープラーニング,ニューラルネットワーク,医療画像,スポーツ,生体信号,時系列,ゲーム理論

ソフトウェア工学・プログラミング言語

  • 鵜林 尚靖 教授
  • 亀井 靖高 准教授
当研究室ではソフトウェア構築の基礎をなすソフトウェア工学とプログラミング言語に関する研究をしています。ソフトウェア工学とはソフトウェアが抱える問題を工学的な見地から捉え解決する学問分野で、当研究室では「先進的なプログラミング・エクスペリエンス」、「形式手法を活用した高信頼ソフトウェアの開発」、および、「集合知発見のためのソフトウェアリポジトリマイニング」の3つの側面から研究しています。最初の2つでは、AI・機械学習、集合知発見、プログラミング言語理論、形式手法・形式検証技術を駆使した先進的かつモダンなソフトウェア工学について研究しています。最後の1つでは、ソフトウェアの開発履歴データが大量に蓄積されたリポジトリから知識を発見、獲得する研究をしています。 ソフトウェアアーキテクチャ,ソフトウェアテスト,プログラミング言語機構,人工知能,オープンソースソフトウェア,ソースコード解析,ソフトウェアメトリクス,モデル検査

知的情報環境

  • 峯 恒憲 准教授
ユーザが求める情報を,必要な時に提供する仕組みの研究開発を,実データを利用して行っています.特に,複数のデータを扱うマルチモーダルデータマイニングと活用について研究しています.具体的なテーマとしては,1)テキストマイニングと情報生成:大規模なユーザの質問と応答例を基にした自動応答システム開発,領域外質問や非質問文の識別,感情推定,特許情報や文献などからの固有表現抽出,2)交通データマイニング:大規模な車の移動履歴データ(プローブデータ)に天候,交通流,人流などを一緒に扱い,移動時間や到着時間,遅れ時間の予測のほか,道路状況や危険運転などの推定,3)教育データマイニング:学生や生徒の学習行動履歴や振り返り文からの学習状況や能力の推定(成績推定),振り返り文への自動アドバイス生成,短答式解答文の自動採点.4)マルチモーダルデータマイニングと情報推薦:手作り作品サイトのデータ(画像,説明文,アクセス情報など)を利用したお勧め作品推定,作家推定,作品傾向追跡,購買予測のほか,有用レビュー推定,間接的知識を活用するグラフデータマイニングアルゴリズムの開発,などがあります. 人工知能,機械学習,深層学習,ビッグデータ分析,自然言語処理,画像処理,協調フィルタリング,高度交通システム,情報検索,時系列処理,内省的学習,テキスト分類,素性選択,個別化,マルチエージェント,スマートモビリティ,情報共有,文章生成,異常検知,教育工学

先端ネットワーク

  • 岡村 耕二 教授
岡村研究室では、現在、サイバー空間上の問題解決に関する研究を、さまざまな情報の解析によって行っています。岡村研究室の特徴は、ネットワークの研究を理論やシミュレーションだけでは終わらせず大学とは独立した研究用インターネットや、九州大学情報基盤研究開発センター、サイバーセキュリティセンターが九州大学に提供しているキャンパスバックボーンである KITE、無線LAN ネットワーク kitenet 、ファイアウォールのログデータ、学生のアンケートデータ等、研究室で研究したことの実証や実用的な評価も行っていることです。 インターネット ,ネットワークトラフィック解析 ,ゼロトラストネットワーク ,安全な Web アプリケーション ,人間データ管理 ,IoT セキュリティ ,Society 5.0 ,SDGs ,サイバー攻撃解析

コンピュータビジョン・グラフィクス・VR

  • 川崎 洋 教授
  • トマ ディエゴ 助教
  • 岩口 尭史 助教
本研究室では、コンピュータビジョンやコンピュータグラフィクスを中心に、バーチャルリアリティ技術を用いて実世界と仮想空間を融合させる研究(AR/MR)や、新しいセンシング技術に関する研究を行っています。 これらを実現するため、現実世界の視覚的情報を効率よく「取得」、「モデル化」し、「写実的に再現」することを研究のコアとし、得られたデータを実世界で利用するための「インタラクション」や「データベースの作成」にも取り組んでいます。 例えば、カラーと距離(RGB-D)カメラを使用した三次元シーン復原に関する、RGB-D Simultaneous Localisation and Mapping(SLAM)を研究しています。特にRGB-Dカメラを用いてダイナミックな三次元人体モデルを作成することについて研究をしています。このプロジェクトでは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使用して単一画像から三次元モデルを復元します。別の研究プロジェクトは光学系と計算機を組み合わせた撮像方法であるコンピュテーショナル・フォトグラフィ技術に基づく光線解析に関する研究も行っています。また、「医療」や「都市交通システム」への応用も重要な研究テーマです。 コンピュータグラフィクス(CG),3次元ビジョン(CV),バーチャルリアリティ(VR/AR/MR),コンピュータインタラクション(HCI),医療画像処理システム,高度道路交通システム(ITS),SLAM ,畳み込みニューラルネットワーク ,コンピュテーショナルフォトグラフィ(CP) ,デプスカメラ
知能ソフトウェア工学研究室

知能ソフトウェア工学

  • 趙 建軍 教授
  • 馮 尭鍇 助教
  • 大森 洋一 助教
ソフトウェア工学(Software Engineering、SE)はソフトウェアの信頼性や保守性の向上を目的とし、高度かつ安全なソフトウェアを短期間で設計するための研究分野です。人工知能(Artificial intelligence、AI)はコンピュータによる知的な情報処理システムの設計や実現に関する研究分野です。知能ソフトウェア工学研究室は、ソフトウェア工学(SE)と人工知能(AI)の融合によって、より信頼性(安全性)の高いソフトウェアシステムとAIシステムを構築することを目指しています。具体的には、3つの方向性で研究を行っています。 人工知能のためのソフトウェア工学:人工知能(深層学習)システムにおける欠陥(バグ)やAdversarial Exampleを深く理解し、人工知能(深層学習)システムの信頼性と安全性を保証する方法(理解、解析、テスト、デバッグ、検証)を探求しています。 ソフトウェア構成の自動化:人工知能(深層学習)を用いて、プログラムコートの自動生成、プログラムバグの自動修復などの方法を研究しています。 開発環境の知能化:知能ソフトウェア開発支援環境(IDE)を構築しています。 ソフトウェアテスト,プログラム解析と検証,プログラミング言語,自動プログラミング
無線通信研究室

無線通信

  • 牟田 修 准教授
携帯電話や無線LANに代表される無線通信のトラフィック量は急激に増大しています。その一方で、利用可能な無線通信帯域は限られているため、周波数帯域あたりの情報伝送速度を大幅に向上させる無線通信技術が必要となります。本研究室では次世代のネットワークを支える無線通信技術に関する研究を行っています。 MIMO,変復調
感性ナノバイオセンサ研究室

感性ナノバイオセンサ

  • 都甲 潔 特別主幹 教授
  • 小野寺 武 准教授
  • 矢田部 塁 准教授
  • 木村 俊輔 助教
感性ナノバイオセンサ研究室は「味覚センサ」の開発に世界で初めて成功しました。主に次のような研究を行っています。   • バイオとエレクトロニクスを融合した科学技術により開発した味覚センサのさらなる高機能化 • 抗原抗体反応を利用して,爆薬や香料などの匂い物質を超高感度で検出する犬の鼻を超えるセンサの開発 • 複数種の化学物質を認識するセンサを多数用意し,その出力をAI(人工知能)でパターン認識する人工嗅覚システム   また,これらの研究を軸に,多方面への応用・展開を試みる研究を行っています。 匂いセンサ,味センサ,嗅覚センサ,食品,バイオマーカー,センシング,テイストマップ,脂質高分子膜,表面プラズモン共鳴,酸素センサ,光蓄電池

集積磁気デバイス

  • 田中 輝光 准教授
我々の研究室では,ナノメーターサイズ(十万〜百万分の一ミリ)の微細加工技術を用いて強磁性体(磁石)に3次元的な極微構造を形成し,新しい物理現象の発現を試みると共に,その応用に向けた研究を推進しています。具体的には,ハードディスクや将来のメモリとして注目を集めているMRAMなどに代表される次世代の超高密度情報記憶デバイスや,従来の論理演算素子には無い柔軟な機能を備えた高機能論理演算素子などへの応用を目指して,実験およびコンピュータシミュレーションを駆使して最先端の研究開発を行っています。 磁気メモリ,強磁性薄膜デバイス,マイクロマグネティクス,スピントロニクス,物性物理現象

プラズマ工学

  • 白谷 正治 教授
  • 古閑 一憲 教授
  • 鎌滝 晋礼 助教
本研究室では,革新的プラズマの創成を目指して, プラズマ中の反応制御による高品質・高スループットプロセス技術の開発 プラズマを用いた機能性ナノブロック作製と応用 プラズマ-表面相互作用の解明 プラズマ農業の創成 を主要研究課題としている。 以下の研究を行っている。 太陽電池用超高品質光安定a-Si:H作製用プラズマ技術開発 ナノ粒子を用いた革新的次世代太陽電池材料開発 プラズマ異方性CVDを用いた,微細構造への薄膜堆積制御 LSI用超低誘電率層間絶縁膜用ナノ粒子含有膜の創成 プラズマを用いたナノシステム構築に関する基礎研究 核融合実験炉内に発生する微粒子(ダスト)の発生・成長機構解明 プラズマを用いた植物成長促進 薄膜太陽電池製造用プラズマプロセス,創生

有機電子デバイス

  • 林 健司 教授
  • 佐々 文洋 助教
私たちは有機エレクトロニクス材料を用いた機能性デバイスを研究開発しています。有機エレクトロニクス材料は多様な機能を生み出すことができ,金ナノパーティクル,分子ワイアやナノファイバなどの低次元材料,光を用いたイメージング技術,分子特性に基づく包括的センシング技術などを基盤とし,機能性デバイスを創りだす鍵となるナノスケールの現象を積極的に利用した研究を展開しています。生物の嗅覚に匹敵する能力を持つセンサ,高い機能性を持つ有機デバイス,匂いの可視化技術,さらにセンシング情報を使った匂いマッチング解析やデータベースサービスなどの開発に取り組んでいます。 匂いセンサ,イメージング素子,センサロボット,IoT,匂いのディジタル化,分子パラメータ解析,匂いの質の可視化表現,生体模倣,有機電子材料,プラズモニックガスセンサ,超高感度センサ,表面増強ラマン散乱,ナノ粒子,分子認識,分子鋳型,個人認証,人の探索,科学捜査,農業ICT
クリーンルームブース

スピントロニクス・デバイス

  • 湯浅 裕美 教授
  • 黒川 雄一郎 助教
私達のライフスタイルを大きく変えたインターネットが,今後は電子空間だけでなく実空間でもモノや人を結びつけます。そこで必要となる電子デバイスは,質・量ともに桁違いにジャンプアップするため,これまで以上に革新的な技術が求められ,様々な分野で研究がなされています。磁性体に特有の“スピントロニクス”技術は,候補の一つ。スピントロニクスでは,エレクトロニクスで主役だった電子に加え,電子の持つ“スピン”が主役となります。究極的には電子が流れない,ジュール損失ゼロのグリーンなデバイスが実現する可能性をも秘めています。これからの電子デバイス,まだ解は見つかっていません。スピントロニクスの研究から,より良い社会の実現を目指して挑戦します。 ハードディスク,MRAM,データストレージ,レーストラックメモリ
ナノエレクトロニクス研究室

ナノエレクトロニクス

  • 佐道 泰造 准教授
情報通信技術は私たちの生活を支える柱の一つです。情報通信技術の高度化には,膨大な情報を高速かつ正確に処理し伝送する情報処理・通信システムを実現するため,集積回路の高速化・高集積化が重要となっています。現在まで,集積回路の高機能化は,トランジスタの微細化により実現されてきました。しかし,極度に微細化が進んだ結果,微細化による更なる高機能化が物理的限界に直面しています。これを打破するには,デバイスを構成する材料の特性を高機能化し,微細化に頼らずに集積回路の性能を向上する新しいアプローチが求められています。また,IT社会の実現には,軽量でコンパクトな情報端末が必要となります。このためには,集積回路とディスプレイをフレキシブル基板上に融合したフレキシブル・エレクトロニクスのような新デバイスの実現が求められます。 このような背景のもと,私たちは,新しい半導体材料の探索とデバイス応用に関する研究を推進しています。 次世代集積回路,新機能デバイス,半導体ヘテロ構造,結晶成長プロセス

電子材料

  • 板垣 奈穂 教授
  • 大島 多美子 准教授
本研究室では,電子と正孔がクーロン相互作用で結合した準粒子「エキシトン」をキャリアとする全く新しいトランジスタの開発を行っています.上記トランジスタは,E/O変換の超小型化・高速化を可能にするため,LSI内光配線化のブレークスルーをもたらすと期待されています.本研究では独自開発材料「ZION」を用いて,室温・長寿命エキシトンを実現するとともに,エキシトンの「輸送」と外場の物理に関する基礎学理を追求することで,世界初となる室温動作型エキシトンデバイスの実現を目指します.本研究は,LSIの高速化・低消費電力化に直結するものであると同時に,将来的にはエキシトンを量子ビットとみなした量子コンピュータ・量子暗号通信への展開を可能にすると期待されます. スパッタリング,酸化物半導体,酸化亜鉛,結晶成長,ヘテロエピタキシー,逆SKモード,In2O3:Sn,アモルファス透明導電膜,不純物添加結晶化法,プラズマ

高周波集積回路・マイクロ波通信デバイス

  • 金谷 晴一 教授
携帯、無線LAN、衛星、光通信を利用したIoT(Internet of Thingt)の時代が到来しました。「いつも・どこでもつながる世界」を実現するには、小型で低消費な送受信器が必要です。当研究室では、分布定数線路(※)により小型化・一体化された低雑音増幅器(LNA, Low noise amplifier)、ミキサ回路、電圧制御発信器(VCO, Voltage Controlled Oscillator)を開発しています。また、デジタル/アナログ変換回路・アナログ/デジタル変換回路の開発も行っています。これらは無線通信用LSIとよばれます。さらに、無線通信には無くてはならないアンテナの小型化設計も行っています。また、ターゲットを追尾可能なフェイズドアレイアンテナや、空間に存在する電磁波を収穫して直流電源に変換する無線エネルギーハーベスティング回路の研究も行っています。バッテリレス腹腔鏡医療用クリップや、無給電インプラント温度センサなどへの医療応用を目指しています。 (※)整合回路:電気信号の反射損失を防ぎ最大電力を取り出すために必要不可欠な回路 なお、本研究室では、協力講座として日本エジプト科学技術連携センター教育連携部門の吉富邦明教授にもご参加いただいています。 CMOS回路,内視鏡,エネルギーハーベスト,パワーアンプ,パッケージング

光・電子集積システム

  • 加藤 和利 教授
  • 久保木 猛 助教
現在インターネットにはとても大容量のデータが流れています。今後もさらに増大するデータを情報伝達するためには,新しい概念によるハードウエアの高速化,高機能化,低電力化が必要です。これを実現するものこそ光技術と電子技術のそれぞれの長所を融合した光エレクトロニクスデバイスや光・電子集積システムです。私たちの研究室では,最先端の光技術と電子技術を融合して新しい概念の光エレクトロニクスデバイスや光・電子集積システムを創造,実証することで,社会が直面する課題の抜本的な解決に向けた研究を目指しています。 半導体レーザ,高速無線通信,高周波,光通信,光ファイバ通信

マイクロ・ナノレーザーデバイス

  • 興 雄司 教授
  • 吉岡 宏晃 助教
マイクロ・ナノレーザーデバイスグループではレーザー工学・有機光エレクトロニクスに関する研究を行っています。研究の中心は有機材料を利用したマイクロ・ナノ構造を用いた有機レーザー,光ファイバーセンサー,太陽電池,光検出デバイスなどのプリンタブル光デバイスの研究・開発ですが,他にも半導体レーザー,半導体レーザー励起固体レーザー,エキシマーレーザーによる加工,紫外光有機材料プロセスなどの研究も行っており,また,これらの光技術を利用した先端計測の研究にも最近は取り組んでいます。(写真はクリーンルームでの有機レーザー評価実験) 光導波路,微小光共振器,3Dプリンタ,インクジェット技術,有機光材料,シリコンオプティカルテクノロジー(SoT),色素レーザー,エキシマレーザー加工

ナノ光情報応用

  • 竪 直也 准教授
我々の研究室では、ナノサイズの微小空間において発現する光と物質の相互作用の基本原理・ナノフォトニクスに基づいて機能する「ナノ光情報デバイスおよびシステムに関する実証的研究」を進めています。ナノフォトニクスの基盤となる「飛ばない光」近接場光は、その局在性と微小性ゆえに物質との間で特異な物理現象を誘起することが知られています.その有効利用により実現される情報応用は現代社会のニーズに呼応する微小性・高速性・省エネルギー性を体現すると共に,次世代情報社会の構築における新たなシーズともなります.研究テーマは,近接場光の特質を活かしたデバイス・システムの設計・構築からそれらの機能を司る基礎物理の解明まで多岐に渡ります。 レーザー,ナノテクノロジー,材料開発,セキュリティ,太陽電池,エネルギー変換

システムデザイン

  • 川邊 武俊 教授
  • 村田 純一 教授
  • 船木 亮平 助教
  • 湯野 剛史 助教
システムデザイン研究室では、主につぎの2つの研究を行っています。1つ目は、自動車を対象とした運動・振動の制御です。エコドライブ・安全な自動車制御を目指し、(1)車両や道路環境の情報を元に人間(運転者)の判断や走行制御系の働きを補佐する運転支援系を構成すること、(2)運転支援系の補佐を十分に利用できる走行制御系を実現することを研究課題としています。これらの課題に対し、制御工学的なアプローチを行っています。また、代数的非線形制御理論の確立とエンジン制御への応用も試みています。もう1つは、大規模・複雑なシステムの設計・運用に関する研究です。例えば,電力が発生され利用されるまでのシステムは大規模であり,人間の意思も大きく関わる複雑なシステムです.このようなシステムを対象とし、システムの解析や設計を自動的に補助する学習システム、最も好ましいシステムを導く最適化についての研究を行っています。これらの主な応用として,電気エネルギーマネジメントシステムに関する研究を行っています。また、グラフィックアートやファッションデザインといった個人の好みや感性によって良し悪しの判断がされるものを対象として、その人に合ったものを見つける最適化システムの研究も行っています。 電力系統,太陽光発電,電力系統,システム一般,太陽光発電装置,道路網,グループ

超伝導理工学

  • 木須 隆暢 教授
  • 東川 甲平 准教授
本研究室では,地球環境との両立を目指した高度なエネルギー社会の実現に向けて,超伝導技術の研究開発を行っています。超伝導線材では,損失をほとんど無視できる状態で,銅やアルミに代表される従来材料の100倍以上の大電流を運ぶことが可能となります。その優れた性能により,従来技術の壁を打ち破る革新的機器の開発,高効率エネルギー利用,CO2削減のための技術として,広範な分野で応用が期待されています。本研究室では,世界最先端の計測評価技術開発による超伝導材料の特性解明と高性能化,さらにその電力・エネルギー応用のための研究を行っています。国家プロジェクトや民間との共同研究,国際共同研究も積極的に推進すると共に,これらの研究活動を通じて,電気電子工学分野の次代を担う若手研究者,技術者の教育に取り組んでいます。 臨界電流特性,先端計測技術,電気電子材料

レーザー・光応用

  • 中村 大輔 准教授
レーザーは科学の最先端技術であり,ブルーレイディスクやレーザーポインタなどの身近な存在から極微細加工や光通信など産業・通信分野,さらには医療分野まで様々に応用されています。これは,通常の光にはないレーザー光のもつ性質(単色性,干渉性,指向性)を活用することで初めて達成できます。本研究室では,紫外発光材料である酸化亜鉛(ZnO)に着目し,レーザーを利用した機能的ZnOナノ結晶の作製および紫外LED,紫外レーザー,ガスセンサなど次世代光電子デバイスへ応用する研究を行っています。その他にも医学部眼科との医工連携の研究として,分光イメージングを利用した非侵襲眼底機能診断技術の開発に関する研究を行なっており,光・レーザーを基軸にした安心・安全な環境と健康の実現を目指しています。 レーザー応用,非侵襲計測

静電気応用

  • 末廣 純也 教授
  • 中野 道彦 准教授
  • 稲葉 優文 助教
静電気工学は電磁気発展の学術的基盤となった歴史の古い学問分野ですが,現在でも様々な分野に応用されています。例えば,大電力輸送を支える高電圧送電技術,インクジェットプリンタ,環境汚染ガス浄化装置,オゾナイザなどその実用的価値は大変大きいものがあります。近年では,バイオテクノロジーやナノテクノロジーにおいて,細胞やカーボンナノチューブなどの微小な物質を精度良く操作するための技術として注目を集めています。我々の研究室では,このように「古くて新しい」静電気工学や高電圧パルスパワー工学に関する研究開発に取り組んでいます。最近は特にこれら技術のバイオテクノロジー,ナノテクノロジーへの応用を指向した研究テーマを重視しており,誘電泳動やマイクロプラズマを利用したナノ物質の操作,改質,そして Bio-MEMS デバイス構築への応用を目指しています。 インピーダンス計測,ウイルス検出,カーボン・ナノチューブ,ガス絶縁開閉器,細菌検出,静電配向,電力機器診断,配向コンポジット,ナノコンポジット,誘電泳動インピーダンス計測法,CNTガスセンサー,DEPIM ,DNA検出,NO2検出,SF6

グリーンパワーエレクトロニクス回路

  • 庄山 正仁 教授
  • 野下 裕市 助教
今日の社会では,電気エネルギーを活用することにより,便利で高度な生活を営むことができています。この流れは今後ますます進み,電力の需要もますます高まることが予想されます。一方,地球温暖化や化石燃料枯渇などの環境問題から,省エネルギー化と再生可能エネルギーの利用促進が強く求められています。我々の研究室では,これらの課題について,スイッチング電源の回路とシステムの観点から取組んでいます。スイッチング電源とは,電力用半導体素子を数百kHz~数MHzの高周波数でスイッチングすることにより、エネルギーの流れを制御する,省エネルギー形の電力変換器です。最近は,殆どの電子機器の電源部に,スイッチング電源が用いられています。我々は、スイッチング電源の回路やシステムを進化させ、高効率化・高性能化することによって,省エネルギー化を推進し,環境にも優しい未来社会を創ることに貢献しています。 パワーエレクトロニクス,持続可能社会,カレントモードDC-DCコンバータ,車載用DC/DCコンバータ,双方向DC-DCコンバータ ,モータ駆動用インバータ ,非接触給電,電気自動車,スマートグリッド,ディジタル制御,ソフトスイッチング,EMC,GaNパワーデバイス,SiCパワーデバイス
超伝導工学研究室

超伝導工学

  • 岩熊 成卓 教授
  • 三浦 峻 助教
超伝導体の最大の特長は,電気抵抗ゼロと高電流密度性にあります。その特長により、大電流の無損失送電や電力・電気機器の高効率・軽量・コンパクト化を実現できます。特に、酸化物超伝導体は-196℃の液体窒素温度領域においても超伝導特性を示し、高効率・低コストで信頼性の高い超伝導応用の新しい領域を切り開く可能性を秘めています。当研究室では,超伝導技術の幅広い産業応用を目指して以下のような研究を行っています。 超伝導電気機器・システムの開発研究: 次世代の航空機・船舶用の小型軽量かつ高効率な超伝導モータの開発に取り組んでいます。また、大都市における地下変電所をターゲットとした高効率・高密度送電を可能にする限流機能付き超伝導変圧器を世界で初めて実用化しました。 酸化物高温超伝導線材・導体の電磁特性に関する研究: 超伝導特性の異方性や線材の幾何学的構造などに起因する複雑な課題を克服し、実用に供する線材開発のために、大電流容量導体化も含めた酸化物超伝導線材・導体の特性評価や高性能化などに取り組んでいます。 超伝導技術は、エネルギー、医療、産業、および輸送など幅広いフィールドで活用され、環境を配慮した豊かな社会と科学技術の発展に貢献します。また当研究室では、上記の研究を通して学生の研究遂行能力、および自ら考え課題を解決する能力を伸ばし、将来の研究者・技術者の育成を目指しています。 最先端,コイル,電磁石

先端磁気センシング

  • 笹山 瑛由 准教授
磁気は非接触かつ非破壊で試料内部の信号検出が可能であるという大きな利点を有しています。この利点を利用する事により、従来にない高性能で新しい機能を持つ先端磁気センシング機器を開発することができ、医療・バイオ、分析・評価、環境計測などの広い分野に応用されています。本研究室では、微弱な磁界を検出するための世界最高レベルの高感度磁気センサを開発するとともに、この磁気センサの医療・バイオ工学や非破壊検査への応用を目指しています。具体的には、磁気マーカーを用いた磁気的な免疫検査や磁気イメージング法を開発しています。免疫検査は疾患由来の蛋白質などの検出を行うもので、血液検査などのバイオ検査分野で広く用いられています。また、磁気イメージングは免疫検査の体内診断への展開を目指したものです。非破壊検査では、社会インフラに用いられる種々の構造物内部の欠陥検査を目指しています。 SQUID磁気センサ,超伝導,バイオセンサ,センサSQUID,SQUID磁気センサ,感度SQUIDシステム,磁気イメージングシステム,先端センシング機器,計測手法,非破壊検査装置,感度性,先端バイオ,バイオセンサ,地磁気,伝導

レーザープロセシング

  • 池上 浩 教授
ギガフォトンNext GLP共同研究部門は,九州大学とギガフォトン株式会社との組織対応型連携契約のもと,次世代レーザープロセシングの研究開発を行う目的で設立された共同研究部門です。本部門ではレーザーユニットプロセスの研究を行う要素研究,デバイス動作でレーザープロセスの優位性を実証するデバイス応用,製造装置としての実用化を目指す実用化検討の3つの段階に分けて各テーマを並列推進しています。実用化検討では企業との共同開発,デバイス応用では大学などの研究グループとの共同研究を主として活動しており,各段階のニーズに応じたレーザープロセスの提案と,開発課題を解決し得るレーザープロセスの研究開発が本部門の役割です。また,これら活動から得た知見を元に,社会ニーズに対応した革新的なオリジナルプロセスやレーザー光源の研究開発を行い,シーズ・ニーズ両面から国際競争力の高い新しい産業分野の創造を目指しています。 電子デバイス,半導体,薄膜,表面物性,NextGLP共同研究部門
サイバーフィジカル・コンピューティング研究室

サイバーフィジカル・コンピューティング

  • 井上 弘士 教授
  • 廣川 真男 教授
  • 小野 貴継 准教授
  • 谷本 輝夫 准教授
情報(I: Information)と電気電子(E: Electrical/Electronics)の融合に基づく新しいコンピュータ・システム・アーキテクチャの創成と、圧倒的なコンピューティング・パワーを活用した各種社会問題解決のための応用技術開発を目指しています。実世界で生成された大量データに対し、実世界で活用されるための情報を、サイバー世界で極めて効率良く処理する「サイバー・フィジカル・コンピューティング」のあるべき姿を探求するとともに、実社会での活用を見据えた応用技術を開発することが我々の目標です。 ハードウェアセキュリティ,データセンタ,ウエアハウススケールコンピューティング,ハイパフォーマンスコンピューティング,サイバーフィジカルシステム,光コンピューティング,超伝導コンピューティング
高周波回路&グリーンエレクトロニクス

高周波回路&グリーンエレクトロニクス

  • ポカレル ラメシュ 教授
  • 吉富 邦明 教授
バッテリーなしで動く携帯端末やセンサシステム等の実現はできるのか?いつから?その基盤技術とは……?と言った疑問に応えるために、本研究室では代5世代無線通信システム用低電圧で動作する集積回路・システムととともに無線充電システムの基礎技術であるワイヤレス電力伝送システム、電磁エネルギーハーベスティング技術、ワイヤレス給電等を中心に研究開発を行っている。 CMOS技術,高周波回路設計技術,アナログ回路設計技術,低電圧動作,低電力動作,ミリ波無線通信システム,準ミリ波無線通信,システムオンチップ,ワイヤレス給電システム,バッテリー無動作技術,ワイヤレス電力伝送技術,高速無線通信,第5世代無線通信システム,5G無線通信システム

システム制御・最適化

  • 山本 薫 准教授
  • セメリス アンドレアス 准教授
システム制御 システムとは相互に影響を及ぼしあう要素で構成されるひとつのまとまりのことを言います。その挙動を希望のものに近づけることが制御の目的です。当研究室で特に力を入れているのが、複数の自律移動ロボットで構成されるシステムの制御です。各ロボットが、限られた周辺情報しか得られないときに、いかに全体の挙動を制御するか、というような問題に取り組んでいます。また、機械系の振動制御やディジタル制御による信号処理も研究しています。 最適化 コンピューティング能力の向上と、強力な(マイクロ)プロセッサの開発により、「最適化」に基づくより洗練された制御系設計が可能となりました。事実上あらゆる工学的問題は関数最小化と捉えることができます。例えば、経路計画において「最良」の経路を見つけることは、距離、時間、燃料消費などの要因の寄与であるコスト(関数)を最小化する経路を見つけることに相当します。そのため、収束速度、計算量の少なさ、解ける問題の範囲のバランスが課題となっています。当研究室では、制御や信号処理をはじめとする幅広い分野の工学的応用を目指して、効率的なアルゴリズムの開発を目指しています。 数値計算アルゴリズム
光エレクトロニクス研究室

光エレクトロニクス

  • 浜本 貴一 教授
  • 姜 海松 助教
将来の健康診断装置等への適用を目指し、携帯へ搭載可能な光センシングシステムの研究を行っています。 世界で初めて実証した“アクティブMMI現象”を用い、世界最高速比100-1,000倍以上のTbps(毎秒1テラビット、テラ:10の12乗)級動作を目指した超高速半導体レーザの研究を行っています。 現在の1000倍以上の伝送容量増大を目指し、空間モードを人工的に交換することのできる光モードスイッチ(世界初)を研究しています。 光集積素子,光スイッチ,光デバイス,プラズマプロセス,光バイオセンシング,光通信,光ルータ,光モード多重伝送
ヒューマノフィリックシステム研究室

ヒューマノフィリックシステム

  • 荒川 豊 教授
  • 中村優吾 助教
ヒューマノフィリックシステム研究室は、実世界からのセンシング技術とクラウドでのデータ処理技術、その間を結ぶネットワーク技術という情報領域の多様な技術を組み合わせた、人に寄り添うサイバーフィジカルシステム(CPS: Cyber-Physical Systems)に関する研究を行います。ヒューマノフィリックとは、人(human)と友好(philic)を組み合わせた造語で、「人と親和性の高い」という意味を表します。研究室では、特に、センサ(IoT)と機械学習(AI)を用いた人の行動認識に関する研究を軸としており、その実現のために新しいセンサの開発からアプリケーションの実装まで幅広く実施しています。 人の外面的な状況(動作や行動)のセンシングはもちろんですが、内面的な状況(感情やストレス)を、どんなセンサと、どんなアルゴリズムで認識するのかということが大きな研究課題となります。さらに近年では、行動認識の先にある研究として、情報技術による行動変容の励起と、行動変容を踏まえた社会システムに関する研究に力を入れています。 学習行動分析,環境発電,ストレス推定,ワークエンゲイジメント推定,ユビキタスコンピューティング,パーベイシブコンピューティング,モバイルコンピューティング,Web情報システム,災害時情報システム,通知制御,ソーシャルデータ分析,参加型センシング,車両センシング,センサーネットワーク

都市・建築史

  • 堀 賀貴 教授
  • 木島 孝之 助教
建築学は,未来の建築や都市を構想し地域の歴史・文化の継承とよりよい人間環境の形成を担う学問です。建築は使いやすくて,美しくて,しかも丈夫でなければなりません。建築学は技術的問題に限らず,社会的・文化的問題まで及ぶきわめて広い領域にかかわっているのです。建築にたずさわる者はこれらの多様な要素を総合的にまとめあげてゆく能力を必要とします。そして,総合的な技術・知識の理解が要求されるばかりでなく,芸術的な造形能力も必要です。(九州大学建築学科ホームページより)。 こうした理念のもと,当研究室では建築と都市の歴史を研究しています。歴史には文字に書かれたものだけでなく,遺構や土器などのモノ(ここに建築が含まれます)が語りかける歴史もあります。当研究室では後者を大切にしています。机の上で文献を読むだけでなく,フィールドに飛び出して長い時間を経た建物を実測することによって,過去の都市・建築に関わる「人間の営み」を感じ取ろうとするのです。具体的には,エジプトのアコリス遺跡,イタリアの古代ローマ遺跡の中でも有名なポンペイ,ヘルクラネウム,オスティアで実測作業を続けています。また,国内では萩でも調査を行っています。 建築史

健康建築環境学

  • 尾崎 明仁 教授
  • 有馬 雄祐 助教
  • CHOI YOUNHEE 助教
都市・建築で生じる自然的あるいは人為的な熱・物質・空気の移動現象を理論的に解析し,複合的な都市・建築環境の形成メカニズムを検証しています。また,それらの建築物理解析を基に,快適性・健康性・省エネルギー性・耐久性に優れた「住環境デザイン」,および先進的な設備システムや再生可能エネルギーを利用した「建築機能デザイン」について研究しています。簡単に言えば,住まいやすい建物(例えば,省エネ建築,ゼロエネルギー建築(ZEB),エコロジー建築,自然エネルギー利用建築など)を,数値シミュレーション技術を駆使して科学的に設計しています。 都市・建築は人為的な構築環境の産物です。この人工環境は,人体系と建物系と設備系から成ります。人体系の生理・心理的要求に応じて,建物系の熱・光・空気などの環境要素をパッシブにデザインし,さらに設備系によってアクティブにコントロールすることが必要になります。 本研究室は,人間生活や住まいの目的用途に対応して,建築内外の環境要素と設備機器を一体化し,最小限の機械制御により生活の質と利便性を向上させる空間システム学の構築と,そのガイドラインとなる環境・機能デザインを目指しています。 ZEH,温湿度,換気,気密,吸放湿,結露,建築熱環境,建築熱性能,湿害,遮熱,蒸発,性能評価,太陽熱,断熱,蓄熱,調湿,通風,熱取得,熱負荷,防湿
都市計画学研究室

都市計画学

  • ZHAO SHICHEN 教授
  • 箕浦 永子 助教
都市計画とは,人間生活の場としての都市空間をいかに安全・快適に,そして美しく計画し,その実現をはかる技術です。都市計画研究の中には,都市解析という分野があります。本研究室では,都市解析をベースにしながら,複雑な都市現象を数理的な手法で再現または解読し,都市の「リアリティー」を追求しています。 研究テーマ及び対象は都市分野を幅広くカバーしていますが,理論的な基礎を持った実証研究を行いながら,都市計画学分野に関する基礎知識と技術,課題解決のための実践力だけでなく,政策や価値観を多面的に思考させて国内外の事情に通じ,異文化適応能力を持つ人材の育成を目指しています。 アジア都市,医療施設,画像解析,最適計画手法,中古住宅,鉄道駅,都市再開発,都市風景画
公共空間計画学研究室

公共空間計画学

  • 坂井 猛 教授
サステイナブルでコンパクトな都市をどのようにつくるのか。建築・都市計画,アーバンデザイン,景観計画の分野を基礎に,アジア諸都市の高密度市街地,福岡都市圏のプロジェクト,学術研究都市,糸島半島,大学キャンパス,港湾施設群,街路,広場などの具体的な題材をとりあげています。単位としての建築から群としての都市空間まで,様々なスケールの空間を対象として,計画と空間デザインの手法,評価手法を考えます。研究のキーワードは,交流,景観,エリアマネジメント,まちづくりです 研究室では,計画とデザインの実践と研究を通じて,基礎理論を習熟し,専門知識や技術を習得します。ものづくりに使えるわかりやすさと先進性を追求し,常に新しいテーマにチャレンジする研究や作品を創り出す活動を通じて,高度専門家として社会で活躍するための自信を獲得していただきたいと考えています。 参考文献: 地域と大学の共創まちづくり,学芸出版社,2008 まちおこし・ひとづくり・地域づくり,櫂歌書房,2011 いまからのキャンパスづくり,日本建築学会,2011 東アジア環境学入門,花書院,2015 アジアゲートウェイとしてのFUKUOKA,海鳥社,2016 景観計画の実践,森北出版株式会社,2017 都市と大学デザイン,花書院,2019 公共空間,建物,持続,建設,開発,都市再生

建築照明学

  • 古賀 靖子 准教授
光は人間にとって、なくてはならないものです。人間は視覚を通して、非常に多くの環境情報を得ています。古賀研究室では、建築内外の光環境の設計・評価・制御について、環境の物理的側面、人間の心理的生理的側面から研究を行っています。快適で健康的な建築空間の設計と制御のために、これまで、昼光と日射の長期連続測定による昼光モデルの開発、光源の分光分布と睡眠・覚醒の視覚応答に関する研究などを行ってきました。 また当研究室は、2001年から国際エネルギー機関(IEA)太陽熱利用冷暖房(SHC)プログラムの建築照明に関する研究活動に参加しています。2022年に「低炭素で快適性の高い統合照明」というプロジェクトが始まり、主にヨーロッパの研究者と協力して、デジタル照明技術・パラメトリック自動設計・VR(人工現実感)の利用に取り組んでいます。 人工現実環境を利用する建築空間の設計と評価のために、3次元都市モデルの視覚情報に基づく建物外皮と窓の設計方法の開発に力を入れています。 色,視環境,眺望,画像解析,ウェルビーイング,人間工学,デジタルツイン,建築環境,自動車照明
持続居住計画学研究室

持続居住計画学

  • 志賀 勉 准教授
建築計画学の視点から人間生活と空間の対応関係に注目し,地域の住まい・まちづくりや施設計画等に関する研究に取り組み,よりよい計画のあり方を探究しています。 フィールドでは,密集住宅地や斜面住宅地での住環境整備事業や住民まちづくり活動に継続的に参画し,住民組織や行政部署との協働関係のもとで研究を行っています。 近年は,特に斜面住宅地を対象として,人口減少に伴う住宅地の空洞化と住環境悪化の実態解明と,町内会やまちづくり協議会などの地域主体による住環境の自主管理活動を基礎とするまちづくり手法の構築に重点を置いています。実践面では,住民組織と協働して調査・改善活動を行い,成果を共有することで,まちづくり活動の深化を図ることに力を注いでいます。 まちづくりチーム,住宅チーム,集合住宅,研究チーム,学校研究,ビルディングタイプ,図書館

持続建築エネルギー学

  • 住吉 大輔 教授
建築で消費されるエネルギー消費量は、社会全体の3分の1もあります。エネルギー消費量が大きい建築分野でエネルギー消費量を削減していくことは、脱炭素社会の実現に向けて非常に重要なテーマです。当研究室では、脱炭素社会の実現に向けて、都市エネルギーから人の行動までを対象とした幅広い研究に取り組んでいます。 都市を対象とした研究では、建物エネルギー消費量の将来予測と様々なエネルギー供給機器(太陽光発電、蓄電池、水素燃料電池など)とを組み合せて、脱炭素社会における都市エネルギーの将来像を明らかにすることを目指しています。 人の行動に関する研究では、スマートフォンアプリやIoTツールを用いて、建物の利用者に対してどのように情報提供すれば、人々の行動を省エネルギーなものに導いていけるのか、様々な実験を通して手法を確立することを目指しています。 他にも空調システムシミュレーションを自動で構築する手法の開発や、蓄熱槽などを用いて電力を消費する時間帯をずらすことで電力が不足する時間帯に電力消費を抑制するデマンドレスポンスに関する研究などに取り組んでいます。 当研究室では、建築分野が直面する新たな課題に挑み、これからの都市や建築のあるべき姿を探究していきます。 エネルギー資源,日本,エネルギー供給システム,住宅エネルギーデザイン手法,運用最適化,地球温暖化対策,原子力発電所,建築物,排出量,省エネ行動,大幅削減,重要課題,世界共通,東日本大震災,転換点,CO2,居住者,省CO2,枯渇,取り組み,検討,事故,現状,ライフスタイル
都市設計研究室

都市設計

  • 黒瀨 武史 教授
アーバンデザイン(都市設計)は,人口の急増に対応して量的な充足を目指すなかで,専門分化してしまった建築・土木・ランドスケープの垣根を超え,都市を形作る構築環境(Built Environment)を,人間の目線で問い直すことを基本としています。 都市を形作る「モノ」と「ヒト」の関係をデザインする,良い方向に変化させるために,都市空間を構想し,それを実現するための制度や方法,プロセスを考えます。 都市に積み重なる地形や歴史を丁寧に読み解き,都市の現場で起こっている事象を見つめることを原点として,主体的に研究テーマを探し続ける研究室を目指しています。 まちづくり,都市デザイン,都市計画,都市再生,コミュニティ,公共空間,建築デザイン,都市開発,活性化,地域,地域デザイン,鉄道,交通,地理,駅,土木計画
地域再生デザイン学研究室

地域再生デザイン学

  • 鶴崎 直樹 准教授
単体の建築物,街路やオープンスペース,そしてその集合により構成された地域環境や都市空間は,私たちの生活を取り巻く物的な環境・空間として存在し,その環境・空間の中で私たちは多様に活動し行動しています。 当研究室では,このような環境・空間のデザインと人々の行動・ふるまいに注目しています。そして,都市や地域固有の有形無形の個性・アイデンティティの解明,都市・地域の多様な空間(広場,オープンスペース,街路,地下街など)の特性や利用者行動分析,国内外の都市や地域の再生事例に関する分析等を通じて,都市や地域の再生やこれからの都市デザイン,地域デザインのあり方について研究しています。 また,都市における重要な機能である大学とそのキャンパスを対象とし,大学と都市・地域の連携の実態分析,持続型の大学キャンパスと研究教育施設のあり方,先進的な大学キャンパスデザインアプローチや手法を明らかにし,これからの大学キャンパスの計画とデザイン手法の構築を目指しています。 アーバンデザイン,アクティブ ラーニング,コミュニティ,デザインガイドライン,パブリックスペース,マスタープラン,ユニバーサルデザイン,リ・デザイン,協働,空間解析,地域再生,都市計画,都市再生,都市問題

都市環境リスク学

  • 神野 達夫 教授
  • 重藤 迪子 助教
本来建物は自然の猛威から我々を守るシェルターの役目を持っていますが,地震の揺れ,すなわち地震動によって,ひとたび倒壊すると,人の命を奪う凶器になります。建物を凶器に変えないためには,建物を地震動に対して強く造るということだけでなく,建物にとっての敵である地震動そのものをよく知ることも重要です。特に地震動は地盤によって大きく変化することが知られていますので,地震動を知るには,地盤の把握がカギとなります。 当研究室では,地下構造のモデル化や地震動シミュレーションなどを通して,構造物に大きな影響を与える特徴的な地震動の成因解明など地震動ならびにそれに大きな影響を与える地盤に関する様々な課題の解決や技術の開発に取り組んでいます。 このような研究では,観測事実から知見を見出すことが重要です。地震観測データは,自分で観測するほか,近年飛躍的に充実した公的な地震観測網のデータを最大限に活用します。また,地震記録だけでなく,交通振動や海の波浪といった様々なものを振動源とする地面の微小な振動(微動)も,実際にフィールドにおいて観測し,利用しています。 強震観測,強震動,強震動評価,強震動予測,深部地盤,堆積平野,地震工学,地震動予測式,地震被害,微動アレイ探査,表層地盤,物理探査

建築生産学

  • 蜷川 利彦 教授
  • 南部 恭広 助教
本研究室では,コンクリート充填鋼管構造や鋼・コンクリート構造の力学性状の解明や性能評価について理論的・実証的に研究しています。 また,伝統木造建築物および歴史的煉瓦造建築物の安全性評価や保存・活用にかかわる研究を行っています。 構法,耐震設計

建築デザインエンジニアリング学

  • 末光 弘和 准教授
建築や都市の設計におけるデザインとエンジニアリングの融合手法についての研究。 ①デジタル技術(シミュレーション+プログラミング)による建築・都市デザインの設計手法研究 シミュレーションやプログラミングを使った、新しいデザインの研究。環境・構造など様々な種類のシミュレーションを利用し、ビッグデータと連動させた建築や都市のデザイン。更に、プログラミングと組み合わせることで、形状の最適化や複数のパラメーターの処理、プロトタイプ化など、現代的な課題をデザインによって解決する手法を研究する。 ②デジタル技術xアナログ技術による新しい建築素材・工法などの開発 デジタル技術によるデザインを、地域の伝統的な技術や素材に応用し、新しい建築の素材開発を研究する。例えば、環境シミュレーションの技術によって日射遮蔽を最適化したルーバーの形状を生成し、その3Dデータを元に金属型に起こし瓦を成形する等、古いアナログな技術と新しいデジタル技術を融合していくような研究を行う。
建築材料学研究室

建築材料学

  • 小山 智幸 准教授
建築物は材料でできており,この建築材料の使いこなしによって建物の美しさが保たれ,人を安全かつ快適に守ることができます。本研究室では建築材料学に関する研究を行っています。自然環境との調和を図りながら今後も建築を実現し続けるためには,他の産業で生じた副産物をも有効利用していくことが不可欠で,例えばコンクリートはそのための十分な容量を持っています。また建物は,自然環境の中で種々の劣化環境作用を受けますが,建物を長く使うことは持続型社会実現のためにも重要であり,材料の耐久性に関する研究を種々の環境を対象に行っています。一方,温暖化は着実に進行しており,材料にも作業員にも過酷な建築現場でどうやって品質管理を行っていくかは将来の重要課題であり,これについても現場レベルで研究を進めています。

循環建築構造学

  • 山口 謙太郎 教授
循環建築構造学研究室では「地球環境負荷の低減」に有効なリデュースやリユースに対応できる建築構造の研究に取り組んでいます。 リデュースには建築物の改修による長寿命化や木材の利用による炭素の固定(CO2排出量の削減)を含めて考え,歴史的な建築物の保全や,木質材料を積極的に利用する空間構造の開発も研究対象としています。 現在研究を行っている対象の構造形式は,煉瓦造,木質構造,歴史的な鉄筋コンクリート構造,鉄筋コンクリートと煉瓦の混構造,鋼構造建物への適用を想定した制振構造など,多岐にわたっています。   3R,イコモス,ノンエンジニアド,リサイクル,乾式煉瓦構造Z,筋かい架構,熊本地震,構造用合板,常時微動,耐震改修,壁パネル,有限要素法解析,ブロック塀,木造トラス,摩擦ダンパー,振動台実験,固有周期,減衰定数,地震応答,枠組壁工法

持続型耐震構造学

  • 松尾 真太朗 准教授
 阪神・淡路大震災以降,建物の継続使用・早期復旧などの重要性が再認識され,建築構造の研究対象も多方面へ展開されています.当研究室では,その一つの研究対象として鋼構造およびコンクリート充填鋼管(CFT)構造の接合部を中心に研究を進めています.力学的合理性を追求するのは当然ですが,施工性・経済性・持続性等における優位性も同時に求められます.このような様々な条件を満足できるより優れた接合部の開発,あるいは既存の接合部のより合理的な設計手法の開発を,研究テーマの中心に位置付けています.  一方,近年,様々な高強度材料が開発されていますが,それに伴って部材・接合部には更に高い耐力が要求される傾向にあります.したがって,既存の確立された接合技術(溶接・高力ボルト)による対応策,さらには既存の接合技術にとらわれない新たな技術の開発にも取り組んでいます.  本年度の当研究室メンバーは,博士後期4年生1名,修士2年生1名,修士1年生2名,学部4年生1名の総勢5名であり,日々,構造実験・解析等に取り組んでいます.添付の写真は,近年,当研究室で実施した伊都キャンパスでの構造実験の様子です. 耐震,補修,超高層,鉄筋,防災,減災,構造設計,技能,構造技術,エンジニアリング,補強,鉄骨,地震,自然災害,制振,免震
木質構造学研究室

木質構造学

  • 佐藤 利昭 准教授
本研究室は,建築構造の中でも木材・木質材料を構造部材とする木質構造に関する研究を扱っています。永続的な資源供給が可能な木材は,古くから建築物に利用され,今後の需要拡大も期待されています。一方で,木材が有する不均質性・異方性・非線形性などの複雑な力学的性質から,そのふるまいを正確に予測することは難しく,木造住宅に代表される木質構造の安全性をより確かなものにするには,継続的な研究が必要です。長期に渡る建物の利用期間に,安心できる居住空間を提供できるように,木質構造の長期的な耐震安全性を確保する上で必要な基礎研究から技術開発まで,様々な研究に取り組んでいます。 クリープ,トライボロジー,レオロジー,応力緩和,荷重継続時間,合板,軸組構法,社寺・仏閣,集成材,神社,制振構造,接触工学,耐震構造,伝統構法,木造建築

分子物理化学

  • 岩井 芳夫 准教授
化学プロセス設計に必要となる化工物性や相平衡を,物理化学の手法を用い,分子レベルの情報より解析することを目的に研究しています。相平衡では主として高圧気液平衡および超臨界流体に対する溶質の溶解度の測定と推算を行っています。また,超臨界流体のユニークな特性を生かし,機能性材料(高機能性綿,金属+高分子複合体,色素増感太陽電池用電極膜)の作製の研究を行っています。さらに,分子シミュレーションによりガスハイドレートの安定性や水素ハイドレートの水素拡散性の研究を行っています。そして,高圧電場を印加することにより発生する流体の流れのメカニズム,およびその現象を応用した抽出効率向上の研究を行っています。

反応プロセス工学

  • 岸田 昌浩 教授
  • 山本 剛 准教授
当研究室は,化学工学分野の1研究室として,無機・有機を問わず新規機能性材料の研究開発を行っています。その大きな特徴は,材料のナノスケールの形状や内部構造を制御することによって,新しい機能を発現させる,あるいは機能を向上させるチャレンジを行っている点です。その例として,ナノ粒子やナノワイヤーをナノスケール厚さのシリカ層で被覆することによって,それらナノ材料の機能を飛躍的に向上させることに成功しています。その応用対象は,水素製造用触媒,燃料電池電極触媒,電気・熱の伝導体など多岐にわたっています。

生物化学工学

  • 上平 正道 教授
  • 河邉 佳典 准教授
生物システムは,個々のプロセスおよびそれらの複合したプロセスを進化させることによって巧妙さを生み出してきました(遺伝子から細胞,組織・臓器,個体まで)。生物システムや生命現象の巧妙さを解析するとともに,人工的な再構築を試みることを通して新しいバイオテクノロジーの開発を目指して研究を行っています。具体的には,1) ティッシュエンジニアリング技術開発,2) トランスジェニック動物によるバイオ医薬品生産,3) 幹細胞の培養と分化誘導,4) 遺伝子導入技術の開発,5) 組織細胞の機能発現メカニズムの解析 などに関する研究と教育を行っています。

熱プロセス工学

  • 深井 潤 教授
  • 弘中 秀至 助教
当研究室では,今後,人類が真に豊かで快適な生活を実現し維持していくために,化石燃料を過剰使用することなく必要なエネルギーを確保し,廃棄物等による環境破壊を防ぐこと,すなわち省エネルギーと資源の有効利用を行うことを目的として研究を行っています。熱エネルギーや未利用エネルギーの有効活用機器,物質-エネルギー変換システムなどの開発を通してCO2排出削減に貢献できる技術の開発を目指しています。また,エネルギー大量消費型産業である電子デバイス製造分野に対して省エネルギー・省資源型プロセスの開発を目指しています。

流体プロセス工学

  • 渡邉 隆行 教授
  • 田中 学 助教
高温かつ高活性である熱プラズマを上手に利用することにより,新しい材料を合成することも,有害廃棄物を処理することもできます。このようなプロセシングにおいて,プラズマ中の未知の現象を解明し,新しい手法を開発しています。 (1) 熱プラズマによるナノ粒子製造に関する研究として,酸化物ナノ粒子,窒化物ナノ粒子,ホウ化物ナノ粒子を効率よく生成し,ナノ粒子の粒径を制御する方法や立方晶窒化ホウ素の作製法などを開発してきました。現在は,スマートフォンなどに使われているリチウムイオン電池の電極の材料となる酸化物やシリコンのナノ粒子の合成方法について開発を進めています。 (2) 1万℃の熱プラズマに化学的な特性を加えた廃棄物処理に挑戦しています。特に水プラズマによる廃棄物処理の研究を行っています。 (3)月資源利用技術の開発を目的として,月面における月土壌の水素還元による水製造加熱反応炉およびその製造プロセスの開発を行っています。 月面での活動に必要な水は酸素の製造を目的として,水素還元反応における反応工学的研究を行っています。 プラズマプロセッシング,プラズマ化学,プラズマ計測,モデリング,リサイクル,可視化,月探査,交流アーク,高周波プラズマ,合成ガス,水素製造,直流アーク,有害物質分解

物質移動工学

  • 梶原 稔尚 教授
  • 水本 博 准教授
  • 名嘉山 祥也 准教授
本研究室では,高分子物理・界面の物理・移動現象論・レオロジーに基づいたプラスチック材料成形加工工程中の現象の解明,および計算機のシミュレーションを援用した現象解析・材料評価を目指して研究を行っています。一方で,フォトニクス,エレクトロニクス分野に用いられる新規機能性材料の創製として,インプリント技術を用いたマイクロ流路やセンサーデバイスへの応用を考慮した蛍光・導電性プリンタブル透明材料の開発を行っています。またバイオ分野への研究展開として,再生医療におけるスキャホールド開発を通じてES細胞やiPS細胞等の幹細胞から臓器細胞への分化誘導や分化細胞を用いた治療用のデバイス開発に取り組んでいます。

プロセスシステム工学

  • 井上 元 教授
エネルギー資源の有効利用や環境保全の観点で、既存のエネルギーデバイス・システムの、より一層の高効率化が求められています。その中でも電気化学反応デバイスである蓄電池や燃料電池において、内部の電気化学反応とイオン・電子・反応種の輸送現象を把握し、その性能を左右する律速要因を推定し、内部現象をモデル化することが求められています。特に電気化学反応は材料や構造、作製プロセスに強く依存します。そこで、本研究室では微小複雑構造の把握、mmからnmのスケールにわたっての、多相、多成分、電気化学反応、熱流体輸送連成解析、そしてデータ科学や機械学習による相関評価を行っています。さらに最適設計に向けた理論構築、新システムの実証や評価を行っています。 研究対象:リチウムイオン電池、全固体電池、リチウム硫黄電池、レドックスフロー電池、リチウム空気電池、固体高分子形燃料電池、水電解システム、電解合成システム、CO2回収システム、各種電極構造作製プロセス、電解分離システム DX,次世代電池,シミュレーション,デジタル,AI,人工知能,モデリング,反応工学,流体力学,電気自動車,EV,自動化,画像解析,ML,深層学習
生物機能材料工学研究室

生体材料・医用工学

  • 井嶋 博之 教授
  • 堺 裕輔 准教授
  • 池上 康寛 助教
機能性生体材料ならびにそれを用いた実用的バイオプロセス構築に関する研究を行っています。具体的には増殖因子固定化基材,酵素反応により形成されるヒドロゲル,細胞接着性配列を有する培養基材,生理活性有用生体分子固定化基材といった機能性生体材料の開発を行っています。さらに,それら機能性生体材料を利用して臓器工学や肝組織工学等の実用的再生医工学技術,細胞チップ,環境評価技術などの研究開発を行っています。

生物機能材料工学

  • 三浦 佳子 教授
  • 長尾 匡憲 助教
  • 松本 光 助教
三浦研究室では,生体内の分子認識メカニズムを模倣した機能性材料の開発を行っています。高度な生体分子認識能を有する糖鎖高分子やデンドリマー,プラスチック抗体と呼ばれる人工分子をデザインし,生体分子の分離・除去材料やバイオセンサー,医薬品への応用を目指しています。材料開発を通じて生体をより深く理解すると同時に,産業界と共同研究を行って研究成果の社会還元を推進しています。 化学工学,リアクター,固定化触媒,光反応,機能材料,触媒

応用無機化学

  • 林 克郎 教授
  • 赤松 寛文 准教授
固体化学を軸に、様々な合成技術を駆使して、環境・エネルギー・エレクトロニクス分野に貢献する、セラミックス機能性材料と、それらを組み合わせて得られる機能素子を創出することを目指しています。セラミックスは、一般にありふれた原料から作られる環境調和性の高い材料であり、化学的安定性と多彩な機能性の特徴を兼ね備えている事から、それらを両立させた応用を目指しています。また、この様な材料を構成する元素は周期表全体に渡り、多様な組成や結晶構造を持つ材料候補から優れた物質を、高度解析や情報科学を駆使して探索、設計、および理解を進めます。これらの知見を、次世代の蓄電池やキャパシターや機能素子開発に繋げる事を目指しています。 ナトリウム,コンデンサー,電子材料,炭素材料,コンピューター,放射光,計算機,電子工学,材料工学,化学工学,リチウム,電気自動車,元素戦略,機械学習,酸化物,硫化物,水素,応用物理,固体物理,固体イオニクス

有機機能分子化学

  • 清水 宗治 准教授
有機材料は軽量で柔軟であり,加工しやすいことから,近年,太陽電池,記録媒体,ディスプレイなど多岐にわたる市場での需要が高まりつつあります。その製品技術の発展と革新に欠かせないのは“新しい”機能性有機化合物であり,新物質の創製を支えているのは「有機合成化学」です。当研究室では,自然が生み出した機能性物質であるポルフィリンの構造に倣った次世代の機能性π電子材料を創出(合成)することを主となる目標として研究を行っています。ポルフィリンの基本骨格に「混乱」という人工的な変異を与えることで,自然界にはない機能を生み出し,既に生命分子として完成度の高いポルフィリン分子に分子の潜在的な機能を引き出すことができます。この設計戦略を基盤として,フタロシアニンやBODIPY等の要素構造を組み込んだ新規類縁体の創製やそれら分子群を基体とした高効率/高機能性な分子触媒・光学材料・光線力学治療分子の創製を目指しています。 N-混乱,オリゴピロール,テトラチアフルバレン,安定ラジカル,異性体,一重項酸素,近赤外,金属錯体,酸化還元活性,非線形光学特性,密度汎関数理論,π共役

機能材料化学

  • 田中 敬二 教授
  • 盛満 裕真 助教
近年の高機能材料創製や高度集積化デバイスの構築において,材料の微小化や薄膜化に関する要請が急速に高まっています。材料が小さくなると,試料全体積に対する表面や界面の割合が著しく大きくなります。表面や界面ではその内部(バルク)の状態と比較してエネルギー状態が異なるため,その構造と物性はバルクと異なります。したがって,表面や界面の構造と物性を正確に理解し制御できれば,有機高分子材料の機能性を飛躍的に高めることが可能となります。私たちは,高分子材料において「観たい時空間スケールの構造・物性を選択的に取得する方法を開発」し,得られた知見を物理化学的に考察することで,「構造材料からデバイス創製まで」を達成すべく研究を行っています。 フィルム,ソフトマテリアル,プラスチック,ゴム,複合材料,ゲル,重合,一本鎖,熱硬化性樹脂,イメージング,分光測定,量子ビーム,分子動力学シミュレーション

応用分析化学

  • 加地 範匡 教授
  • 財津 慎一 准教授
現在、日本人の2人に1人ががんに罹患し、3人に1人ががんで亡くなっていると言われています。高齢化社会の進展に伴い、がん患者の増加が予想され、がんの早期発見・早期治療が強く望まれています。また、がんだけでなく、結核などの再興感染症や薬剤耐性菌などの細菌感染症も顕在化しており、早期発見法の開発が望まれている。このような背景から、高感度(がん細胞が少ない)、高精度(偽陽性がない)、精神的・肉体的負担(採血や生検)が少ない低侵襲・非侵襲の分析法を研究・開発・提供することが、分析化学の今後の方向性である。このような社会問題を解決するために、当研究室では、半導体分野の微細加工技術で作製したマイクロ・ナノ空間を、生体関連物質や細胞の計測・診断のための「空間」として利用し、新しい生体分析技術を創出する研究開発を進めています。最終的には、このようなラボオンチップ(μTAS)と呼ばれる分析技術をさらに発展させ、チップ上に生命(生体現象)を人工的に再現するライフオンチップの実現を目指しています。 バイオ分析,マイクロ流体デバイス,人工細胞,人工細胞外小胞,腸内細菌

化学環境工学

  • 中野 幸二 准教授
環境,ナノそしてバイオをキーワードに,新しい分析化学研究に取り組んでいます。例えば,表面プラズモン現象を利用した医療診断バイオセンサ,フローシステムや磁性体ナノ粒子を利用した高スループット環境分析法などです。最近では,環境負荷を低減するためのダウンサイジング分析,1原子や1分子のレベルでの超高感度検出,そして生体内その場計測の実現などが求められています。私たちは,マイクロ流体デバイスや各種チップ分析,走査プローブ顕微鏡を用いた1分子イメージング,そして低分子伝達物質に対する蛍光プローブの研究を通じて,これら課題の克服と高性能分析法の実現にチャレンジしています。
分子情報システム研究室

分子情報システム

  • 藤ヶ谷 剛彦 教授
  • 白木 智丈 准教授
  • 加藤 幸一郎 准教授
  • 田中 直樹 助教
低炭素社会や超高齢化社会といったこれからの社会において我が国が直面する課題を化学の力で解決に貢献することを目標に研究を行っています。特に,カーボンナノチューブ,フラーレン,グラフェンなどのナノカーボンと有機分子・高分子とを複合した材料を素材とし,基礎から応用までの研究に取り組んでいます。こういった次世代ナノ材料の解析に必要な最新の分析機器や新解析手法による構造解析を駆使して,エネルギー材料やバイオ材料への実用化をターゲットに日々研究を続けています。現在,近赤外発光材料,燃料電池,熱電変換材料,高強度材料,ナノ医療材料などの実用化を目指しています。 ナノテクノロジー,水素社会,超分子化学,有機・無機ハイブリット

生体化学工学

  • 後藤 雅宏 教授
  • 神谷 典穂 教授
  • 若林 里衣 准教授
生物機能を具体的に産業応用に結びつけるために,1) 創薬工学,2) 界面工学,3) 生体触媒工学,4) 生体分子工学に関する教育と研究を展開しています。主に創薬工学と界面工学を後藤教授のグループが,生体触媒工学と生体分子工学を神谷教授のグループが担当しています。バイオエンジニアリングという共通のキーワードのもと,分子の視点に立った基礎研究から,産学・学学連携研究を通した社会実装まで,幅広い領域をカバーする研究を展開しています。 iPS cell,アプタマー,タンパク質,ドラッグデリバリーシステム,ナノテク,バイオテクノロジー,バイオマテリアル,ハイドロゲル,ペプチド,レアメタル,化粧品,核酸,昆虫バイオリファイナリー,細胞培養,蚕,増殖因子

人工酵素化学

  • 星野 友 教授
  • 嶌越 恒 教授
  • 小野 利和 准教授
  • 永井 薫子 助教
私たちは、酵素や抗体のように高い機能を持った触媒や材料を、設計・合成し、持続可能な社会を実現することを目指しています。特にプラスチック抗体・CO2変換触媒・環境浄化触媒・光・エネルギー機能性材料の開発を推進しています。 人工抗体,精密高分子,ビタミン B12,分子認識,円偏光発光,化学センサー,分離膜,水電解

グリーンケミストリー

  • 小江 誠司 教授
  • 松本 崇弘 准教授
  • 谷田部 剛史 助教
21世紀の最重要課題であるエネルギー・資源・環境問題を解決するためには,生命の機能原理を抽出・応用し,生命機能を凌駕するバイオミメティクスを創成することが必要不可欠です。本研究室では,選択性に優れかつ環境負荷の少ないバイオインスパイアード触媒の開発を命題とした「水中グリーンケミストリー」の研究を行っています。

分子システム化学

  • 君塚 信夫 教授
  • 森川 全章 助教
  • 佐々木 陽一 助教
“分子システム化学”は分子の自己組織化を利用して,そのナノ集積構造を制御し,個々の分子を超える“分子システム”としての機能を発現させるための学問であり,次世代科学の基盤をなすものとして期待されています。私たちの研究室では,有機分子,生命分子,金属錯体,金属酸化物などの多彩な分子やナノマテリアルを対象に,それらの自己組織化現象に基づく分子システム化学の開拓を目指しています。

機能物質工学

  • 石原 達己 教授
  • Song Jung Tae 助教
エネルギー製造技術や環境浄化技術の開発は,社会全体を永続的に発展させるためには不可欠な課題となっています。本研究室では,これらの技術に大きく関連している無機材料や次世代のシステムの開発を行なっています。具体的には,燃料電池,空気電池,ハイブリットキャパシタ,人工光合成を模倣した水の完全分解触媒,自動車排ガス分解触媒,新型太陽電池,機能性無機ナノシートなどの開発を行なっています。
CARP法

機能組織化学

  • 片山 佳樹 教授
  • 岸村 顕広 准教授
  • 森 健 准教授
“Chemistry for Medicine”をモットーにして,化学の力で治療や診断に応用できる技術を開発しています。たとえば,薬を効率的に患部に運ぶ仕組み,免疫を自在に操作する方法,細胞診断を精密に行う技術などです。 ドラッグデリバリーシステム,腸内細菌

有機光エレクトロニクス

  • 安達 千波矢 教授
  • 中野谷 一 准教授
  • 合志 憲一 助教
  • 千歳 洋平 助教
30年前には誰しもが予想できなかった革新的な技術、“0.1ミクロンの有機化合物の薄膜に電流を流して発光させる”。それも、100%の内部量子効率で電流を光に変換することが、巧みな分子設計とデバイス設計で可能となったのです!本研究室では世界を先導して、このような有機EL(OLED)の科学技術を開拓してきました。さらに、有機半導体レーザー等の次世代デバイスや、有機・無機ハイブリッド材料など、次世代を切り拓く革新的な光エレクトロニクスの研究開発を進めています。研究室では5つの基礎科学技術(量子化学計算/有機合成化学/デバイス構造設計/プロセス制御/光・電子デバイス物性解析)を基礎に、「励起子(エキシトン)工学の学理の確立」という基礎研究の側面と、「高性能・高付加価値を実現する有機光エレクトロニクス材料・デバイスの創出」という応用研究の側面を高度に融合した研究の推進を目指しています。エレクトロニクスは産業の根幹技術です。是非、一緒に未来の科学技術を開拓していきましょう! 有機エレクトロニクス,光デバイス,有機光エレクトロニクス研究,デバイス技術,バイオエレクトロニクスデバイス,有機ナノ構造,次世代有機デバイス創製,有機トランジスタ,有機ELディスプレイ,分子化学,有機太陽電池,分子配向制御,分子エキシトン工学,失活過程,エネルギーレベル,未来社会,商品化,環境調和,機能材料,分野,照明,注目,手法,構築

材料電気化学

  • 中野 博昭 教授
  • 谷ノ内 勇樹 准教授
  • 大上 悟 助教
電気化学と化学熱力学に立脚し、素材プロセッシングにおける反応現象の徹底的な理解と、それに基づいた新しい元素分離・素材製造技術の開発に取り組んでいます。具体的には、液中直接観察法も利用しながら、機能性薄膜の電析や、水素電析反応、亜鉛や銅など非鉄基幹金属の電解製錬に関する基礎研究を行っています。特に亜鉛電析の研究については世界をリードしてきました。近年では、持続可能な未来社会の実現に不可欠なレアメタル(貴金属、錫、チタン、マグネシウムなど)の次世代型製錬・リサイクル技術の創出に向けて、水溶液プロセスと高温プロセス、両者の基礎研究も活発に行っています。 めっき,陰極,耐食性,電気分解,電極,電極電位,電流密度,腐食,陽極

融体物理化学

  • 中島 邦彦 教授
  • 齊藤 敬高 准教授
  • 墨田 岳大 助教
金属,ガラス,半導体などの無機基盤材料の大半は,素材を製品に精製・加工する過程で高温の溶融状態を経由して製造されています。そのため材料の原点である高温融体(金属,酸化物融体)の扱いが製品の品質や製造コストに直結します。当研究室では,高温融体物性の観点からこれらの基盤材料の製造プロセスを科学し,高い機能性を持つ材料を低エネルギーで創りだすことを目指しています。また,これらの高温プロセス設計の指針を与える溶融金属や酸化物の物理化学的性質(粘度,密度,表面張力,濡れ性など)を高精度に測定し,世界に基礎データを発信しています。特に,日本国内で年間1億トンを超える生産量を誇り,かつ製造業のGDPの約15%を占める金属素材産業では,製精錬プロセスにおいて副生する高温で溶融した酸化物融体は均一な液相ではなく,CaOなどの未溶解精錬剤や晶出した酸化物固体が分散した複雑な流体を形成しています。また,「核のゴミ」とも呼ばれる高レベル放射性廃棄物のガラス溶融固化プロセスにおいても,未溶解の放射性廃棄物やガラスに溶解しきれず相分離した固体の存在は,最終処分場における核のゴミの安全な保管を著しく妨げるものであることが容易に想像できます。近年では,これらの高温多相融体の流動特性評価や交流電場を用いた可視化にもチャレンジしています。 セラミックス材料,鉄鋼,非鉄

結晶塑性学

  • 田中 將己 教授
  • 山﨑 重人 准教授
  • 森川 龍哉 助教
自動車や航空機、建築物など、私たちの身の回りにあるモノはすべて材料でできています。材料は使っているうちに劣化し、いずれは壊れます(疲労破壊)。それは言い換えれば、材料に力や熱などがかかることによって、わずかな変形が起こり、それがしだいに大きくなって破壊に至る、ということです。 このような「変形-破壊」が起こるとき、材料の内部で何が起こっているのか。 この動きを科学的に明らかにすることが私たちの研究テーマです。破壊のメカニズムを明らかにすることは、「安全な」「壊れにくい」材料を開発するために役立つ、重要な指針になります。 我々は、主に金属材料を色々な条件で変形・破壊させ、その時に得られる情報から材料内部で起きている現象を理解しようと試みています。例えば、極低温の液体窒素温度(-196℃)から高温の1200℃までの様々な温度で力学試験を行っています。また、収束イオンビーム法とよばれる微細加工を施すことが出来る装置を使い、髪の毛よりも細い「片持ちはり」を作製し、それを変形させることで材料の微小な塑性変形挙動の解析も行っています。 EBSD,き裂,圧延,引張,延性,延性−脆性遷移,強さ,原子,硬度,降伏,靭性,組織,双晶,低温脆性,鉄鋼,転位,微細マーカー法,粒界

半導体工学

  • 宗藤 伸治 教授
  • 加藤 喜峰 准教授
  • 有田 誠 助教
  • 松川 祐子 助教
  • 佐伯 龍聖 助教
人類は,核燃料や石油を地中から掘り起こし,電力に変換し,豊かな生活を送っています.この生活を捨てない限り、いずれ資源は枯渇することになるでしょう.さらに、自動車は生活に不可欠なものになっていますが、エンジンは約70%ものエネルギーを熱として捨てています. 本研究室では,熱を電力として回収することのできる“熱電発電” 技術に注目しています.様々な熱電発電材料の合成から各種性能評価実験までを一貫して行っています.また、計算機シミュレーションも活用しつつ、高性能熱電材料の開発を目指しています.

材料複合工学

  • 宮原 広郁 教授
  • 森下 浩平 准教授
融液成長は液相から固相への相変態ですが,その過程においては複雑な形状をとるものや,合金元素の濃度が場所によって変化するなど,制御すべき因子が無数に存在します.本講座では金属,半導体,セラミックスなどの種々の構造材料及び機能材料について,目的を達成しうる「組織」へと制御するプロセスについて研究しています.例えば太陽電池に用いられるシリコン結晶は,融液内で一方向に成長させて作製します.結晶品位はエネルギー変換効率に影響しますので,高い性能を持つ多結晶シリコンを目指して組織制御を行います.自動車などの輸送機器の一部の部品では軽量なアルミニウム合金やマグネシウム合金を溶解・凝固して製造します.溶融合金の湯流れでは不純物や気泡を巻き込む恐れがあるため,分散する不純物の除去を目的とした,湯流れと凝固組織の制御について研究しています.さらに,製鉄所で製造される鋼板や鋳型内で凝固する鋳鉄等の大きなものから,金属3Dプリンターで繰り返される小さなものまで,組織の形状及び分布が製品の性質を大きく左右します.高性能の材料の実現を目指して,結晶成長・凝固・鋳造の原理解明とその制御方法について研究しています. 金属積層造形,レーザー,その場観察,SPring-8,融体,高温,エンジン,タービン,Society5.0,Additive Manufacturing,新材料,新素材,粉末,ジェット,3D プリンタ

ナノ材料組織解析学

  • 金子 賢治 教授
私たちの未来の社会をより豊かにするより良い性質を持つ新しい素材を開発することを目的として研究を行っています。橋や建造物,車のボディなど様々な用途に使える丈夫な金属,近未来の情報社会を支える微小発電素子などを開発するべく,研究を行っています。 その目的を達成する戦略として,私たちは素材があらゆる性質(硬い/やわらかい・電気を流す/流さない・電気を溜める/溜めないなど)を示す仕組みを明らかにして,新素材の設計指針につなげる研究を行っています。そのために,私たちは最先端の電子顕微鏡技術や材料解析技術を使って,先端材料の構造をナノおよび原子のスケールで平面(2次元)的に、あるいは立体(3次元)的に、くまなく解析しています。 ナノ材料,微構造解析

構造材料工学

  • 土山 聡宏 教授
  • 増村 拓朗 准教授
建築物や鉄道、船舶や自動車など、私たちの身の回りにある構造物の形状や機能を維持し,使用している人の安全を守るのが構造材料の役割です。その役割を果たすため,構造材料には優れた力学特性が不可欠ですが、用途によって要求される特性は様々に異なります。例えば,衝突時の安全確保と美しいデザインが要求される自動車のボディーには高い強度と優れた延性を有する材料が必要ですし,船や建物を支える鉄骨には大きな衝撃や地震にも耐える靱性が欠かせません。航空機やロケットのように空を飛ぶ構造物では軽くて丈夫な性質が求められますし,医療用器具に使用される材料には強さと同時に生体との親和性が求められます。構造材料のこのような性質はその金属組織と密接に関係しており,その金属組織を制御することで必要とされる性能を引き出すことが可能です。私達の研究室では,ミクロおよびナノスケールで構造材料の組織制御・評価を行うことで,強度と延性を兼ね備えた鋼板,極低温でも破壊しない強靱鋼、軽くて強いチタン合金、耐酸化性と耐食性に優れた高強度ステンレス鋼,人体にやさしい医療用材料など、未来の技術を支える新しい構造材料の創製を目指しています。 鉄鋼,ナノテクノロジー,マテリアル,メタル,水素脆化,低温靭性,新素材,電子顕微鏡,SEM,TEM,X線回折,中性子線回折,生体材料,バイオマテリアル,日本刀,焼き入れ,熱処理,炭素,窒素

反応制御学

  • 大野 光一郎 教授
  • 昆 竜矢 助教
私たちの研究室では社会で広く使われ役立っている材料である鉄の創生にかかわる工学を主な研究対象とし、製鉄プロセスの効率化・最適化を図るとともに、地球全体の環境や資源やエネルギー問題など種々の課題に対する幅広い視野と知識に基づく洞察を行なっています。SDGsを意識したカーボンニュートラル社会構築に貢献するためには,この製鉄プロセスの低炭素化・ゼロカーボン化は欠くことができません.製鉄プロセスから二酸化炭素が排出される主な要因は,鉄鉱石中に含まれる酸化鉄を還元するための還元材に石炭由来のコークスを使用している点にあります.当研究室では化石燃料である石炭をグリーンエネルギーである水素で置き換える技術や、化石燃料を全く使用しない新しい製鉄プロセスの開発に取り組んでいます。また、資源セキュリティーの観点から、これまで使用できなかった劣質な鉱石からでも、高品質な鉄を安定に製造するための、利用可能資源拡大技術の開発も重要な課題の一つと位置付けています。これらの課題解決に取り組むため、反応速度論、移動現象論、熱力学を基礎学問とし、高温実験技術と数値シミュレーション技術をツールとして研究・教育を行っています。 脱炭素,持続的発展,金属,鉱物,可視化,冶金,離散要素法,数値流体解析,浸炭,軟化,溶融,焼結,造粒,粒子法,高温直接観察,X線CT,乾式冶金

エネルギー材料工学

  • 山崎 仁丈 教授
  • 兵頭 潤次 特任助教
無機材料の革新的機能を探究することで,エネルギー生成効率や利用効率を飛躍的に高めることを目指しています。理想的なエネルギー技術実現の鍵となる無機材料(エネルギー材料)の点欠陥挙動およびそれを介した固体表面での化学反応を徹底的に研究することにより,持続可能な社会の構築に貢献したいと考えています。他の追随を許さない独創的研究を行うため,当研究室ではバルク・薄膜試料の作製から物性・反応計測まで一貫して行うと共に,第一原理計算や機械学習,電気化学計測,質量分析,熱重量分析,オペランドX線吸収分光法(XAS),低エネルギーイオン散乱法(LEIS),その場X線回折法,走査透過電子顕微鏡(STEM)および高温その場マジック角回転核磁気共鳴(NMR)など最先端手法を組み合わせています。 セラミックス,プロトン,科学,光触媒,材料工学,酸化物,持続可能エネルギー,持続可能社会,自動車,触媒,水素,二酸化炭素,燃料,燃料電池

地盤工学

  • 安福 規之 教授
  • 石藏 良平 准教授
  • Adel Alowaisy 助教
地盤工学研究室では,ヒトと地盤との関係を探求し,人々と地球の共生を考えるためのひとつの学問である地盤工学に関する研究を行っている。構造物の「基礎」を作るための力学や工学とともに,地盤防災(地震・豪雨・洪水等)や地盤環境(産業副産物の有効利用等)に関する課題に取り組んでいる。 プロジェクト研究として,モンゴル科学アカデミーとの共同調査による自立支援型砂漠化防止技術,気候変動に伴う九州・沖縄の地盤災害とその適応策,および多様な地域資源を活用した持続可能な地盤環境改善技術に関する研究などを行っている。 サクション,スラグ,液状化,河川堤防,地盤改良,土砂災害,軟弱地盤,補強土

構造解析学

  • 園田 佳巨 教授
  • 浅井 光輝 准教授
安全・安心な社会基盤の構築のため,構造工学,材料力学をベースとした数値解析を基軸とし,耐衝撃性能評価,既設構造物の劣化度診断技術の開発に関する研究を行っています。耐衝撃性能評価に関する研究では,損傷モデル,衝撃問題に適した数値解法,流体衝撃力評価法といった基礎的な研究成果を,具体的にロックシェッド,新幹線脱線防止構造,防潮構造などの実設計への応用を目指しています。また,既設構造物の劣化度診断技術の開発に関する研究では,現場での様々なニーズに対応すべく,新たな打音・熱赤外線のハイブリット診断の確立を目指しています。

地震工学

  • 松田 泰治 教授
  • 梶田 幸秀 准教授
世界有数の地震国である日本において安全・安心な社会を実現するためには,大地震時に交通網やライフラインなどの社会基盤がその機能を維持できることが重要です。本研究室では社会基盤施設の地震時の安全性を向上させることを目的に,耐震工法,免震工法,制震工法などに関わる解析・実験を通して,それらの工法の妥当性や適用性を評価し,実用化するための研究に取り組んでいます。また,近年では地震被害に対して耐震補強をはじめとするハード対策のみならず,被害の状況をあらかじめ予測してハザードマップとして提示することにより住民の防災意識を高めて早期避難に繋げるなど被害を軽減するためのソフト面の研究も重要視されています。本研究室はこれらハード面の研究とソフト面の研究を両輪として社会基盤施設を利用する人々の生命・財産を守り,安全・安心な社会の実現に向けて貢献できる人材を輩出することを目指しています。 液状化,減災,大震災,地震工学,地盤沈下,道路橋

建設設計工学

  • 貝沼 重信 教授
  • 佐川 康貴 准教授
当研究室では、様々なスケールの鋼製構造物の経年劣化に対する維持管理や高耐久性設計に関して、ラボ試験からフィールド試験に至るまで幅広い視点で研究活動を展開しており、化学、電気化学、材料科学、空間統計学、力学などの複数の学術領域を横断する新しい研究に挑戦しています。この研究では鋼構造物の劣化機構を基礎研究により現象から解明した上で、その現象の発生や致命的損傷を予知する手法を提案しています。また、この研究成果に基づき、損傷予知センサ、経年劣化シミュレーション、モニタリング、損傷蘇生、高耐久性化などの新技術開発に取り組んでいます。また、開発した技術を実構造物に適用する実装研究にも取り組んでいます。研究テーマの多くは、様々な産業分野の研究機関や民間企業などとの共同研究で実施しており、その成果により、化学、電気化学、材料科学などを専門とする社会人の学位取得者も輩出しています。研究室の学生の多くは、学術的や技術的に難度の高い研究に、異分野の共同研究機関と連携しながら継続的に挑戦することで、将来、優秀な技術者や研究者に成長するための総合力を身につけています。 構造系,構造系グループ,歴史的土木構造物,既設構造物,景観系,社会基盤構造物,構造材料開発,景観系グループ,中長期的課題,短期的課題,樋口准教授,貝沼准教授,研究グループ,中心,研究面,日野教授,山口助教,高尾特任,安全性,社会環境,保存活用,教,まちづくり,市民参加,調和,橋梁

建設材料システム工学

  • 濵田 秀則 教授
  • 玉井 宏樹 准教授
  • 福永 隆之 助教
建設材料システム工学研究室では,私たちの生活・経済活動を支えるインフラを構成する材料の一つであるコンクリートを主な研究対象としています。安全で耐久性に富み,自然環境と調和したコンクリート構造物を建設するため,材料の耐久性の評価やリサイクル方法について研究しています。また,これまでに建設された既存の構造物を長寿命化させるため,構造物の健全度を診断する技術,補修効果の定量化手法などに関する研究テーマについて取り組んでいます。
福岡県の土砂災害発生割合分布

防災地盤工学

  • 陳 光斉 教授
  • 笠間 清伸 教授
  • 古川 全太郎 助教
日本やアジア諸国は自然災害が発生しやすい地域に位置し,毎年多くの人命・財産が被害を受けています。特に最近では想定外の自然災害が頻発しており,地域社会に経済的・精神的な損害を与えています。本研究室は,地震・豪雨などによる地盤の大変形 (土砂崩れ・斜面崩壊) 等の解析・予測技術の開発,地盤災害発生地の現地調査及び模型実験による自然災害発生メカニズムの解明,予測及び対策手法を研究し,自然災害による被害の低減と防止に努め,災害に強い,安全・安心の社会の構築を目指しています。 ハザードマップ,リサイクル材,液状化,気候変動,地下水,地盤改良,地盤工学,津波,土木工学,粘土,防波堤
環境流体力学

環境流体力学

  • 矢野 真一郎 教授
  • 丸谷 靖幸 助教
海域(沿岸域〜海岸〜干潟),河川域(流域,上流河口域),湖沼,などの自然水域における水環境問題について,流体力学的アプローチから解決策を探る目的で研究を行っています。また,生物学,生態(工)学,分析化学,などの幅広い分野との学際的研究を進めています。最近は,地球温暖化後の災害外力の増大や自然生態系の変化への適応策について研究を進め,防災と環境保全を両立できる技術体系の構築と持続可能で生物多様性に配慮した社会システムの提案を目指しています。これらの研究は,現地での調査やコンピュターを用いた数値シミュレーション,模型を用いた実験などを駆使して行っています。 ダム,ドローン,環境水理学,気候変動,豪雨災害,水銀,水理学,潮汐,土木工学,八代海,有明海,流木,諫早湾

都市環境工学

  • 久場 隆広 教授
  • 藤林 恵 助教
水環境は,水質・水量・生物・底質・水辺・景観など多様な要素から構成されており,それら水環境の全体が保全される必要がある。そのためには,水環境や水循環を俯瞰した統合的流域水管理の手法を構築しなければならない。また,水環境を保全し,水循環を再生するためには,下水処理場と云った地域水施設の果たす役割が重要になってくる。さらに,水環境を直接的に浄化することも必要になる場合がある。都市環境工学研究室では,環境浄化・生態系保全・総合水管理・廃水処理といった各種の技術・システムを用いて水環境を総合的に保全することに取り組んでいる。 竹林,放射性物質,福島第一原発,非点源汚染,点源汚染,活性汚泥,高度処理,八郎湖,太湖,食物連鎖,植物プランクトン,動物プランクトン,マルタニシ,ワカサギ,水生植物,安定同位体比

流域システム工学

  • 林 博徳 准教授
流域システム工学研究室では,水を媒介とした自然と人の営みが融合したシステムについて研究,教育活動を展開し,水に関するさまざまな自然と社会の仕組みを整える手法・技術について,社会に働きかけることを目的としています。 流域システムに関する学術分野は人文科学,自然科学,工学,農学など広範囲にわたります。本研究室のベースは工学ですが,これらの境界領域融合型の新分野の開拓・確立を目指しています。そのため,研究や活動は,応用生態工学,土砂水理学の研究から合意形成や景観,水害の研究まで幅広く実施しています。したがって多くの他分野の研究者との共同研究や交流,市民活動との連携など外に開かれた研究室となっています。 小水力,グリーンインフラ,Eco-DRR,河川環境,豪雨,災害,多自然川づくり

資源循環・廃棄物工学

  • 島岡 隆行 教授
  • 中山 裕文 准教授
  • 小宮 哲平 助教
持続可能な社会・循環型社会の実現に学術面から貢献することを目指し,廃棄物の循環資源化および環境安全性、経済性の高い廃棄物処理処分技術の開発に関する研究を行っています。実社会に適用できる研究成果を追求し,産官学の連携による研究を基本としています。また,巨大地震や豪雨などの大規模自然災害が多発している現状を踏まえ,被災地の早期復旧・復興のために,大量に発生する災害廃棄物を迅速かつ円滑に処理する災害廃棄物処理システムの開発に関する研究を行っています。さらに,近年のアジア圏における経済発展とそれに伴う深刻な環境破壊は,我が国の環境にも看過できない影響を与えつつあります。そこで,アジア圏特有の環境・状況を踏まえた廃棄物の適正処理および循環資源化技術の開発に関する研究を海外の政府、大学と国際的に協力しながら行っています。 資源循環,持続型社会,リサイクル,適正処理技術,焼却処理,焼却残渣,最終処分,海面埋立処分,一般廃棄物,産業廃棄物,漂着ごみ,海洋廃棄物,地球温暖化,温室効果ガス,アジア地域,発展途上国

水圏環境工学

  • 広城 吉成 准教授
  • 西山 浩司 助教
健全な水循環系の視点から,私たちの生活や環境に必要不可欠な研究を実施している。急激な都市化が進展すれば,地域の微気象,表流水および地下水の水循環系メカニズムが影響を受け,周辺水域での水環境や生態系も影響を受ける。自然に恵まれた地域の水循環や水環境を,どのようにして人為的な影響から保全するかは,水利用の視点のみならず地域一帯の重要な課題である。これらの課題に対して,地下水環境分野(地下水涵養・流動モデル,地下水汚染・地下水水質,地下水と海水との相互作用)の解明に取り組んでいる。 一方,近年の深刻な豪雨災害から命を守るための気象工学的な研究(主に2つのテーマ)を実施している。一つは,今後予想される豪雨の特徴がイメージできることを目的に,豪雨発生を診断し,過去の豪雨災害の実績を取り出すAI手法を開発している。もう一つは,古い資料(地域資料,古文書など)の解読,聞き取り調査を通して,過去にどのような豪雨災害があったのかを再現し,地域の防災教育や年代を超えた防災学習に活用できるコンテンツ(地域の災害史編纂)を構築する取り組みを行っている。 水防災,水資源,異常気象,人工降雨,気候変動,地球規模,確保

生態工学

  • 清野 聡子 准教授
工学部で生態系の研究??と思われるかもしれません。土木工学は,英語ではcivil engineering(市民の工学)と言います。社会が要請する世界をつくる学問で今までは開発が中心でした。現在は,自然破壊や資源枯渇をさせない自然と共生する持続的な社会が求められています。豊かで安全で安心な「人間の生息地」を開発の時代にできた技術は,実は,自然環境や生態系を守るためにも役立つことがわかってきました。そこで私のような生物系の教育を受けた教員もいるのです。生態系保全では,逆説的なようですが生物そのものの研究よりも,人間社会をどうするかが最大の解決の道です。 現場主義をモットーに,フィールドワークを中心に,海岸・河川・沿岸の生態工学を行っています。研究テーマは,干潟や砂浜の生物の生物多様性・生息地の保全や再生,流域の水資源管理と地域社会,環境計画やアセスメントの法制度,漁村の地域計画など,海や川の環境に関する多様な分野が対象です。共同研究は,大学や研究機関の研究者だけでなく,地域住民,NPO,NGO,民間技術者など多様な研究パートナーと新しい工学を目指しています。自然環境や生態系と人間が共生していく社会づくりを目指しています。 ダム管理,沿岸域,海岸環境,海洋保護区,環境アセスメント,環境保全,希少生物,国際ネットワーク,山村,市民参加,持続可能性,自然再生,水産資源,土砂
景観研究室

景観

  • 樋口 明彦 准教授
今日,社会基盤整備を取り巻く環境は,これまでのような「開発」か「環境」か,という対立的な構図から,「自然や地域の風土を大切にしながら必要な社会基盤の整備を進めていく」という協調的な構図に180 度切り替えることが求められています。しかし,こうした大きな変化が始まっているにもかかわらず,具体的にどのような理念・技術・方法論をもちいれば美しい日本の風景を保全・再生していくことができるかについては,未だ十分な蓄積がなされてはいないのがわが国の現状です。 私たちの研究室では,こうした社会の大きな過渡期にあって,どうすれば巨大な土木構造物を自然のなかにうまく溶け込ませることができるか,地域の風土にしっくりと馴染む橋の姿とはどのようにすれば描き出せるのか,市民の思いを社会基盤整備のなかでどう活かしていけばよいのか,美しい山並みや田園の風景を過剰な開発から守るにはどのようなルールを設ける必要があるのかなど,様々な視点から,わが国の美しい風景をいかに残し・修復し・創造していくかについて,学生諸君とともに日々研究をおこなっています。

都市・交通工学

  • 馬奈木 俊介 教授
  • 大枝 良直 准教授
  • キーリー アレクサンダー 竜太 准教授
  • 兪 善彬 助教
社会の問題である高齢化,人口減少,エネルギーの枯渇,環境汚染,健康・福祉,教育,災害, 交通システムのあり方など都市が直面する多岐に渡る複雑な問題に対して都市工学・交通工学・経済学など多面的かつ学際的なアプローチ方法から理論的,実証的な研究を行います。また,現実的かつ効果的な政策提言を行います。 応用経済学,環境経済学,都市計画

地圏環境システム工学

  • 三谷 泰浩 教授
  • 谷口 寿俊 准教授
  • 本田 博之 助教
■ 望ましい「地圏環境」創出のための新しい体系の確立を目指す。 地圏とは,ひとの生活の場である地表(地面)から地下までの空間のことです。 我々はこの地表の上に生活し,これまで様々な地圏を開発・利用してきました。そういった中で,多くの環境問題を引き起こしてきています。環境問題とは環境の変化が人に影響を与えた時にはじめて発生します。一般的に考えられる環境問題は,比較的時間をかけて進行するものであり,短時間で発生する環境問題は災害として認識されています。この地圏の環境,いわゆる地圏環境を取り扱うためには,地圏を構成する土や岩などの特徴・性質などを工学的に評価する技術,地表で行われる開発によって我々の生活にどのような影響を及ぼしているか,評価する技術などが必要となります。 また,環境問題は,学際的な領域を跨いで総合的に考えることが重要で,これを解決し,具体的な対応策を示すには,個別の技術だけがあっても解決することはできず,様々な技術を統合し,総合的な見地から問題をとらえ,解決の糸口をつかんでいくことが重要となります。地圏を取り巻く環境には,まだ,未解決の課題が山積みしています。これまでにも地盤沈下,枯水(かれみず)などの地下水系の変化,土壌汚染,土砂災害など,人に著しい被害や影響を与えた事例が多数あります。地圏環境問題は,兆候の感知が難しく,長期間の後に現れ,復元が困難なケースが多いのが特徴です。加えて,豪雨や地震などのような自然現象が直接的な原因となって現れることが多いため,問題の根源となるべき部分が見逃されることが多々あります。したがって地圏環境を開発・利用する行為に対して先見性をもって,計画,建設,維持管理,廃棄の各段階で周到,適切な監視や対策を行うことが肝要となります。 そこで,本研究室では,望ましい地圏環境創出のための新しい体系の確立を目指しており,地圏の開発・利用のあり方,さらには,これらが自然環境,社会環境に及ぼす影響を総合的に評価して,環境と調和した開発、建設技術のあり方について研究を行っています。これには,これまで当研究室で培われた地盤・岩盤工学の技術,さらには,最新の情報技術である地理情報システム(GIS)を積極的に活用した研究を行っています。 そのため,研究の対象となる領域は幅広く,地盤工学,地質学,水工学,河川工学,計画学,農学,生態学,経済学,情報学などの知識・技術も取り込んだ研究を官民と協力しながら取り組んでいます。具体的な研究の領域としては「地圏環境」,「地下開発」,「災害の予測・防災」,「維持管理」,「国土保全」を大きな柱として研究を行っています。 CO2地中貯留,i-Construction,グリーンインフラ,トンネル,リスクマネージメント,衛星画像,空間情報,斜面安定,地域防災,地理空間情報,道路維持管理,防災システム
国土政策・防災学研究室

国土政策・防災

  • 塚原 健一 教授
人口減少,気候変動による災害外力の増大,公共部門財政の逼迫など,日本は経験したことのない領域に入っています。巨大地震や気候変動に伴う巨大な気象災害など,防災施設だけでは対応できない災害への対応が必要です。都市や地域の住まい方,土地利用管理,地域コミュニティのあり方など,社会のシステムを含めた防災の研究を進めていきます。 これまでの100年間は人口と都市域が拡大していく「成長」の時代でした。現在の地域・都市計画の学問はその時代に形づくられたものです。その100年間が終わり我々は人口減少,都市域の縮小という「縮小」の時代に入りました。新たな時代の都市・地域,社会資本管理のあり方を,都市や地域の住まい方,土地利用管理など,新たな時代の地域の持続性について研究を進めていきます。 アジア地域はめざましい発展と都市化の時代を迎え,急激な都市化と経済成長は,過密都市や都市公害といった問題を生じさせます。日本がこれまで取り組んできた都市問題への解決策はアジアの急成長する大都市にも適用できます。都市管理や社会資本整備の国際協力を通じて日本の経験と知識をアジアの都市問題解決に役立てていきます。 安全な国土づくり,社会資本マネジメント,都市・地域計画

沿岸海洋工学

  • 山城 賢 教授
  • 井手 喜彦 助教
沿岸域は海陸が接しているため,居住・港湾流通・レクリエーション・漁業生活などいろいろな人間活動が営まれ,生態活動も豊かです。同時に,高潮・津波・海岸侵食などの自然災害の脅威にもさらされ,人命財産の防護が至上の課題になります。 沿岸海洋工学研究室では,海洋から沿岸域におよんで来る波などの自然力の作用原理を十分に究明し,人間の利用と便益のために活用する基礎技術を研究しています。 また,最近では海の波の発生要因である風や,地球温暖化が沿岸域に及ぼす影響などの研究を行うために,気象についての研究も行っています。 沿岸災害,海岸堤防,海面上昇,護岸,高波,砂浜,台風,防波堤,離岸流
国土政策・防災学研究室

システム計画学

  • 木村 元 教授
本研究室は,海洋システム工学分野において提案される様々な計画案のフィージビリティ・スタディに基づいて,システム計画学の方法論を確立することを目指している。そのアプローチとして,システム理論と最適化をベースとし,人工知能の技術・情報技術(IT)・ロボット技術を用いた船舶海洋分野における計画・作業支援システムの構築を行っている。船舶は受注生産であるため,自動車のように大量生産を行う製造工程が存在しないため組立工程のロボット化が難しい問題がある。そこで私たちは最新のITやロボット技術による作業支援や自動化を模索している。設計作業については3D-CADの導入が進み,作業効率が大幅に向上したものの,作業自体はベテラン技術者の技能や経験に大きく依存している。私たちはそれら設計問題を最適化問題として定式化を行い,ベテラン技術者による設計作業を最適化理論の立場から理解した上で,最適化手法や人工知能を組み合わせた設計支援や設計作業の自動化に取り組んでいる。さらに,今後我が国が排他的経済水域に眠る海底鉱物資源を利用していく時代に備え,海底で作業を行うのに適したロボットシステムの検討を行っている。 3D CAD,AI,IT,スケジューリング,パイプ,ビッグデータ,強化学習,自動設計,組合せ最適化,配管設計

船舶海洋流体工学

  • 安東 潤 教授
  • 金丸 崇 准教授
  • 吉武 朗 助教
今後出現するであろう先端船,超高速船および超大型浮体構造物などの流体力学的見地からの最適形状の決定や流体力学的な性能の予測や評価法の確立のためには,一般的な流体力学とともに対象に応じて専門化された流体力学を用いた解析を行う必要があります。例えば,船舶の場合には抵抗や推進力を推定するための船舶流体力学が必要であり,推進器に発生するキャビテーションを取り扱うためには多層流工学も必要です。加えて,計算機の発達により,流体現象を数値的に解析する数値流体力学(CFD)が広く用いられます。本研究室では,様々な流体力学に基づき,パーソナルコンピュータを用いた理論計算や高速回流水槽における模型試験の両面から,船舶や海洋構造物まわりの流れの研究を行っています。 SQCM,ダクトプロペラ,パネル法,プレスワールフィン,ボート,遺伝的アルゴリズム,実数値遺伝的アルゴリズム,省エネ,省エネ付加物,多目的最適化,舵,二重反転プロペラ,変動圧力
船舶海洋運動制御工学

船舶海洋運動制御工学

  • 古川 芳孝 教授
  • 茨木 洋 助教
船舶の運動特性は船型によって大きく異なり,同一船舶であっても航行する海域の水深や水路幅,あるいは貨物の積載状態によってその運動性能は大きく変化します。また,海上を航行する船舶は風や波,潮流等の外乱の影響を受けるため,それらの影響を正確に評価することも重要です。船舶海洋運動制御工学研究室では,流体力学を基礎とする理論および船舶海洋運動性能試験水槽における実験に基づいて,船舶や海洋機器の流体力学的特性と運動性能の推定法の確立,運動制御システムや自律航行システムの開発,さらに海上輸送・物流システムの安全性評価法の確立を目指しています。 自律航行船舶,操縦運動,操縦性能
大規模全船構造解析モデル

構造システム工学

  • 栁原 大輔 教授
  • 藤 公博 助教
船舶や海洋構造物は,静的荷重のほかに,波や貨物からの動的荷重や,エンジンや推進システムからの振動外力を受ける。船舶や海洋構造物の安全性を保証するためには,様々な荷重の下での静的および動的な挙動が解明されなければならない。構造システム工学研究室では,船舶や海洋構造物に対する構造強度や衝突安全性,流体構造連成問題,複合材料を使用した軽量構造等,総合的な研究を実施するとともに,これらの問題解決のための数値計算や実験の手法の開発に取り組んでいる。 構造用,波動的

生産システム工学

  • 後藤 浩二 教授
  • 松田 和貴 准教授
船舶・海洋構造物,鋼製橋梁や建築鉄骨構造,ガス導管等,建設機械,自動車等の大型構造物や輸送機器を主な対象として, 1)溶接・接合技術を中心とした建造・生産技術, 2)連続体力学に基づく材料強度学の立場からの疲労・破壊現象の解明及び欠陥評価法, に関する教育・研究を担当しています。 破壊管理設計,次世代型破壊管理制御設計,大型溶接構造物,手法,構築,不安定破壊発生,材料強度学的立場,設計,発生,研究テーマ,計画時点,生産システム,社会インフラ,限界状態,建造工程,一連,DesignbyAnalysis,プロセス,FractureControlDesignbyAnalysis,裂,FractureControlDesign,伝播,解析
船舶設計・海洋環境情報学研究室

船舶設計・海洋環境情報学

  • 山口 悟 准教授
船舶の設計においては,航行する海域の環境を把握し,これに基づき適切な設計を実施することが不可欠です。一方で,潮流,波浪,海上風といった海洋環境は現在でも十分に調査されているとは言えず,今後の計測・利用技術の発展が望まれています。 当研究室では,海中ビークルを利用した海洋計測技術の開発を行なっています。得られた情報は船舶設計の基本情報となるとともに,近年注目を集めている海底資源探査や海洋環境の調査にも応用が可能です。また,実海域における船体運動の解析理論に基づき,小型高速艇から海底油田・洋上風力エネルギー開発用の作業船まで,幅広い船を対象として,その性能解析法を研究しています。 海中ロボット,ジャッキアップ船
ラットコンベア上の歩行実験と歩行中の足底圧分布の変化

機能システム工学

  • 篠田 岳思 教授
  • 田中 太氏 准教授
本研究室では船舶・海洋機器の利用形態に合致した機能システムの設計および海洋システムが保持するべき機能の最適設計と評価に関する教育・研究を担当しています。研究テーマのキーワードとして,大きく海上安全,海洋環境保全,艤装設計,海上物流,生産技術を柱に据えています。 コンテナターミナル,ヒューマンファクター,リスクアセスメント,作業効率,省エネ技術,評価意思決定,労働安全,濾過処理技術
浮体式洋上風力発電施設

海洋エネルギー資源工学

  • 宇都宮 智昭 教授
  • 久松 稜弥 助教
資源小国のわが国ですが,わが国周辺海域には,様々な海洋エネルギー資源が賦存しています。特に,洋上風力エネルギーのポテンシャルは膨大であり,また,メタンハイドレートなどの新たなエネルギー資源の開発も緒についたばかりです。エネルギー資源の大半を海外に頼るわが国にとって,これら海洋エネルギー資源の開発を進めることは,わが国のエネルギー自給率の向上に資するだけでなく,世界の海洋開発マーケットへの参入を果たす上でも,極めて重要な意義を持っています。そこで本研究室では,以下,2つのテーマに取り組むこととします。

応用地質学

  • 今井 亮 教授
  • 米津 幸太郎 准教授
当研究室では,日本国内の菱刈金鉱山はもとより,東南アジアやアフリカを中心に世界をフィールドに研究を行っています。鉱物・石油資源探査,地質現象に伴う自然災害の防止を目指し,鉱脈及び母岩の高精度年代測定や顕微鏡観察,超微量元素定量等を通して,地球資源データモデルの構築,島孤の熱水系における金属鉱床生成機構の解明,島孤火山のマグマシステムに関する研究と地質災害軽減への応用に関する研究を行っています。また,放射光を用いたX線吸収分光法や極微量元素の定量を通して,熱水中の貴金属・レアメタルの挙動解明に関する地球化学的研究とそれに学ぶ環境低負荷型レアメタルリサイクル方法の構築に関する研究を行っています。

物理探査学

  • 水永 秀樹 准教授
  • 田中 俊昭 助教
  • 池田 達紀 助教
医療の分野では、超音波や X 線を使って体の内部を可視化し、患部を発見することができます。同様に、人間の目に替わるセンサを使って、地下構造を可視化する技術が"物理探査"です。この技術は、石油、天然ガス、地熱や鉱物などの資源がどこに存在しているか調べるために利用されています。また、近年の目覚ましい物理探査技術の進歩により、地下構造を可視化するだけでなく、地下の動きを捉えることもできるようになってきました。物理探査学研究室では、地下資源の探査や地下環境の把握などのため、見えない地下を可視化し、モニタリングする様々な物理探査技術に関する研究を行なっています。さらに地球だけではなく、月や火星などの地球外惑星での資源探査に向けた物理探査システムの開発や、機械学習を応用した物理探査技術の開発を進めています。 エネルギー資源,鉱物資源,メタンハイドレート,データサイエンス,CO2地中貯留,海底熱水鉱床,地滑り,遺跡探査,宇宙,地震,火山,地震探査,電磁探査,電気探査,地中レーダー,表面波探査,微動探査,ビッグデータ

地球熱システム学

  • 藤光 康宏 教授
  • 西島 潤 准教授
  • 松本 光央 助教
環境に優しい純国産の自然エネルギーである「地熱エネルギー」は,地下深部の高温の火山熱エネルギーから地下浅部の常温の地中熱エネルギーまで,いろいろな形態があります。私達は,このように幅広い形態をとる「地熱エネルギー」を,「熱源」・「流体」・「地下構造」からなる「地球熱システム」であると捉え,環境に適応した再生可能な地熱エネルギーの開発利用を目指して,基礎から応用まで幅広い研究・教育を行っています。これらの成果は,自然エネルギーの利用促進,環境問題の解決に寄与するだけでなく,火山や地震の活動の監視など防災分野にも活かされています。卒業生は主に資源・エネルギー分野,建設・土木分野で活躍しています。

資源開発工学

  • 菅井 裕一 教授
  • Ronald Nguele 助教
  • 江﨑丈裕 助教
資源開発工学研究室では、地下炭化水素資源を安全にかつ経済的に生産するための最適な生産システムと、二酸化炭素の分離・回収・地中貯留の研究に取り組んでいます。 従来の技術では地下から回収できずに取り残されてしまう原油を、CO2、ケミカル、ナノ粒子/バブルならびに微生物などを用いて、低コストで環境に負荷をかけずに増進回収する技術を研究しています。また、資源として期待されながら商業生産には至っていないメタンハイドレート、コールベッドメタンならびにシェールオイル/ガスなどの生産技術も研究しています。さらに、取り残し原油を地下で燃焼させて水と反応させることにより地下で水素を生成し、地上に生産する地下原位置水素製造プロセスの確立を目指した研究にも取り組んでいます。これらの資源生産技術のみならず、地球環境を考慮し、化石燃料を利用した際に発生するCO2の分離・回収技術の研究や、それを地下に貯留する技術、さらには地下に貯留したCO2を地下に生息するメタン菌などを活性化させ、バイオメタネーションにより再びメタンとして資源化する技術についても研究しています。 石油,天然ガス,地中貯蓄,CCS,ナノバブル

岩盤・開発機械システム工学

  • 島田 英樹 教授
  • 笹岡 孝司 准教授
  • 濵中 晃弘 助教
岩盤・開発機械システム工学研究室では,これまで石炭鉱山,石灰石鉱山等における岩盤工学の諸問題を対象とした実用的な研究に取り組んできましたが,これまでの研究を基礎として海外への展開をはじめ,都市ライフラインの開発やそれに伴う環境問題などにも研究対象を拡げていています。現在は,主に環境負荷低減型マイニングシステムに関する研究,海外露天掘り鉱山のリハビリテーションに関する研究,地球環境を考慮した石炭灰の高度利用に関する研究,ライフラインの環境適応型埋設工法の開発に関する研究,高レベル放射性廃棄物の地層処分やLPG,LNGの地下貯蔵の長期的な利用に必要な精密設計や健全性の評価に関する研究,CO2の地層および深海底隔離処分に関する研究などを行っています。

資源処理・環境修復工学

  • 笹木 圭子 教授
  • 沖部 奈緒子 教授
  • 三木 一 准教授
限りある鉱物・エネルギー・水資源の有効な活用や再生を目指す技術、一方で鉱物・エネルギー・水資源の利用に起因する廃棄物の活用や環境汚染に対する修復技術、さらには付加価値の創出について、基礎・応用研究から、産業界との協同により実用化研究までを行っています。たとえば、低品位鉱石や都市鉱山からの有価金属の分離精製、石炭飛灰や高炉スラグなどの環境浄化材料へのアップグレード、有害元素による水質汚染浄化などの問題に対し、粉体工学、ナノジオサイエンス、フォトケミストリー、バイオテクノロジーを複合してアプローチしています。有限な資源・エネルギーと環境制約のもとで、持続可能な循環型社会の形成に貢献する総合工学を目指し,その鍵となる資源リサイクル技術と環境保全技術に関する新しいアイディアを考案していきます。 製錬,バイオハイドロメタラジー,地下水,鉱物処理,浮遊選別,電気化学,微生物,バイオリーチング,ナノテクノロジー,レメディエーション

エネルギー資源工学

  • 山田 泰広 教授
  • Saeid Jalilinasrabady 准教授
  • 喜岡 新 助教
エネルギー資源工学研究室は、深海底や宇宙などのフロンティア域を含むエネルギー資源の探査と持続可能な開発・生産に限らず、ドローンやVRなどの新しい技術も応用した幅広いエネルギー資源工学の学問分野を担当しています。 現在は、掘削情報科学を駆使した地球内部マントルの資源ポテンシャル評価、天然水素、メタンハイドレート開発に関連する課題解決、地熱貯留層の評価と発電所の最適化、発電と直接利用を含む地熱利用、ハイブリッド地熱システム、地熱資源のライフサイクル評価(LCA)、持続可能性、グリーンナノテクノロジーを用いた生産障害抑制方法の開発、月や火星における資源開発に関連する氷や土壌粒子・露出岩盤強度などの研究のほか、エネルギートランジション期における産業・地域社会の連携による「地の恵み」の再評価に関する活動を行っています。 本研究室では、室内実験、現場試験、野外観測、データ解析、数値シミュレーション、VRなどを駆使して、より良い環境と地域の幸せを意識したエネルギー資源の探査と開発を目指しています。 地熱工学,地中熱利用,地熱発電,地熱流体,深部地熱資源,地中熱利用技術,貯留層工学的手法,在来型資源,天然ガス資源,最適化計算法,数値解析,フィールドデータ,フィールド試験,生産手法,数値モデル,恒温性,在来,ヒートアイランド現象,開発計画,部地盤,省エネルギー,普及,石油,高温,国内外,種々

応用原子核物理・電磁解析

  • 池田 伸夫 教授
  • 魚住 裕介 准教授
  • 有馬 秀彦 助教
  • 米村 祐次郎 助教
加速器からの高エネルギー粒子ビームは,粒子線がん治療や医療用RI製造,放射性廃棄物核変換処理,ミュオン触媒核融合など幅広い応用が期待されています。当研究室では加速器開発,原子核反応研究,放射線検出器開発などにより,上記の技術の実現および高度化を目指しています。 加速器開発研究 シンクロトロンとサイクロトロンの両者の長所を兼ね備えた固定磁場強集束(FFAG)加速器の研究と要素開発を進めています。FFAG加速器を大強度中性子源・ミュオン源として利用するための研究開発を行っています。 原子核反応研究 粒子線がん治療や放射性廃棄物核変換処理に伴う相対論的エネルギー領域原子核反応を包括的に記述する原子核反応モデルの開発を進めています。また原子核反応モデル研究に必要となる原子核反応データを取得するため,放射線検出器を開発して放射線医学総合研究所やJ-PARCなどの大型加速器施設で実験を行っています。 パイオン,円形加速器,加速器科学,中間子,電子,陽子

量子線物理計測

  • 渡辺 賢一 教授
  • 伊豫本 直子 准教授
  • 執行 信寛 助教
原子核工学,素粒子・宇宙物理学,物質科学,生物学,医学,環境科学,考古学などの様々な分野で量子線 (エネルギーを持った中性子,光子,電子,陽子など) が利用されている。本研究室では量子線の高度な利用を目的として,放射線がん治療の高度化や加速器駆動未臨界システムの実用化に必要なMeVからGeV領域の原子核反応に関する研究,これまで見過ごされてきた弱い相互作用を実生活へ応用するための基礎研究,放射光施設や人工衛星に搭載する超高分解能X線検出器のための極低温物理学を応用した最先端計測技術の開発研究,脳腫瘍治療を普及を目指して加速器ビームを利用した大強度パルス中性子場生成に関する研究を行っている。

原子力エネルギーシステム

  • 守田 幸路 教授
  • 劉 維 准教授
  • 松元 達也 助教
原子力は小さな原子核から莫大なエネルギーを生み出す量子物理工学の代表的な応用例です。供給安定性や経済性に優れ、発電時にCO2を排出しない地球温暖化対策に貢献するエネルギー源です。当研究グループでは、福島第一原子力発電所のような原子炉の炉心が大きく損傷する過酷事故(シビアアクシデント)を起こさない安全な原子力の研究を進めています。事故時の核反応と発生するエネルギーの輸送を制御し、過酷事故を起こさない、万が一起きたとしても放射性物質を放出しない次世代の原子力システムを提案します。 過酷事故時の原子炉の振る舞いやその影響を把握しておくことは、原子炉が有する安全の余裕度を評価するとともに、事故の発生を防止し、事故が起こった場合にその影響を緩和する新しい技術を導入する上で重要となります。当研究グループでは、原子炉システムの安全性向上や評価に関連して、伝熱・流動・相変化などが複合した熱流動現象の実験的解明と数値シミュレーション技術、過酷事故の安全評価手法の開発、受動的な安全炉システムの開発を行っています。 損傷炉心,解析的研究,実験的研究,炉心損傷事故,複合現象,相流,事象進展,拡大,成分,挙動,最新
原子炉物理及び核融合理工学

原子炉物理・核融合理工学

  • 藤本 望 教授
  • 松浦 秀明 准教授
炉心で起る現象からシステムの特性まで ー ミクロとマクロを繋ぐ原子炉物理の精神と知識を活用して,次世代原子炉と先進原子力としての核融合に関する研究を行っています。主なテーマとして,高温ガス炉や新型炉の核特性評価手法やプラント特性に関する研究,核融合炉の核燃焼特性や中性子工学,高温ガス炉を用いたトリチウム生産に関する研究に取り組んでいます。 モンテカルロ計算,拡散理論,核融合炉ブランケット,照射炉,被覆燃料粒子

量子線物性工学

  • 松村 晶 教授
  • 村上 恭和 教授
  • 安田 和弘 准教授
  • 麻生 亮太郎 准教授
  • 吉岡 聰 助教
合金やセラミック化合物などの固体に放射線が照射されると,局所的に高い密度の工ネルギーが付与されて,格子欠陥が形成されます。本研究グループでは,照射誘起格子欠陥の形成過程・安定性,ならびに相転移(株序ー無秩序相転移)などの微細構造変化を原子レベルで理解するための基礎的研究を九州大学超高圧電子顕微鏡室の超高圧電子顕微鏡を始めとする電子顕微鏡を駆使した電子回折・電子顕微鏡観察・分析実験および,統計熱力学的な理論との両面から行っています。これらの研究は,放射線照射に対して優れた耐性を有する原子炉・核融合炉材料の開発に関する基礎的な知見を与えるものとなります。

エネルギー創生材料学

  • 稲垣 八穂広 准教授
  • 有馬 立身 助教
先進的な核燃料サイクルを実現するために,原子炉内で核燃料や構造体に使用されるセラミックス・金属材料,および深地層処分環境中で放射性廃棄物の閉じ込めに使用されるガラス固化体,緩衝材(粘土鉱物)をはじめとする様々な材料の開発・性能評価について物理化学的観点および工学的見地からの研究を行っている。特に,材料の表面・内部で起こる微視的挙動を先端的実験手法および計算科学的手法を用いて明らかにすることを目的としている。

物性物理学

  • 田中 悟 教授
  • 河江 達也 准教授
  • ビシコフスキー アントン 助教
固体や液体など多数の原子や電子で構成された系(凝縮系)の平均粒子間距離は,数オングストローム程度と非常に小さい。このような凝縮系を低温に冷却するとド・ブロイ波長が平均的な粒子間隔に比べ長くなるため顕著な量子現象が見られる。我々の研究室では強相関物質,量子スピン磁性体,原子サイズ細線などに注目し,これらを数十ミリケルビンの低温まで冷却し,そこで観測される量子現象について研究している。

応用物理学

  • 石田 謙司 教授
  • 岡部 弘高 准教授
  • 日高 芳樹 助教
本研究室では、「ナノスケール膜厚の有機薄膜構造制御と機能発現」を主軸としながら、量子化学計算に基づく機能性有機分子の探索、ナノ構造制御と薄膜化の両立、新原理に基づく光・電子機能の創出に関する研究に取り組んでいます。特に、分子がもつ電気双極子モーメント(ダイポール)の自在制御と機能(センサ・創エネなど)、界面分極場が隣接材料へ及ぼす影響などを体系化し「分子ダイポール工学」なる学術基盤を構築することを目指しています。更に、循環型社会の構築にむけた実践的技術開発から基礎原理の探求にわたる幅広い研究にも取り組んでおり、高分子ゲルを用いた資源回収や液晶電気対流を用いた環境ミメティック、複雑系科学に関する研究を行っています。 これら新たな概念、新材料の導入によって既存技術の限界を打破し、次世代の分子スケール科学に向けた研究に挑んでいます。 強誘電性,焦電性,圧電性
機能無機材料工学研究室

機能無機材料工学

  • 永長 久寛 教授
  • 北條 元 准教授
環境共生型社会の構築を目指し、触媒化学の研究に取り組んでいます。元素固有の性質を生かし、その集合体としての無機固体材料の構造・機能を設計し、その基礎的な学理を追究するとともに触媒材料として化学変換・環境技術への応用研究を行っています。具体的には、貴金属ナノ粒子や複合金属酸化物、規則性多孔質材料について、最先端の透過型電子顕微鏡、放射光を利用した原子レベルでの構造解析を行い、その構造と触媒特性の相関性、機能発現メカニズムの解明、さらには構造・物性の制御方法の確立を目指しています。エピタキシャル薄膜を用いたモデル表面からのアプローチも取り入れています。また、従来型の熱を駆動力とした化学反応プロセスに加え、プラズマ・マイクロ波を活用した新規な物質・エネルギー変換技術についても開発しており、炭素資源の利用、再生可能資源であるバイオマス利用技術、CO2の再資源化技術から異分野融合による次世代型空気浄化技術まで、物質科学を基盤としたエネルギー・環境技術研究に従事しています。 環境・エネルギー,電子エネルギー損失分光,形態制御,機能性酸化物,材料科学・物質科学,ナノテクノロジー,低温プラズマ
分子計測学研究室

分子計測学

  • 原田 明 教授
  • 薮下 彰啓 准教授
  • 石岡 寿雄 助教
最先端の研究データを取得するためには、新しい分析法の開発が必要不可欠です。本研究室では、分子の構造・反応・機能を研究するための新しい計測法を創案・開発し、様々な分野における興味深い諸課題の解明に応用することを目的としています。特に、レーザー光・シンクロトロン光を活用した分子の新しい分光学的計測法を開拓し、基礎的な分析化学や物理化学のみならず環境や宇宙での諸現象まで広く応用展開しています。 計測法開発,レーザー分光,シンクロトロン分光,蛍光分光,光熱変換,分離・分光分析,環境化学,電気化学,大気化学,宇宙化学,単一分子計測,界面分子科学,光化学反応,アミノ酸,多環芳香族炭化水素,分子認識,電極,糖,氷,不均一反応
構造材料物性学研究室

構造材料物性学

  • 中島 英治 教授
  • 光原 昌寿 准教授
本研究室では、「金属材料」の「高温強度・高温変形」を中心とした研究を行っています。金属の高温での強度や変形は、航空機や自動車のエンジン、火力発電のタービン・ボイラなどのエネルギー関連高温機器において極めて重要となる特性です。これらの機器は、今後数十年にわたって世界の産業の中核をなすものであり、現在、日本は高温金属材料の研究・開発で欧米をもリードする立場にあります。しかし、それを支える金属の高温強度・変形に関する基礎物理は未解明な部分も多い研究分野でもあります。 我々の研究室では、実用化を目指した新規高温金属材料の開発から、最も基礎的な高温変形メカニズムの解明まで、幅広い研究を行っています。 電子顕微鏡,微細組織,二酸化炭素,低炭素化,高強度化,鉄鋼,超硬合金,ナノテクノロジー,冶金,材料開発

表面物質学

  • 中川 剛志 准教授
デバイスの微細化が進み固体表面の制御が重要となっていますが、物質の表面は内部と異なった構造・物性を示すことが多いです。本研究室では、固体表面の構造を原子レベルで解き明かし、電子状態や磁性などの物性評価へと展開することを目標としています。このため、低速電子回折(LEED)、走査トンネル顕微鏡(STM)、電界イオン顕微鏡(FIM)などの原子レベルの表面構造解析に適した装置を用いて研究を行っています。 電界放出電子,表面二次元物質,光電子,磁気円二色性,磁性超薄膜

エネルギー化学工学

  • 片山 一成 准教授
  • 大宅 諒 助教
本研究室では,化学工学的アプローチにより,未来を支えるエネルギーシステムの開発に取り組んでいます. 『長期的資源確保』『安定供給』『社会的受容性』などの視点から,核融合炉は将来を担う重要なエネルギー源と考えます.燃料である水素同位体を効率的に製造・回収するための最適なシステムの開発や,核融合炉の安全性に関する研究を行っています.具体的には,水素同位体プラズマと中性子の同時照射場,超臨界炭酸ガス雰囲気,流動リチウムや溶融塩など特殊な環境下での物質移動現象の解明とそのモデル化に挑んでいます.国際協力のもと核融合実験炉ITERが建設中であり,今後多くの研究者を必要とする研究分野です. 水素は,環境負荷が小さく,クリーンな二次エネルギーとして注目されています.触媒や電解セルを用いた高効率水素製造法やプラズマを利用した新しい水素製造法の研究を行っています. 原子炉や加速器、宇宙空間などエネルギー粒子が飛び交う様々な環境において、移動性の高い放射性物質であるトリチウムが発生します。先進技術の安全性向上のため,発生源から周辺環境・植物へのトリチウム移行挙動の解明に取り組んでいます. プラント,プラント設計,プラントエンジニア,ケミカルエンジニア,核融合発電,原子力発電,高温ガス炉,電力,放射線,プラズマ分解,シミュレーション,太陽,地上の星,粘土鉱物,メタン,二酸化炭素,地球温暖化,トリチウム水,次世代エネルギー
先進宇宙ロケット工学研究室

先進宇宙ロケット工学

  • 山本 直嗣 教授
  • 森田 太智 助教
先進宇宙ロケット工学研究室では、手のひらサイズの小型人工衛星用イオンエンジンから有人惑星間航行用の核融合ロケットエンジンまで次世代のプラズマを用いた宇宙推進エンジンシステムの研究・開発を行っています。プラズマロケットにかかわる物理現象を理解し、性能向上に結びつけるために、キャビティリングダウン法やトムソン散乱法などを用いて、プラズマの密度や温度などを計測する実験とプラズマ中の電子やイオンを第一原理的に解く数値解析の両輪で研究を進めています。また、プラズマ計測手法の開発・改良も行っています。その他、天体物理を理解するために、高強度レーザーを用いて地上で天体プラズマ現象を再現するレーザー宇宙物理実験の研究も行っています。 宇宙用推進機,電気推進,レーザー核融合ロケット,プラズマ診断,プラズマ応用,レーザー応用,ホールスラスタ,レーザー計測,実験室宇宙物理,無衝突衝撃波,磁気リコネクション,プラズマエンジン,小型エンジン
極限環境材料学研究室

極限環境材料学

  • 橋爪 健一 准教授
核分裂・核融合・水素・太陽等の各エネルギー利用を念頭に,極限環境(超高温,放射線場など)に置かれた材料の応答・物性変化を,材料中の原子・イオン・電子等のミクロ挙動を通して明らかにすることを目的とした研究室です。具体的には、極限環境で使用される金属やセラミックス材料中の、特に水素同位体の振舞い(溶解、拡散、透過など)の研究を中心に行っています。 原子力材料,核融合炉材料,水素エネルギー,トリチウム

粒子線物理工学

  • 渡辺 幸信 教授
  • 金 政浩 准教授
  • 川瀬 頌一郎 助教
エネルギー、医療、宇宙開発分野等におけるミクロな粒子線(中性子やミュオン等)の先端的応用を目指し、素粒子・原子核物理と医・工学の境界領域の研究を展開しています。 まず、原子核物理の応用として、医療用放射性同位元素(RI)の製造や放射性廃棄物の核変換技術に注目しています。近年、RIの医療応用技術は、 PETなどの診断分野に加え、新たなドラッグデリバリーシステムに基づいたがんの治療にも拡がっています。当研究室では、「加速器中性子源」を用いて、新たな医薬品やトレーサーの製造法を開発しています。また、核変換技術は原子力発電で発生した長寿命核分裂生成物の有害度低減や資源化にも有望視されており、必要な核反応基礎データの測定や理論解析を行っています。 もう1つの研究テーマは、素粒子の1つであるミュオンの応用です。宇宙から飛来する「宇宙線ミュオン」を使った透視技術である「ミュオグラフィ」をインフラ設備等の劣化探査に応用するため、専用の高性能検出器や解析手法を開発しています。また、宇宙線ミュオンにより半導体素子に誘起されるソフトエラー(一時的な誤動作)の物理機構を解明し、その発生率の予測精度向上に取り組んでいます。 粒子線計測システム開発,粒子線医工応用,応用原子核物理,数理データ解析,機械学習

結晶物性工学

  • 板倉 賢 准教授
  • 赤嶺 大志 助教
材料の特性には微細組織が深く関わっており、微細組織のデザインを通した最先端の材料開発が注目を集めています。また、最適な微細組織を得るためにはその構造の理解だけでなく、相変態など組織形成メカニズムの解明も求められます。例えば、モーターや電子デバイスに搭載される永久磁石の磁気特性は、組織を構成する磁性結晶のサイズやその間に緻密に分散した非磁性領域の分布によって大きく左右され、その組織形成には熱処理時の相変態が深く関わっています。本研究室では、機能性合金を主な対象とし材料特性と微細組織の関係およびその形成メカニズムを明らかにすべく最先端の電子顕微鏡を用いた構造解析を行っています。 磁性体,走査電子顕微鏡,透過電子顕微鏡,その場観察,微細組織設計,マルテンサイト変態

熱エネルギー変換システム学

  • 宮崎 隆彦 教授
  • Kyaw Thu 准教授
地球温暖化を止めるには、化石燃料に頼る現在のエネルギーシステムを根本から見直す必要があります。本研究室は、あらゆるエネルギーの最終形態である「熱」に着目し、熱の有効活用によって地球環境問題の解決を目指します。特に、発電や高温の産業プロセス等で排出される排熱を利用した新技術の開発に取り組んでいます。 再生可能エネルギー熱利用,ヒートポンプ,吸着現象,熱力学サイクルシミュレーション

固体力学

  • 濱田 繁 教授
  • 近藤 俊之 准教授
  • 植木 翔平 助教
固体力学研究室では,機械材料の本質を探り,安全を科学することによって,機械に使われる材料を安全に使用するための研究を行なっています。具体的には,機械に用いられる工業材料(鉄鋼・非鉄金属・複合材料・セラミックス・高分子材料)を対象とし,以下の3つの階層に分けて研究を実施しています。(1) 最新鋭の機器を活用した,破壊および疲労現象のメカニズム解明,(2) 解明したメカニズムに基づく,種々の階層の力学(有限要素法,マイクロメカニクス,分子動力学)を用いた強度予測解析モデルの提案,(3) 提案したモデルを活用し,機械系研究室以外も含めた他研究室との共同研究による,新材料迅速実用化への応用。
構造材料評価

構造材料評価

  • 戸田 裕之 教授
  • 髙桑 脩 准教授
  • 藤原 比呂 助教
構造材料評価研究室では,材料力学と材料科学を融合した新しい見地から構造材料の諸問題を解決し,安心で安全な社会の実現に貢献すべく研究しています。 我々の研究対象は,鉄鋼やアルミニウム合金,チタン合金を中心とする構造材料です。それらのミクロ構造と構造材料の変形や破壊,疲労特性の関係などについて,研究を行っています。材料内部の変形や力学状態を調べるために,世界最高の大型シンクロトロン放射光施設SPring-8を用いた3D/4Dイメージングによる変形・破壊挙動の高精細可視化を用います。高度なイメージング技術の開発とともに,得られる情報を基に材料内の局所的な変形・破壊挙動を解析する手法を開発しています。また,これらのアプローチを材料・機械工学の様々な長年の懸案に応用しています。その他,リバース4D材料エンジニアリングと呼ばれる3D画像に基づく革新的な材料設計手法を提案し,ものつくりへも貢献すべく研究を行っています。 3D/4D材料科学,X線マイクロナノトモグラフィー,安全安心社会,応力腐食割れ,材料の強度と破壊,材料工学,鉄鋼材料,疲労破壊

流体制御

  • 渡邉 聡 教授
  • 津田 伸一 准教授
流体制御研究室では、生活や産業活動を支えるポンプや水車に代表される水力機械(液体を扱う流体機械)の高性能化・高効率化と、水力機械の高速化の際に問題となるキャビテーション(液中で多数の気泡が発生と消滅を繰り返す気液相変化現象)を含む複雑な流動現象について、マクロからミクロに渡る多岐の視点で研究を進めています。SDGsが人類共通の目標である中、流体と機械のエネルギー変換を担う主役としての流体機械の高効率化は最重要課題の一つです。そこで、流体機械で生じる複雑な流動現象の解明に基づいた高効率化・高信頼化に関する研究を、発電所で用いられる高圧ポンプ,高速回転する燃料ポンプ,農工業用水路など低落差で運転可能な小形水車を主な対象として進めています。また、水力機械を高性能化する際に問題となるのがキャビテーションであり、本現象を水力機械の設計段階で正確に予測することは、同じく重要な課題となっています。キャビテーションは本質的に大小の様々な気泡群から成るとの認識に基づいて、巨視的な挙動だけでなく、各気泡の発生初期や消滅の過程における微視的挙動も含めた理解を並行して進めることで、本現象の正確な予測を可能とすべく研究を進めています。 流体力学,流体工学,数値流体力学,分子シミュレーション

流体設計

  • 下山 幸治 教授
  • 森 英男 准教授
  • 草野 和也 助教
自動車・航空機・エンジン・発電機など,流体から力やエネルギーを得て作動する流体機械は,私たちの日頃の生活を豊かにしてくれます.流体機械を設計する上で,力やエネルギーを産み出す流体現象の解明が必要不可欠となります.しかし,流体力学は非線形偏微分方程式の系「Navier-Stokes方程式」に支配される,非常に難解な学問です.そこで当研究室では,スーパーコンピュータを用いた数値計算や光学計測を用いた実験を通して,渦・衝撃波・音など,流体機械の特性の鍵を握る流体現象を詳細に解明する研究に取り組んでいます.さらに,流体機械を設計する際には,様々な設計候補を挙げて検討し,それらの中から設計要求に応えられるものを探し出す必要があります.従来,この作業は設計者の知識・経験・勘を頼りに行われてきましたが,設計問題が大規模化および複雑化するに従い困難になります. そこで当研究室では,数理科学・データ科学に基づく最適化により,設計者の技量に依ることなく,革新的な流体機械を創出する研究に取り組んでいます.以上の研究を通じて,当研究室は流体機械をはじめとした,多種多様な工学機械の「ものづくり」に貢献することを目指しています. 流れ場の可視化,感圧塗料,感温塗料,空力騒音,ターボ機械

生体熱工学

  • 藏田 耕作 教授
  • 塘 陽子 助教
生体工学は医学や生物学の分野にある諸問題を工学的な見方で取り扱って解決する学問です.生体熱工学研究室では,生体工学と熱工学,そして両方が関係する生体熱工学に関する研究を行っています.現在,最も興味を持って取り組んでいるのは, (1)細胞に対する電気的作用とこれを利用した低侵襲がん治療に関する生体熱工学的研究 (2)腱・骨・軟骨などの生体支持組織のバイオメカニクス (3)生物教育教材やバイオ実験装置のオープンソースデザイン です.細胞や医療に関係する研究であっても,考え方の基礎は熱工学を含む機械工学にあります.機械工学的なものの見方を大切にしています. 不可逆エレクトロポレーション,腫瘍治療電場,電気パルス,交流電場,医用工学,バイオエンジニアリング,がん細胞,硬組織,三次元細胞培養,温度分布,伝熱,簡素な科学,3Dプリンター,レーザーカッター,教材・教具

熱エネルギー変換工学

  • 森 昌司 教授
  • 濱本 芳徳 准教授
  • 梅原 裕太郎 助教
当研究室は、熱エネルギーの有効活用を目標として、エネルギー効率の向上や持続可能なエネルギーソリューションの開発に取り組んでいます。 特に、沸騰、蒸発、混相流、および吸着などの現象に焦点を当て、研究を行っています。例えば、発熱密度の増加が懸念されている次世代半導体の冷却システムの開発、次世代エネルギーキャリアである水素の製造や貯蔵手法ならびに熱駆動型吸着式ヒートポンプや湿度制御システムの高性能化などを実施しています。 私たちの研究室は、熱エネルギーの有効利用に関するチャレンジングな研究を行っており、最終的には、社会における省エネルギー化や環境負荷の軽減に貢献することを目指しています。私たちの研究室に興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。一緒に持続可能な未来を築くために、共に研究していきましょう。 複雑流動,脱炭素,相変化,発電所

熱流体物理

  • 迫田 直也 准教授
  • 喜多 由拓 助教
気液相変化(沸騰・蒸発・凝縮)がかかわる熱輸送および熱力学的諸現象の解明を目指して,実験的・理論的研究を行うとともに,その成果を広範囲に応用する研究開発を行っています.扱う対象のスケールも製鉄プロセスにおける冷却問題,空調用熱交換器の凝縮などのマクロスケールから,マイクロ冷凍機の開発やナノ・マイクロ微細構造による相変化現象の制御などのマイクロ・ナノスケールの現象解明まで広範囲に及びます.また,水素エネルギー社会における知的基盤情報の確立を目的とした,高圧域の水素のPVT性質,熱伝導率,粘性係数等の熱物性測定や,地球温暖化抑制のため,冷凍空調機器に用いられる新しい冷媒の熱物性測定も行っています. ナノ粒子,熱物測定,合成等ナノスケール,カーボンナノチューブ,PVTデータ,マイクロ加工,レーザーアブレーション,計測

反応性ガス力学

  • 北川 敏明 教授
  • Ekenechukwu Chijioke Okafor 准教授
現在、世界のエネルギー供給の80%以上は燃焼によるものですが、炭素系燃料の燃焼により排出されるCO2などの温室効果ガスは、地球温暖化や気候変動の原因となると考えられています。したがって、脱炭素社会の実現は、地球環境保全の観点からも非常に重要です。そのため、人々の暮らしや産業活動を支えてきたエネルギー源としての燃焼は、今まさに転換期を迎えています。反応性ガス力学研究室では、燃焼に関する基礎から応用までの幅広い研究を行っています。世界的にも数少ない高圧乱流燃焼装置を用いて、在来型燃料のみならず、石炭ガス化ガス、カーボンニュートラルなバイオマス由来燃料、さらには脱炭素社会を実現するための燃料として期待される水素やアンモニアなど、各種燃料の燃焼特性や燃焼方法に関する研究を行っています。実験および数値シミュレーションから得られた研究成果は、自動車用エンジン、火力発電所等に用いられる産業用ガスタービンやボイラ等の燃焼機器の研究開発・設計等に貢献しています。 シュリーレン法,すす,ラージ・エディ・シミュレーション,レーザー計測,火炎片モデル,拡散火炎,球状伝播火炎,数値解析,石炭ガス化複合発電,石炭ガス化炉,素反応,大規模計算,窒素酸化物,直接数値計算,二酸化炭素回収貯留,微粉炭ボイラ,予混合火炎,乱流燃焼モデル,輻射
熱物理工学研究室

熱物理工学

  • 河野 正道 教授
熱物理工学研究室は熱輸送・熱エネルギー変換にかかわる現象の理解とその工学的応用を目指した実験的研究に取り組んでいます。 エネルギー有効利用を目指した材料創製と熱物性制御(高圧ひずみ加工を利用したシリコン熱電材料の研究・サーモリフレクタンス法による超臨界流体の熱物性計測),マイクロナノスケールにおける熱流体現象の観測(カーボンナノチューブ膜における分子吸脱着現象の観測),各種冷却プロセスの高性能化を目指した気液相変化伝熱(固体表面に衝突する微小液滴の挙動と相変化伝熱に及ぼす表面性状の研究)に取り組んでいます。 スプレー冷却

エンジンシステム

  • 森上 修 教授
  • 安藤 詩音 助教
自動車用エンジンをはじめとする様々な内燃機関の燃焼に関する研究を行っています。内燃機関において,燃え残り,窒素酸化物などの有害物質の排出をできるだけ抑制し,燃焼により生じるエネルギーを最大限有効に利用するには,その中で起こる燃焼現象を理解し制御することが重要です。内燃機関の中では,燃料と酸化剤の混合,相変化,数千種類の化学反応が数十気圧という高圧力下で行われており,非常に複雑な現象となっています。当研究室では,これらを解明し内燃機関の性能を向上するため,室温・大気圧下から高温・高圧力下の燃焼まで,また基礎研究から実際のエンジンを用いた実用に関わる研究まで幅広く研究を行っています。

機械波動音響学

  • 雉本 信哉 教授
  • 石川 諭 准教授
  • 高山 佳久 助教
快適な生活環境の実現を目的として,能動的音響制御,非線形性を考慮した音響解析手法,磁気力を利用する柔軟アクチュエータ,磁気を利用する振動抑制手法に関する研究を行っています。また,人と機械が快適に共生する社会の実現を目指して,生体信号処理による快適性の評価,生体の柔軟性の計測技術,生体内の音響・波動伝播解析に関して研究しています。

システム工学

  • 木口 量夫 教授
  • 西川 鋭 准教授
  • 辻 康孝 助教
九州大学システム工学研究室では,ロボット・システムを医療・福祉やスポーツへ応用するための研究開発に取り組んでいます.ロボット工学は,機構,制御,センサ,ソフトウェアなど様々な技術が集合した領域です.このような技術を人間,生活を対象とする場へ応用するときには,従来の産業技術を超えた新たな工夫を必要としています.本研究室では,このようなロボット技術にもとづくアシスト装置,リハビリテーションロボット,スポーツロボット等の開発に取り組んでいます. 手術ロボット,生体シミュレータ

制御工学

  • 山本 元司 教授
  • 中島 康貴 准教授
  • 金田 礼人 助教
本研究室では医療・福祉ロボットのように,ロボットが人の近くで動作する必要がある場合,人との相互作用が必要な場合,人に接触しながら動作する必要のある場合のロボットシステムを主に研究しています。このようなロボットでは,人との親和性が高く,安全な動作を保証するシステムと制御手法の開発が強く求められています。そこで,本研究室ではシステム制御理論やロボティクス,工学における各種の手法を用いながら,安全で役に立つロボットシステムの研究開発をおこなっています。
ヒューマンセンタードロボティクス

ヒューマンセンタードロボティクス

  • 田原 健二 教授
  • 有田 輝 助教
当研究室では,機械工学を基本としたロボティクス技術を用いて,人間等の生物が持つ高度な運動知能の数理的・力学的理解と,それらの工学的応用に関する研究を行っています。 例えば,人間の手は非常に多才ですが,その機能を実現できるロボットは未だ具現化されていません。それを実現する為に,人がどのように把持・操作を行っているかについての解析,およびそれを具現化するための理論的枠組みについて研究を行っています。また,人の筋肉は時に力強く,時に柔らかくなり,自在にその特性を変化させながら運動を生成しています。そのような機能をロボットで実現する為に,人工筋肉アクチュエータや,無段変速機構の研究を行っています。 ソフトロボティクス,筋骨格システム,冗長マニピュレータ,多指ロボットハンド,二足歩行ロボット
精密加工学

精密加工学

  • 黒河 周平 教授
  • 林 照剛 准教授
  • 佐島 隆生 助教
超精密加工・光学計測技術による省エネルギーデバイスと機械要素部品の加工技術・製造プロセスの確立を目指して,最先端の加工・計測技術に挑戦 CFRP,CMM,CMP,アブレーション,ギガレンジ,スラリー,ナノメートル,ナノ粒子,パワー半導体,フェムト秒,フェムト秒レーザー,基板平坦化,工具摩耗,歯車,歯車精度,水素タンク,粒径計測

材料加工学

  • 品川 一成 教授
  • 吉年 規治 准教授
  • 工藤 健太郎 助教
本研究室では主に金属や粉末材料の変形加工を応用した製造プロセスの開発を行っている。これらのプロセスで作製された部品はものづくり産業の中核を担うものであり,特に,塑性加工,粉末冶金に関連した数々の加工プロセスに関する研究に注目している。具体的には複雑形状の金属部品を大量に作製できる粉末射出成形法(MIM),コンピュータ上で設計した任意形状をそのまま金属部品として作製できるレーザ積層造形法, 原子構造がランダムもしくはナノサイズで制御されている非平衡粉末の加工プロセスなど,さまざまな加工法を研究対象としている。また,これらの基礎的現象の解明のための焼結挙動のモデル化およびそのシミュレーション技術の開発も同時に行っており,理論に基づく解析的手法から実験による工業的利用に向けたプロセス開発まで,幅広く研究を行っている。 成形加工,3Dプリンタ-,塑性力学,計算力学,セラミック,アモルファス,磁性材料

設計工学

  • 澤江 義則 教授
  • 鎗光清道 准教授
  • 森田 健敬 助教
設計工学研究室では,生体組織やハイドロゲル,樹脂材料などの“やわらかい材料”を対象に,医療デバイス,エネルギーシステムなどの機械要素,生体運動器官の作動条件・環境を考慮した種々の実験や事例解析を行い,その潤滑,摩耗,損傷のメカニズムを解明する研究を行っています.また,そこで得られたテータを安全で信頼性の高い機械システムの構築に役立てるとともに,柔軟な発想に基づく新しい機械要素設計手法の提案を目指しています. トライボロジー,関節,軟骨,人工関節,ソフトマター,摩擦,水素

トライボロジー

  • 杉村 丈一 教授
  • 八木 和行 准教授
  • 田中 宏昌 助教
トライボロジーは,地球環境保護や省エネルギーのために必要不可欠な,摩擦,摩耗,潤滑の科学と技術で,機械工学と化学,材料科学が融合した学際的研究分野です。機械を円滑に,かつ少ない消費エネルギーで長期間壊れずに動かすための,新しい潤滑方法や要素材料の研究を行っています。また,未来の低炭素社会において水素エネルギーを作ったり使ったりするうえで重要なトライボロジーの先端課題に取り組んでいます。

生体機能工学

  • 工藤 奨 教授
  • 世良 俊博 准教授
  • 佐々木 沙織 助教
生体内の様々な現象に関して,バイオメカニクスおよびバイオトランスポートの視点から研究に取り組んでいます。細胞・組織の機能が力学環境の変化にどのように適応していくのかをバイオメカニクスの視点から解明することを目指し,再生医療などの応用を目指しています。また,生体内の物質輸送・移動現象(バイオトランスポート)を統合的に理解するために,タンパク質レベル,細胞・組織レベル,個体レベルの各階層での物質輸送・移動現象の研究をおこなっています。

流体医工学

  • 山西 陽子 教授
  • 佐久間 臣耶 准教授
  • 鳥取 直友 助教
本研究室は小さい領域において機械・電気・医学・バイオ等の知識を駆使し,生きた細胞が有する未知なる機能の解明や細胞レベルの治癒を工学的なアプローチによって実現することを目標に研究に取り組んでいます。例えば,狙った癌細胞のみを死滅させる技術,微細空間操作技術による細胞手術の研究,再生医療に向けた細胞分化制御のための新しい遺伝子導入技術など工学と医学の異分野融合領域を取り扱っています。この技術により,これまでわからなかった微細空間内での現象の解明を目指しています。 MEMS,ナノ,バイオメディカル,プラズマ,マイクロ,メディカル,医用工学,医療機器,加工,界面,機能性,気泡,針なし注射器,生体,電気化学,流体

先端医療デバイス

  • 荒田 純平 教授
  • 野上 大史 助教
  • D.S.V.バンダラ 助教
研究室では,ロボット技術を中心とした新技術創出と,その医療応用による新たな治療提供を目指して研究開発を行っています.ロボット技術は,機構・センサ・システム統合などの複合的な領域から構成されています.これら技術を医療従事者との連携から改めて見つめ直し,臨床応用可能な技術まで昇華できる新技術へと発展,応用を行います. 近年,医療ロボットは手術やリハビリテーションの支援に応用され,その有用性が確認されています.私たちは,ロボット技術を拡張子,医療への応用を目指す研究開発に取り組んでいます.具体的には,直径が2mmで先端に自由度を持つ世界最小の手術ロボットを開発しています.このロボットには,柔軟に変形することで動力を変換・伝達する仕組みを考案,導入しました.同じくこの柔軟構造を応用した手指リハビリテーション装置を現在臨床試験中です.このような柔軟構造は,小型,軽量,安全,清潔などの医療ロボットに特有のニーズに応えることが出来ると考えています. 研究室では,これらのロボット技術を核として,様々な医師をはじめとする医療従事者,製薬企業,メーカー,他大学研究者らと密に連携し,先進医療デバイスの創発と実用化を目指しています. ロボット工学,宇宙ロボット,リハビリテーションロボット,柔軟メカニズム,機構開発,医療機器

水素利用プロセス

  • 佐々木 一成 教授
  • 立川 雄也 助教
水素利用プロセス研究室では,燃料電池を核にした環境にやさしい水素エネルギー社会の実現を目指し,20年以上の研究実績をベースにした燃料電池および水素システムの材料・プロセス研究に取り組んでいます。新材料の開発,メカニズム・プロセスの解明,システム設計指針の構築,水素技術の実用化に向けた高耐久化などの技術課題解決のために,研究室専有の燃料電池性能評価装置(計40台)や超高分解能走査透過電子顕微鏡など最高水準の研究インフラを整えており,材料調製から電池セルの作製,電気化学特性評価,ガス分析,微細構造観察,プロセスシミュレーションを一連の研究として行い,実用化に向けた産学連携にも積極的に取り組んでいます。

燃料電池システム

  • 伊藤 衡平 教授
  • 北原 辰巳 准教授
  • 中島 裕典 助教
電気化学方式のエネルギー変換装置,すなわち燃料電池や水電解装置はスケールに左右されずに効率も高く,メカニカルリンク「レス」で信頼性高くかつ低騒音なため,次世代のエネルギー社会の中での核として期待されています。一部実用化も始まってますが,本格的普及に向けてコスト低減,耐久性・性能向上をはかる必要があります。このような背景の中で本研究室では,機械工学を基礎としたアプローチにより,固体高分子形燃料電池(PEFC),固体酸化物形燃料電池(SOFC),並びに水電解装置に関する研究開発を進めています。

水素貯蔵システム

  • 松永 久生 教授
  • 小川 祐平 助教
水素は常温では気体であるため,ガソリンのような液体燃料に比べて,輸送・貯蔵効率が極めて低いことが課題です。水素社会実現には,安全で効率的な水素輸送貯蔵技術の確立が不可欠であるとされています。 水素貯蔵材料はその内部等に水素を大量にかつ速やかに吸蔵する材料で,圧縮水素や液体水素よりも高い体積密度で水素を輸送貯蔵することができます。しかし実際に利用するには,水素の重量密度,耐久性,水素の放出温度,反応速度などの課題が残っています。これらの課題を,基礎研究の成果を基に解決することが研究室の目的です。また,材料を応用するための応用技術,特に燃料電池自動車への水素搭載法についても研究開発を進めています。

水素機能材料学

  • 西村 伸 教授
水素エネルギー社会を構成する水素機器には,水素ガスをシールするためのゴムや樹脂材料が使用されています。高圧水素ガスへの曝露や水素ガスの加減圧に伴うOリングなど水素シール材の破壊が懸念されています。 当研究室では,高圧水素雰囲気に曝露したゴム・樹脂材料の水素ガスによる破壊現象の解明を進めています。材料中への水素溶解挙動を昇温ガス脱離分析や核磁気共鳴法を用いて調べ,材料の破壊挙動との関係を検討しています。さらに,破壊挙動と使用環境,材料組成や分子構造との相関を検討し,耐水素特性に優れた材料開発指針の確立を目指しています。

推進工学

  • 井上 智博 准教授
  • 王 振英 助教
航空機エンジンやロケットエンジン,人工衛星用エンジンといった推進工学分野の研究を行っています。高速度カメラを用いた可視化実験と数値シミュレーション,理論的モデリングを上手く組み合わせて,エンジン内部の熱流体現象を詳しく分析するとともに,得られた知見を統合して実エンジンの性能予測や最適化を図ります。 また,航空宇宙エンジンや自動車エンジンの製作に重要な,良質な金属粉を生成するために,液体金属の微粒化・相変化の研究も行っています。 その他,線香花火や金属火花の連鎖的な枝分かれや,水面上の不思議な液滴挙動など,身の回りの物理にも興味を持って,長年の謎を解き明かすとともに,工学的な応用に取り組んでいます。 ジェットエンジン,推進機関,推進工学研究室,高速推進機関,ジェット実験装置,航空宇宙用推進機関,低減実験,ファン実験設備,ジェット騒音,ファン騒音,ファン広帯域騒音,研究手法,航空機用,数値流体力学的計算,流れ,確率論,数値予測,内部流れ,響室,定常流れ,決定論,燃焼促進,翼列,乱流,エアブリージングエンジン,混合,フラッタ,対象,解明

流体力学

  • 安倍 賢一 教授
  • 木原 尚 助教
工学的に興味のある流れ場は,多くの場合乱流状態である。そこで,複雑な乱流・乱流伝熱場を高精度で予測できる新たな数値計算用のモデリング技術の構築を目指して,乱流・乱流伝熱モデルに関する基礎的な研究を進めている。さらに,新たに開発した乱流・乱流伝熱モデルを航空機や自動車周りのような実用的な流れ場の数値計算に適用することにより,その有用性の検証をあわせて実施している。 流体力学,数値解析,CFD,数値流体力学,乱流モデル,ラージ・エディ・シミュレーション,非圧縮性流体,粘性流体

熱工学・応用物理学

  • 高橋 厚史 教授
  • 李 秦宜 准教授
  • 手嶋 秀彰 助教
伝熱学と流体力学に関する未解明な問題,特に,ナノメートルオーダーの熱輸送と物質輸送についてMEMS技術と先端的顕微鏡を用いて実験的に研究しています。例えば,本研究室では自作のセンサーによって100nm以下のナノ材料単体の熱伝導率を計測することが可能です。ナノ材料と基板との界面熱抵抗はRAMAN分光法によって計測しています。サイズがナノメートルオーダーになると固体材料の物理的性質は大きく変わることが知られていますが,それは流体に関しても同様です。そこで,ナノサイズの気泡(ナノバブル)の物理機構についても調べています。ナノ材料と流体の相互作用も未解明で興味深いテーマです。それらナノスケールでの熱と流れを理解し応用することによって,航空宇宙機をはじめとするシステムやデバイスの性能と信頼性を大幅に向上させる知見の獲得を目指しています。 カーボンナノチューブ,効率かつ高精細,分子動力学シミュレーション,革新的手法,原子レベル,原子,機能性,薄膜,レーザー,フォノン,確立

軽構造システム工学

  • 矢代 茂樹 教授
  • 小野寺 壮太 助教
重力に逆らう航空宇宙機はもちろん自動車などの輸送機械でも省エネの観点から軽量化が要求され,軽量かつ高強度・高剛性である先進複合材料の利用が広がっています。しかし,先進複合材料の特徴を十分に発揮した軽量化構造設計はいまだ実現していません。この課題を克服するために,軽構造システム工学研究室では,先進複合材の成形から損傷進展・破壊という一連のプロセス,すなわちライフサイクルをモデリングすることによって,材料や構造の信頼性を高める研究を行っています。実験的/解析的知見の蓄積によって,航空機の構造設計に関して従来の金属ベースの設計手法から脱却し,複合材料の特徴を最大限に活用した設計技術を提案,実現することを目指します。 高分子基複合材料,炭素繊維強化プラスチック,CFRP,短繊維強化プラスチック,不連続繊維強化プラスチック,層間はく離,繊維破断,非破壊検査,超音波探傷,構造ヘルスモニタリング,射出成形,樹脂含浸成形,RTM,バードストライク,疲労,高速衝撃

誘導・制御工学

  • 外本 伸治 教授
  • 坂東 麻衣 准教授
  • 長崎 秀司 助教
宇宙機および航空機の誘導制御について研究しています。これまでにない新しい発想に基づく概念や理論を構築することを目標に,他の研究機関では行われていない研究を目指しています。研究テーマの一つは非線形システムの制御で,その中でも非ホロノミック拘束をもつシステムについて研究しています。これを用いると,少ない数のアクチュエータでより多くの状態を制御することが可能になります。二番目は未知環境でも自律的に動き回れるシステムについての研究で,実験機を用いた研究開発を行っています。ユニークな形状の惑星探査ローバや,昆虫の複眼神経回路を工学的に模倣した認識システムなどについて研究しています。三番目は,宇宙機の軌道を設計する研究です。年々複雑化する宇宙ミッションへの要求に対応するため,力学と制御理論をベースとした宇宙機の軌道設計・制御の理論的な研究,宇宙ミッション形態の新しい概念の創出とその実現に向けた研究を行っています。 自律システム,カメラシステム,等方脚配置,宇宙ロボット,惑星探査ローバー,ローバー,環境認識,典型例,ソーラーセイル,整地,判断,対象,周囲

飛行力学

  • 東野 伸一郎 教授
力学とその航空機応用が研究室の基本の守備範囲ですが,研究の内容は制御工学応用,システム工学応用,IT応用と広がっています.最近の搭載計算機等の小型化を利用して無人機の可能性に挑戦しています.福岡大学と協力して高高度(30km)からエアロゾル観測装置を回収する滑空型無人機を開発し,南極での運用も実施しています.また1000km近い長距離を飛行できる磁場探査用無人機を開発し,エチオピア・アファール凹地における磁場探査も実施しています.開発で生じた問題の解決を通して学生は多くのことを学んでいます. 自動飛行制御則,飛行制御則設計技術,飛行試験,音速飛行実験機,南極観測,知能化技術,国立極地研究所,JAXA,予定,共同

花田(宇宙機ダイナミクス分野)

  • 花田 俊也 教授
  • 吉村 康広 助教
  • 陳 泓儒 助教
宇宙機ダイナミクス研究室では,アストロダイナミクスをスペースデブリ(宇宙ごみ)問題に応用して,スペースデブリ分布の安定性/不安定性,スペースデブリ発生防止・環境改善策の有効性,人工衛星の生涯衝突率などを議論・評価するツールを開発しており,世界的な議論の場で日本のツールとして活用されています。また,未知スペースデブリを効率よく発見する観測計画の研究,撮像画像から移動する人工天体を確実に検出するアルゴリズムの研究,並びに人工衛星の健全性を確認する動態観測の研究も進めています。その一方で,学生主導の下に超小型衛星「Q-Li」の研究開発を進めています。超小型衛星「Q-Li」プロジェクトは,天体の明るさを時間の関数として表した光度曲線から天体の動きや変化のありさまを逆推定する技術の確立を目指しています。 ブリ観測衛星,ブリ除去衛星,小型衛星研究開発,ブリ軽減策,特徴,軌道,検討

宇宙輸送システム工学

  • 小川 秀朗 准教授
  • 新本 康久 助教
  • Suk Hyun Yeo 助教
  • 高尾 勇輝 助教
宇宙輸送システムは、地球から宇宙そして宇宙空間での効率的かつ安全な移動を実現するため、宇宙開発において非常に重要な役割を担っています。特に近年は、科学技術・商用衛星ともに打ち上げが急速に活発化し、小型衛星による宇宙開発、科学目的の深宇宙探査、宇宙往還機による宇宙旅行など、多様な目的において、宇宙輸送への関心と需要が高まっています。打上げ・軌道投入・運用・再突入・着陸といった各段階において、宇宙機やペイロードは地上と異なる特殊な環境に曝され、様々な技術・環境・予算的制約の中で、いかに安全を確保しながら最大限の性能を発揮し、ミッションの目的を達成するかが宇宙輸送の鍵となります。このためには、物理現象とその影響を正確に理解し、それらを考慮した技術開発と設計を行うことが不可欠で、当研究室では、JAXAや国内外の機関と連携し、将来型宇宙輸送の実現に向け、数値解析・理論・実験と最適化・機械学習・超並列演算といった先進的手法を融合させた多角的アプローチを駆使して、システム・ミッション・推進技術に関する研究を行なっています。 数値流体力学,圧縮性空気力学,衝撃波,超音速,極超音速,燃料噴射・燃焼,化学反応,高エンタルピー流れ,空気吸込式エンジン,多目的最適化,遺伝的アルゴリズム,進化計算,深層学習,ロケット,電気推進,宇宙利用,有人宇宙飛行,再使用型打上げ